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マイクロカレントの効果についてまとめ「はなげるげさん、ありがとう!」記事

お久しぶりです、あはき学生トレーナー大野です!

初めての方は以下の自己紹介文を読んでいただけると、多少私についてわかるかと思います!(関心ごと等ちょこちょこ変更はありますが。笑)


実は先日Twitterでこんな企画がありました。

何と、あのマイクロカレントをプレゼントしてもらえるという大サービス企画。
「これは絶対に申し込まねば」と思い参加。

その結果は・・・

はい❗️なんと❗️当選しました‼️

多くの方からの投票があり、非常に驚くと同時に、深く深く感謝の気持ちに満たされました。。。改めて、ありがとうございます!

そこで今回はその感謝の気持ちを伝えるべく、
マイクロカレントについての記事を書いてみようと思います^_^

ちなみに、もともと調べるのは得意だと思っていましたが、何を隠そうアウトプットが苦手。
そのため、私の悪文をお許しください。。。

それでは、少々お付き合いください!

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マイクロカレント(微弱電流)とは

マイクロカレントとは、知覚的には無感覚のμAレベルの電流である

このマイクロカレントを用いて刺激を与える手法を『微弱電流刺激』(MENS: Microcurrent Electrical Neuromuscular Stimulation)と言います。

接骨院などでよく電気治療を受けるかとは思いますが、その時は筋肉がピクピク動いたり、ビリビリと刺激を感じますよね?
マイクロカレントはそれすらも感じないほどの電流です。

私も大学時代にAT-miniをチームで使っていましたが、本当に手軽です。
パットをつけて行動するだけ。
そのため5台ほどあったAT-miniも常に誰かが使っている状態でした。

しかし実際のところ、
「本当にマイクロカレントって効くの?」
と思う方も多いと思います。

そのメカニズムと効果について、以下で説明したいと思います。


MENSのメカニズム

マイクロカレントの詳細な作用メカニズムについては、未だ明らかではない

はい。早速きました「未だ明らかではない」

自分も大学時代に研究室(外科系スポーツ医学)の発表では
「次回までの課題とする」
「一致した見解はない」
と並んでよく使っていました。笑

確かにマイクロカレント自体は1970年代より学術的な研究が行われてきました。

ですが、人間の身体は複雑なもので、その詳細な作用メカニズムについては確立されていないというのが現状です。

その上で、今の時点で報告されている生理的な反応のメカニズムについてご説明したいと思います。


①ATPの生成促進

ミトコンドリアでATPを生成する電子伝達系に対して働きかけ、合成を促しているのではと考えられています。
あるラットを用いた研究では、50〜1000μAの微弱な電気刺激を与えることで、未処理の状態よりも3〜5倍のATP生成増加が報告されています。

②線維芽細胞の増加
組織が損傷した際に、細胞の電位差によって損傷部位に微弱な電流が流れることが報告されています(損傷電流)。
損傷電流が流れることによって、炎症期の壊死した細胞などを食すマクロファージや組織を修復する線維化細胞等の遊走が促進されます。


MENSの効果

何度も申し上げていますが、MENSのメカニズムは未だ明確ではありません。
しかしながら、スポーツ現場では非常に多く使用されており、同時にその効果に関するポジティブな報告も多くなされています。

そこでここでは、その報告された内容についてまとめていきます。


①除痛効果

ある研究ではMENSによって有意に疼痛の緩和が起きたという報告がされています。これは遅発性筋肉痛や慢性腰痛などでもその効果が報告されています。

そのメカニズムに関しては未だ不明な点が多いですが、いくつか研究者の方々の考察が行われています。

1つは痛み伝達経路であるナトリウムチャネルの開口の阻止です。これによってナトリウムイオンの細胞内流入を阻止し、活動電位の発生を防ぎ、痛み伝達の抑制が行われるという考察です。

また、電気刺激であるTENSを使用した研究では、内因性オピオイドや下行性疼痛抑制系を介した鎮痛が報告されており、MENSにおいても同様の鎮痛機序は考えられますが、詳細は不明です。


②損傷組織の修復促進
MENSによって筋衛星細胞の数が増えたり、ATPの生成が促されることによるタンパク合成の促進などにより、治癒が促進されることが報告されています。その幅は広く、皮膚の創傷や腱、靭帯、骨格筋での修復において、有意に早く改善を示したことが報告されています。

主に外傷後の患者に対して、応急処置の1つとして有効である可能性が示されています。


編集後記

さて、なかなかの悪文でしたが、最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
率直な感想としては、アウトプットはかなり疲れました。。。笑

本当はもっと早くリリースする予定だったのですが、記事を書きながら色々な疑問が浮かんできて、それに関する論文を探して、また疑問が出てきて・・・。その繰り返しでした。

その結果、理想的な記事を出すには、あまりにも膨大な時間を要することが判明し、多少の妥協をしてしまいました。。。

しかし、今回noteを書くことで非常に勉強もはかどったので、ぜひ続けて書いていきたいと思いました!
特に神経や痛みに関する学問は興味が湧きました!

日々発信をしていけたらと思いますので、もしよければTwitterのフォローをお願いいたします!


最後に、改めてこの記事を書くきっかけを作ってくださった花上さんには心から感謝いたします。ぜひシロコロホルモンを食べに行きましょう。


参考

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・横山真吾, 大野善隆, & 後藤勝正. (n.d.). マイクロカレントによる損傷骨格筋再生促進メカニズムの検討 熱ショックタンパク質の発現動態に着目して.第 49 回日本理学療法学術大会
・顕坂口, 恭平西村, 譲坂上, 智史鵜崎, & 浩太郎川口. (2013). 微弱電流刺激の極性の違いが急性創傷の治癒に与える影響. 48101427–48101427. https://doi.org/10.14900/CJPT.2012.0.48101427.0第48回日本理学療法学術大会
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・Armstrong, K., Gokal, R., Chevalier, A., Todorsky, W., & Lim, M. (2017). Microcurrent Point Stimulation Applied to Lower Back Acupuncture Points for the Treatment of Nonspecific Neck Pain. Journal of Alternative and Complementary Medicine
・Sciences, H., & Koeda, T. (1800). 痛みのメカニズムと理学療法 ~痛みについて理解を深めよう~. 55–62.
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・Powell, F. (2013). Clinical Evaluation Report Efficacy of Microcurrent Therapy in the Treatment of Acute and Chronic Pain including Control of Postoperative Pain.http://www.microlief.com/PDF/Clinical_Evaluation_Report.pdf

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