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フレデリック ペパーミントガム🪴②

思っていたより長くなっちゃったので分けました。
①はこちら


ペパーミントガムが聴けるWELL 噛 ONEツアー🎫 .·


①同様にあくまでも私の視点で感じたことについて書いています。
参考にいただけたら幸いです。
あなたの曲に対する感覚、感性、そういったものをぜひ大切にしてくださいね。


6.歌詞について(愛とは)
(7でMVについて書こうと思ったんだけど、歌詞と連動してるのでまとめて書きます)

この歌詞について触れようとすると私自身の恋愛観や愛に関する考え方、過去の体験に影響を受けます。
TLを見てて思うに、感想を言うのが難しいよね。
みんなの様子を見ながら思った。
だってその人のパーソナルな考え方や体験が如実に出るから。

話せること、話したいことを中心に書いてみようと思う。

自分はこの歌詞を読んで失恋の曲だとは思わなかった、そこに愛があることを歌った曲だと思ったと①で書きました。
恋は失ったかもしれないけれど、根底には紛れもない愛があることを歌った曲だと思った。
健司くんの紹介でも、「愛の歌」と言っているように。

失恋は「恋を失った」と書く。
恋と愛の違いから語り始めたらきりがないけれど、
自分は「好き」と「愛している」の違いかなと思う。

「好き」ってその人の良いところにフォーカスしていて、それが恋で、
「愛している」ってその人の良いところも悪いところもまるごと受け止めるものだと思う。
けして「好き」の上位互換が「愛している」ではなく、種類の違い。

「あなたのすべてが欲しかった」

すごい言葉だよね。
改めて文字に起こしてみると。
「人は長所で尊敬され、短所で愛される」っていう言葉もあるけど、
良いところも悪いところも、全部ひっくるめてあなたのすべてが欲しかったと。それが愛だった。本当に深い愛情を向けている人にしかそういう感覚って持たないと思う。

また、曲全体から諸行無常、季節の移り変わりの儚さと美しさを感じ、草木花、自然にまつわる言葉が出てくる。

自然は青々とした生を表現したかと思えば、やがて朽ち果てる。
曲の中に過去、今、未来の時間の流れを感じる。
儚いものは美しい。
私は趣とか情緒とか風情とかそういうのが好きだから、儚いものが好き。
康司くんが書く、季節や自然に対する情景の書き方が好き。
MVの中でも登場するように「花」の表現が好き。

花束は言葉にしない言葉、
言葉に縛られないでそこに込められた想いを表現するものだから。

結婚式、プロポーズ、入学式、送別会、葬式
ありとあらゆる場面に花は人間の一瞬を彩る。
MVの中で彼から彼女に送られた花束にも言葉では表しきれない感情が込められていたと思う。

MVでは、その花が飾られた部屋で4人が音楽を鳴らしている。
その空間を音楽で満たすって、うまく言えないけれど、私は愛が深い表現だなあって思った☺️

この曲の中に登場する人物について。

過去は、街の明かりも何もかもが輝いてみえた
ため息だって風の中にぴゅーって消えていった
喧嘩する程、仲が良い
2人が触れあったまどろみも夢のようだった。

楽しい時ってそうだよね。世界が全部明るく見える。

(500日)のサマーっていう失恋の映画が好きなんだけど、そこでも似たような表現が出てくる。

https://youtu.be/ILCB_f0IIyI?si=GByT8XQUBQ7PaPS-

この作品ね、高校生のときに出会って、使われている音楽も映像も全部好きだから、お暇な方はぜひ観てみて欲しいな。DVDも持ってる。
けしてハッピーエンドではない。2人は結ばれないの。少しずつ少しずつ2人がすれ違い、相手が分からなくなっていくさまが描かれている。
でもちゃんと季節は巡る。


曲の1番は、2人にしか分からない感覚が出来上がり、世界が続いていた。それが愛だった。
哀とか藍とか何の濁りもなく。全部、愛だった。
康司くんが書く歌詞は一筋縄ではいかない、いろんな当て字の表現があって、そのひとつひとつに意図があると思う。
だから、今回すべて「愛」だったのはとてつもない衝撃だったし、それほどに一点の曇りもなく「愛」だったと言いたいんだなと思った。

それも康司くんの愛情の深さを感じた。

そして、人間は、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚の順番に記憶が失われていく。

それを知ったのはいつだったかな、高校生か大学生の頃かなあ。
これは私の靴底に張り付く過去のアザかもしれない。
父を子どもの頃に亡くしているのですが、父の声が思い出せないことに気が付かされた時、とてつもないショックだったんよね。

「どれだけきみの声を膨らませて浮かべたかな」

人間は声から忘れていくし、そこにいない相手の声を言葉を、1人で想像を膨らませて思い浮かべる。

MVの中でも対話するシーンが印象的で。

対話ってお互いに愛があるからこそ出来ることだと思うんです。
なんだろう、世の中には戦争があったり、誹謗中傷があったり、いろんな事が起きるけど、それでも対話するって愛を持って、分かり合うためにできることなのかなって思った。


そして、MVは視覚的に彼女が仮面になっていく。

顔を忘れてしまうっていうこともあるかもしれないけれど、今までわかっていた相手がどんどんわからなくなっていく、どんどん自分の知らない相手になっていく感覚だと思った。

