röslein

一切の夢を見ることなく夜を明かした僕に硝子の剣みたいな陽射しが容赦なくふりかかる/コーヒー色に黄ばんだ脳は36.2℃にあっためられたって一向にめざめる気配がない/あの古池の蓮の根っこみたいなまどろみの中でぬかるんだ僕の細胞は今にも溶けて落ちてしまいそう/けだるさと昨晩の残りの酒気とに手を曳かれていまだ漂う君の紙巻のにおいを探り当てる/その手触りをなつかしみながら僕は疾うに羽化した君の殻に包まれる/ぺなぺなする布団の上で低い天井に向けて丸めた背を破って出るみどりごの飴細工みたいな指先には、薊/そいつは野ばらほどの棘もはなびらもあいにく持ち合わせてはいなかった。

我が家のねこのごはんが豪華になります