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”新しい業態が生まれる” クラシコムの青木社長のコメントから

*はじめに

後半、有料部分があります。
大した記事でもないのに有料にするのは3つの意味があります。
・noteのコミュニティメンバーへのお礼の意味も込めて付加価値をコミュニティメンバーに提供するためのもの
・誰かにとって、しっかり読んでくださる方にとっては頂く対価以上の価値を提供しているはずという事
・もうひとつは情報のコストが下がり続けていて無料が当たり前である事への問題提起

わざわざこんなことを書かなくても読まない人は読まないのですが、”大した情報でもないのに有料にして”と無駄に誰かのココロをざわつかせるのは本意ではないので書かせていただきました。

以上、ご了承ください。

では、本文へ

<新しい業態が生まれる>

2022年8月に上場したクラシコムの青木社長に弊社が開催に関わる個人投資家向け説明会に登壇していただきました。

動画はこちらです。
社長の人となりが伝わる、これこそファンを作るIR説明会。
投資家向け説明会もファンを作るためのコンテンツだなと思った次第。

クラシコムとは
”北欧、暮らしの道具店”

を運営する企業です。

私が説明会の冒頭で同社を紹介する際に

”色々調べていたら、クラシコムを一言で「どんな会社」と説明できなくなった”
と話したところ、それを受けて

青木社長がこんなことを言ってました。

”上場前に調査をした際に、類似の業態が無かった”
”上場時にあらゆる手を尽くして調査をしたが世界においても似ていると言えるものがなかった”

”似ているものが無い場合、その業態には名前がついていない”
”おそらく10年後、20年後くらいにXXという業態のはしりだったよね、と言われるようなポジションになるんじゃないかなと考えている”

*説明会の該当部分のリンク

同社のビジネスを見て
”WEBサイトで商品を直接販売する、所謂D2Cビジネスでしょ”
と理解されると思うのですが、一般的なD2C、Eコマース事業者とは、
「顧客創造プロセス」と「顧客との関係維持プロセス」がまったく異なる。

ここが重要なポイント!

一般的なD2Cビジネスでは、広告で新規顧客を獲得し、その人に販促(割引、クーポン)でアプローチし、リピートしてもらうことで利益を出す。売上も利益も広告費の投入金額次第である。急成長を維持するのであれば売上の20%程度は広告費に再投資し続けなければならない。
少しでも関心があって買いたいと思って検索する人の検索結果の上位に出るように(または、もしかしたら買いたいと思ってない人にも買ってもらえるように)。その結果、売れなければ”もう売れない”とあきらめ、安売りして売り切るしかない。

同社は、商品ありきで”これ買ってください”という宣伝はしない。複数のチャネルを通じて「北欧、暮らしの道具店」の世界観にあったコンテンツを提供し、共感を持ってもらえる人にアプローチする。継続的にコンテンツを提供することで”また見てみたいな”、”聞いてみたいな”、”読んでみたいな”という気持ちでファンになってもらう。映像、テキスト、音声などのコンテンツだけでなく、もちろん商品もコンテンツの一つ。この世界観に共感してくれる人が欲しいと思うような商品を提供する。稼いでいるのはD2Cだが、商品ありきではなく、コンテンツファースト。コンテンツで顧客との接点を作り、エンゲージメントを高める。自社を「コンテンツパブリッシャー」と表現するのはそういうことだ。

以上のビジネスモデルを次の2つの図が示している。
この図を基にかなりざっくり話すと

まず1つ目
・土台に顧客とつながるエンゲージメントチャネルを複数持つ
ENGAGEMENT CHANNELS としてインスタグラム、youtube、line、spotify、twitter Owned CHANNELS(自社運営のチャネル)でアプリ、メルマガ、WEBサイトがコンテンツを配信するチャネル


2つ目
・エンゲージメントチャネルで多数のコンテンツを提供し、価値観の合う方=見込み客にアプローチし、コンテンツを提供し続け、その結果、何か買いたいと思ったときに一番に想起してもらう

つまり、売りたい商品があるからコンテンツを作るのではなく、まず自分たちが共有したい価値観を表すコンテンツがあって、そのコンテンツが好きな人はこんなものが欲しいよね、という発想。


クラシコムの特徴・強みを書き始めるとまだまだ書き足りない。
今日の主題は新しい業態が生まれるという事について整理する事。

こちらのレポートで詳しく解説しているので気になる方はぜひ読んでいただきたい。

青木社長が言っていたのは、
”自社のビジネスを適切に表す業態は無い”
”もしかしたら、同じ業態はANYCOLORさんやCOVERさんかもしれない”
”コンテンツでファンに楽しんでもらう事を優先し、その後物販で稼ぐ”
ということ。

なるほど、じゃ、ANYCOLORを調べていて感じたお話を少し書いてみよう。

(ここから先はクラシコムの話はほとんど出てきません)

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