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第2回 長期投資家コミュニティ 開催しました! ”バリュエーションの活用方法” + 6社の発表

3月13日(日)13時から18時 に開催されました。
16人が参加 6名が注目企業について発表

発表内容が充実していて予定を1時間オーバー

全体は2部構成
1.ミニ講座:バリュエーションの活用方法について
2.6社の発表

<バリュエーションの活用方法について>

投資で失敗しないためのバリュエーションの活用方法
を私から。

”失敗しないための”
というのがキモ

個人投資家の失敗の原因の多くはバリュエーションを無視した投資、
または様々なバリュエーションの意味を理解せずに利用していること。

投資判断したときに利用したバリュエーション指標がどういう意味かをしっかり理解して投資をすれば株価が下落したときに素早く行動することができ、失敗を防ぐことができると考えている。

結論:万能なバリュエーションの指標はない

最も強調したいのは
万能な指標は存在しない
ということ

そのうえで活用するのであれば次の点も大事
①各指標の意味を理解して投資判断に活用する
②どれかの指標で割安な時に投資をする
③必ず例外がある(というか例外だらけ)
④投資環境の変化の影響を受けやすい指標と受けにくい指標がある
⑤投資環境の変化の影響を受けやすい指標の場合、変化したときに対応が必要
⑥指標の単純比較(同業他社との横比較など)は意味がない

<主要な指標の見方>

投資判断で主に使われる以下の指標について活用方法について話した
PER
PBR
EV/EBITDA倍率
PSR
PEGレシオ

〇PER

最も多くの投資家が使っているであろう指標
時価総額を最終利益で割った倍率
株価をEPS(一株当たり利益)で割った倍率

主に予想EPSから算出した予想PERを利用

・注意点
 特損、特益などの一時要因がある
 高成長企業の場合、予想PERはすぐには織り込まない
 費用の使い方次第で利益が変わる=PERが変わる
 同業他社比較はあまり機能しない、参考程度

・活用方法
 注意点を考慮したうえで、現状の株価の位置(割安、割高)を確認
 LTM(直近12か月のPER)で現状の水準を確認
 長期で見た時に過去の水準と比較してどの位置にあるか
 (応用)3期程度業績予想ができれば3期後のPERを活用するなども

〇PBR

 主にバリュー投資家が見る指標
 時価総額を簿価純資産で割った倍率
 株価を一株当たり純資産で割った倍率
 昔は”1倍以下は割安”と言っても許された? 今は(今も?)機能しない

・PBRの注意点
 評価に織り込んでいる(表面化していない)部分がある

ヒト:解散時に退職金などのキャッシュアウトがある
モノ:(機械設備は)生産するものの価値が低下している
カネ:現金は減価して評価(エージェンシーコスト 100円は55円に評価)

*エージェンシーコスト:現金を何に使うかわからないという不安

・PBRの活用方法
 資産内容を精査して、現状は何がどう評価されているのかを把握する

・・・・で私はあまりPBRをバリュエーションに活用したことがほとんどないのでわからないw すみません

〇EV/EBITDA倍率

最も事業価値がそのまま評価されている指標
”事業活動そのものから生み出されるキャッシュの何倍か”
を示すのに適した指標

*業種別でみるとこんな水準(2018年までのデータ)

*参照元

EV = 時価総額+ネットデッド
 (ネットデッド = 有利子負債 ー 余剰資産)
 時価総額ではなく、時価総額から余剰金融資産や有利子負債の部分を除く

EBITDA = 営業利益+減価償却費
 余剰金融資産、有利子負債にかかわる部分(金利の受け払い)を除く
その結果、特損など一時的要因で変動する要因が少なく、キャッシュ創出力を表す指標を簡単に算出できる

・EV/EBITDA倍率の活用方法
 同業他社比較、上記業界水準との比較、過去からの比較などが有効

〇PSR・PEGレシオ

成長企業の評価で利用される
投資先行で赤字の企業を評価するために利用

・PSR(Price to Sales Ratioの略)株価売上高倍率
時価総額を年間売上高で割った指標
”20倍以上割高 0.5倍以下割安”と書かれているところがありますが、
”は? なにそれ?”

・PEGレシオ
株価収益率(PER)を、一株当たりの利益成長率で割った指標
1倍以下なら割安?

・PSR・PEGレシオの活用方法
 成長企業の割高さを肯定するための指標、または赤字企業の評価水準を確認する。横比較(同種の成長企業)で活用。

<市場環境の影響を受けやすいかどうか>

〇受けやすい指標

PSR
PEGレシオ

〇受けにくい指標

PBR
PER
EBITDA倍率

特に注意が必要なのは
受けやすい指標を基に投資判断をした場合
・ポジションは小さくスタート
・市場の変化(リスクオン、リスクオフなど)に対応する必要あり

伝わりにくかったかも
ミニ講座のテーマにはちょっと大きすぎるテーマでした

で、私自身はというと・・・

<私の投資判断>

以前からいろいろなところで宣言していますが、
私はPERはほとんど見ない。

・社会的価値と現在の企業価値を比較
・ビジネスモデルの良さ

例えば、エスプール PRTIMES

価格ではなく、価値に注目している
指標で割安と思って投資して成功したことは少ない

特に上記の短期的な指標では割高のままのことが多い
運用を通して身に着けた価値観があるからだと勝手に思い込んでいる。

こんなのは個人の資産を運用するからこそ適用しているものかもしれない。

<調査企業の発表>

以下の6企業が発表対象企業

①4880 セルソース
②3482 ロードスター
③6797 名古屋電気
④7383 ネットプロ
⑤3496 アズーム
⑥4800 オリコン

1社30分では収まり切れず
終了時間18時 トータル1時間オーバー

*バリュエーションを見つつ、投資を検討したい企業ばかりでした。
(皆さんの発表内容が充実していて影響受けました)

内容については別途紹介したいと思います。

次回は4月17日(日)開催予定

楽しい時間をありがとうございました!


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