彼は彼女の手を握りながらも、顔に手を触れて確認をしてみる、相手がわからない焦燥感に搔き立てられる。

それでも、「粘り強くただ相手を想う」
これは一見すると醜いように見える。
靴底に張り付く過去のアザがゆえに、粘り強く想う
(ここの前後が繋がっているかはわからないけど)

「美しいかな」は「美しい哉(かな)」
=「美しいものだなあ」(詠嘆)と肯定しているのか

「美しいかな?」と自分のありように迷っているのか、ここって捉え方が2通りあるね。

でもどっちもあるよね。こういうときって恐らく。
美しいよねって自分を肯定する気持ち、美しいのかな?って迷う気持ち。

「粘り強くただ(相手を)想うこと」は言いかえると「執着」で。
執着っていう言葉が使われる文脈が個人的にはさげすむようで好きじゃないので、自分にも他人にも使わないけれど、その言い回しが康司くんらしくて優しい表現だなと思った。
なんかもう歌詞全体から康司くんの愛を感じる。

そして、ここのドラムの表現としてハイハットの足が本当に美しくて、澄んでいて。そこにガムも感じつつ。ここは、歌詞単体ではない感じ方だけど、たとえ靴底に過去のアザが張り付いていたとしても、そこにもその人の美しさがあるんだよってそんな風に感じた。

そして、望みがないにも関わらず、実のない花を咲かすな、季節外れの花、徒花。
こういうときって、悪いことじゃなくて良いことに頑張ってフォーカスして、一縷の望みを託すというかね。信じたくない気持ち。

それでもなかなか「廃れない愛だった」「消えない痛みが欲しかった」

人間は残念ながら幸せな記憶も辛かった記憶も全部忘れていく。
関係性の中で幸せな記憶しかないなんてことは絶対なくて、辛かったこともあったはず。
でも悲しいけれど、思い出は美化される。
辛かったことも思い出せなくなる。

痛みでも良いから自分の中に残って欲しかった。

だってさ、辛かったことがその人を愛していた証なんでしょう?
心の痛みが愛なのか、愛があるから痛むのか
痛みがなくならないように、「淡いペパーミント(永遠の爽快)の風を吹き荒れるまで焼き付けて」ずっとずっと心の中に残して、と。

ペパーミントのように爽快感のある香りを漂わせる健司くんの歌声、そしてその痛みさえも、永遠に忘れないで心に焼き付けるよっていう歌詞。

康司くんがこれまで書いてきた歌詞を思い出すと、
「リセットするわけないわ、全部背負ったまま」とか
本当にこの方は過去を全部未来に持って行く考えの持ち主なんだなってしみじみ思う。

MVの中では、
フレハウスのグッズや過去のMVで登場したもの、曲を連想させるものが散りばめられていて。
その中にフレハウスのマグカップが登場する。

主役の2人もそうだし、健司くん1人の場面、3人の場面でも登場する。
個人的にはあのマグカップは愛を象徴するものなのかなと思った。

異性愛だけでなく、自分に対する愛情、仲間に対する愛情、音楽に対する愛情。愛というのはけして恋愛だけでなく、本当にいろんな形があると思う。
表面に出てきたものではなく、中身に愛があること。

これは自分が日々思うことだけど、愛情の形って人によって違う。何を愛情と思うかも人によって違う。

その人の表面に出て来たものがたとえトゲトゲしてたとしても、その根底には一体何が流れているのか、その人が人との繋がりを持とうとしているのか、断ち切ろうとしているのか、それは良く見極めないとわからない。

生きていると良くあると思う。思ってもないことを言ったり。思っていることを言えなかったり。
トゲトゲした言葉の背景には、その人のSOSとか希望とか愛とかそういうのが透けて見えるときがある。
その人の中にある「愛」が何かによって傷ついている。そうすると途端に見えにくくなる。

でもそれって失ったわけではなくて、見えにくくなってるだけなんだよって自分は思います。

見ようとしないと見えない。

だからこのペパーミントガムに対しても、根底に愛がある曲だなと受け取っている。

「たとえ失っても愛さなかったよりは幸せである」
テニスンという方はそのような詩を残しています。

その詩と重なるものも感じる。
愛することは幸せなことだと思う。


たとえ「辿り着いた未来が味がしない場所でも」とCメロで歌い、その先にあったのは「すべて愛だった」んだよってラスサビで歌う。

その思い出を胸に前に進んでいく、あの彼のカメラが捉えるものが彼女という存在から青空に変わって、MVは終わりを迎える。


以上、歌詞とかMVを観て、感じたことでした🪴🌷

長く愛される楽曲を作りたい、
そうして制作が始まったペパーミントガム。

そこにはたとえ表面的にははじけたとも思われる表現はあるけれど、それでも愛を掴んで離さない、心に焼き付けて未来に歩む姿に見えたのでした。



追記:ジャケットデザインについて

今回康司くんがデザインしたジャケットということで、ほんと嬉しい🥲
大好き。
サイカのデザインもめっちゃ好きだし、レトロな感じのね、ガムのデザインかわいい。
サイカのジャケットは印刷して職場に飾ってるからペパーミントガムもステッカーとかポストカードとかそういうのになったらいいな~~
康司くんデザインってだけで途端に曲に愛着湧く。

最高デザイン( ᐢ. ̫ .ᐢ )





この文章にも私の愛を込めて。

おしまい。

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