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<財務データ分析に使えるサイト5選> (調査手順 + 各種情報サイトも紹介)

定量分析(財務データ分析)は大事です。
説明会資料の読み込みより優先度が高い

今回は定量分析する上で利用するサイトをご紹介。

その前に、第3回長期投資コミュニティ stockpickers 勉強会 開催の告知から

第3回長期投資コミュニティ stockpickers 勉強会 開催

〇概要

日時:4月17日(日)13時~17時
参加費:3,000円
早割り:2,000円 締め切り 4月3日(日) 23時55分

〇内容

①企業分析講座(私が講師 もしかして要らない?w)
②参加者から発表6企業(1社あたり30分)

毎回、皆さんの発表はとてもわかりやすくて面白い!

*私は今回 4263 サスメド を発表します
(面白い企業です 長期のシナリオをみんなで考えます)

〇発表について
どんな発表していいかわからない
という方もいるかと思いますが

決まったフォーマットを埋める
・自分の推しの企業について ”どこに注目したか” を整理して発表
・参加者みんなで意見を出し合いながら理解を深める

自分の価値観で注目したポイントを紹介するので、
会社の開示資料や社長のコメントなど、どんなことでもよいです。

ぜひ、お気軽にご参加ください!

申込はこちら

〇過去のログ

第1回(2月13日)

第2回(3月13日)


では、本題に入ります。

企業分析 定量分析(財務データの分析)のサイト5選

現在は財務データが無料で入手できるサイトが複数ありますね。
データを充実させて有料で提供するサイトも多数あります。
どのサイトを使うかは、”どんな分析をするか”や、好みにもよると思います。私がなぜそのサイトをお勧めするかを理解していただくために、私が初めて取材するときにどんな準備をするかを簡単にご紹介します。

〇どんな分析をするかで選ぶ

私の視点は

・過去の長期実績(業績と経営判断)
・足元の変化
・強みの発見

です。

そのうえで私が初めて取材するときの手順は次の通り。

<取材前の調査>

①”ざっくり”概要チェック
②”ざっくり”定量分析で調査継続か判断
③開示資料をしっかりチェック
④定量 ←→ 定性 行ったり来たり

①〜④を簡単に説明します。
皆さんのリサーチの参考になるかもしれません。

①”ざっくり”概要チェック

業種、製品・サービス内容をチェックして、ざっくり、イメージを作る。

ポイントは

”最初に説明会資料を読み込まないこと”

”KPIの記述の有無をチェック”

説明会資料は会社側が伝えたい事、伝えたい部分だけを意図的に強調して伝えようとする恣意性が入ってしまう。もちろん、誠実に良かったこと、悪かったことをしっかり記述している企業もありますが、良いところだけ強調していたり、良く見えるように縮尺を変えた図表を使っていることも少なくない。

(印象操作はマイナス評価ですよ>IR担当者様)

数字だけの情報しか載せていなかったり、何を伝えたいのかわからない資料も多いw

外部に資料作成を依頼している企業もあるようですが、
投資家目線がない資料は正直言って混乱のもとです。
馴染みのない業界・事業は混乱度を増します。

②”ざっくり”定量分析で調査継続か判断

・現在の指標チェック
・短期業績の推移チェック

この2つをチェック
銘柄コード入れると表示されるツールを利用(自作)

・現在の指標チェック
4800 オリコン

会社予想PER13倍 〇
ROE、ROA20%超 〇
ベータ低い 〇
進捗 〇
配当性向29.7% △ (増配余地が小さい)

などを把握・・・これは調査継続して良さそうだな、と”ざっくり”の段階でワクワク気持ちが盛り上がる

・短期業績の推移チェック
オリコンの例

グラフから
”年次の業績でも増収増益継続”
”四半期でも利益率改善傾向を確認”
を確認

ここで一つ違和感が発生

”こんなに高収益で成長しているのになぜ短期のバリュエーション(PER)は安いのか?”

この違和感を解き明かす調査が始まる。

②は ”ざっくり定量分析で調査継続か判断する” 手順
ということで、調査継続か判断するのですが、

調査継続するのは
・売上高が伸びている企業
・売上高が横ばいでも利益が低くても改善傾向にある(=変化がある)企業

これらの場合、ワクワクを抱えながらツッコんで調査するため③へ

調査終了するのは
・売上高横ばい
・利益率が低い または継続的に低下

の場合、気持ちが高まらず調査終了w
私はグロース企業に投資をしているので
売上成長がない企業や利益成長がない企業はワクワクしないので調査対象とはなりにくい。

・複数セグメントがある場合はチェック

複数セグメントの業績が相殺されている場合があることに注意
変動が見えない:Aセグメントの増加とBセグメントの減少が相殺されて変動していないように見える
収益性が見えない:高収益のAセグメントと低収益のBセグメントが相殺されて収益性が低く見える

などで見落とすことがあるためセグメント情報をチェック
で、無事、ワクワクが残っていた場合は③へGo!

③開示資料をしっかりチェック

(詳細は長くなるので概要のみですが)
①、②で気になったポイントの根拠を探るために
まず、有価証券報告書

・経営陣:経歴、年齢、保有株、など
・沿革:今の事業に至るまでの経緯など
・事業内容の説明:事業内容の把握
・事業系統図:ビジネスモデル把握

次に説明会資料、決算短信をじっくりチェックする。

・ビジネスモデル、KPI、足元の状況など
初めての取材の時には資料の情報を虚心坦懐、偏った見方をせずにそのままを受け入れる。
加えて、専門用語、関連情報をググりまくる

④定量 ←→ 定性 行ったり来たり

開示資料から得た定性情報と、
売上高、利益率、変化率などの定量情報
網羅的に見ていく

特に注目して深掘りするポイント

・大きな数字(構成割合が大きい、利益率が高い など)
・”あれっ?”と思ったところ(利益率が上昇した、低下した などの変化)

深掘り、といっても難しいことをするわけではなく、
例えば、売上が落ちている、利益が落ちているというとき、

”内部要因か外部要因か”
”コロナ禍の影響なのか”
”それってどの程度の影響なのか”

大事なのは定量分析で終わらないこと

定量分析で得た情報と定性面の情報を関連付けて理解すること

〇同業他社比較はしないの?

同業他社比較はあまりしません。
大事なのかもしれないけど、違う方がマネジメントしていて、
ターゲットが違っていて、向かっているゴールも違う。
単純比較はできない。
調査対象企業の説明がわかりにくい時に理解するために見ることはある

以上、これがざっくりとした初めての企業の取材準備の内容です。
大したことやってないって?
そうですね、取材自体が肝なので(いいわけ)

*ちゃんとファンダメンタル分析を学びたい方にお勧めの本

アナリストの皆さんがどうやって企業分析をするのかについて興味がある方へ

読んでみて”こんなこと考えてるわぁ”と一番しっくりきた本。
定量分析からバリュエーションの考え方までわかりやすく解説しています。
定性分析の部分は少なめですが、本格的にファンダメンタル分析をスタートするのであればお勧めの1冊だと思います。

で、前置きが長くなりましたが本題
このようなことをやるときに、どこから取得した情報を利用するか
私の好みの問題もありますが、ご紹介しますね。

<データ取得サイト>

〇カスタマイズ可能:KxShare 業績シートダウンローダー

月額税込 2,500円 無制限で取得可能(私は有料で契約しています)

1日1社のダウンロードは無料

ポイントは
・開示している詳細項目がほぼ網羅されている
・自分で項目を選んで取得できる
・自分で2期予想を追加できる

といったところ
自分で手を動かしたい(項目を能動的に選びたい)という欲求があるのです。

また、以下のように
ダウンロードしてきたファイルに自分で作った”数値分析”というシートを追加、自分なりに分析に活用します。

〇長期&可視化:TIKRターミナル

https://tikr.com/

無料は閲覧可能項目の制限あり
私は有料で利用しています。

長期データを項目単位で可視化(グラフ)できる
小さな間違いや省略(項目が統合されていたり)

有料でないと使い勝手がだいぶ違いますね。

〇適時開示:iMarket(適時開示ネット)

(開示の反映は30分くらい遅れるみたい)

企業コードを指定すると業績の数字が表示される(通期では10年分?)

〇指標推移:マネックス証券の銘柄スカウター

PER、PBRなどの過去の推移をさかのぼって、現在の水準がどのあたりかわかる。

〇網羅性:バフェットコード

株式投資をしている方ならご存じ

https://www.buffett-code.com/company/4800/

網羅しすぎてしまったかもしれません
ということで、
情報量がすごい
のですが、私があまり使わない理由は

”情報がリッチすぎて使いこなせない!”

というのは半分冗談ですが、私の場合上記の手順の通り、定量と定性を行ったり来たりする上で
・どの情報を見るかは自分で探しに行く
・無料は3年のみと短い
というのが利用頻度が少ない理由。

長期で見たい 月額5,500円
エクセルでガシガシ分析したい 月額22,000 speedaとかの置き換え

<定性情報の取得>

定性情報の取得先もメモとして載せておく

〇過去の定性情報も網羅:四季報オンライン

ほとんどの企業が過去の長期の開示資料を出していないので、
昔々にさかのぼることができる
って便利
定量データは、kxshareやTIKRを使う前は四季報オンラインの長期業績データを使ってました。
ベーシック1,000円
プレミアム5,000円

たまに使う程度だとちょっとお高い

〇有価証券報告書の検索:有報キャッチャー

気になるキーワードで検索して関連企業を探すのに便利

 XBRL全文検索

〇網羅性:IR BANK

適時開示
大量保有報告
ランキング(値上がり率やらいろいろ)

などなど網羅しすぎ

<適時開示チェック>

〇リアルタイム適時開示チェック:BRiSK適時開示

適時開示をリアルタイムで表示してくれる
(発表があればリフレッシュして表示)

ブラウザ立ち上げて置けば
”開示を見落とさない”
*前述のiMarket(適時開示ネット)は表示までタイムラグがあるからね

<何でも情報>

〇網羅性:株探

ここも有名ですね
月額2,980円(2022年4月7日までのキャンペーン価格 通常は3,980円)

もしかしたら、有料情報はこれだけでもいいかも
使いこなしている方多いみたい

使い方を聞いてみたい


以上、長々とお付き合いいただきありがとうございました!

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