見出し画像

東南アジアではないけれど。釜山の忘れられない優しい人たち

画像1

FMCOCOLOで当選!2007年、釜山でお礼を言う旅に

FMCOCOLOが、今日開局25周年を迎えたそうです。サワディシンチャオはタイやベトナムなど、東南アジア各国のドラマをBGM代わりに流しているのですが、2階で流しているのはいつもFMCOCOLO。これは、このラジオ局が開局した25年前からの、ずっと続く私の習慣です。

この放送局主催のアジア太平洋フェスティバルにも屋台を何回か出店したこともありましたし、FM802に吸収されようとした時は他のリスナーさんと反対運動まで。吸収されてしまってからすぐはいったん離れたものの、なぜかまたリスナーになっていました。おしゃべりより音楽重視、インターナショナルなところが好きなんです。

この25周年という話を聞いた時に、いのいちばんの思い出したのが、プレゼントに当選して釜山に旅したことです。

1年前にお世話になった、路上の靴磨きさんご夫婦にお礼を

画像2

当時、まだビアレストラン業態だったので、1階の店でもFMCOCOLOをBGMにしていました。確かお昼過ぎ、加美幸伸さんの番組でパンスターフェリーの往復ペア乗船券をプレゼントすると発表がありました。

えっ、釜山!

私には、どうしても忘れられない思い出がこの町にあったのです。

宿がわからず、さまよう私たち夫婦に救いの手が

画像3

2007年のことなので、今日の写真はアルバムから。ちょっと見にくいところをお許しください。

2006年、まだ東南アジアレストランの前身、ビアレストラン「麦酒食堂BEER&BEAR」を経営していた私たちは、東南アジアに限らず、美味しいビールを求めていろんなところに旅をしていました。そうして行ったところのひとつが釜山。博多からビートルに乗って行ったわけです。

夫婦で泊まるのは安宿が定番の私たち。当時は確かミクシィで情報収集して、泊まりたいホテルを決めておいて、直接ホテルに行って交渉していました。釜山の宿もそうして決めて、住所を控えていきました。なのに、街をぐるぐる回っても、どこにその宿があるのかなかなか見つけることができません。当時はグーグルマップもありませんでしたからね。

困り果てて、路上で靴磨きをしていた優しそうなご夫婦に、ホテルの場所を聞くことに。もちろん韓国語なんてできませんから、ジェスチャーと住所の紙を見せて。

そうすると、ご夫婦だけじゃなく、そのあたりにいた皆さんとああだこうだと言い合いはじめました。言葉のわからない私たち夫婦は、その横でぼーっと立ち尽くすだけ。

タクシーに無理やり乗せられ、私たちの運命は?お金はいくら渡すの?

画像4

しばらくみんなで、ああやこうやまるで怒鳴るように話していたと思ったら、奥さんが遠くを歩いていたお兄さんを大きな声で呼び止めました。そうしてこっちに呼んだと思うとさっさとタクシーを止めて、私たち夫婦を後ろの席に押し込めました。えっ、えっ、どういうこと?

先ほどのお兄さんはタクシーの助手席に座り、住所の紙をタクシードライバーさんとふたりで確認しながら、街をぐるぐると走らせます。

私たちはどうなるの?いくら払ったらいいのだろう?タクシー代はわかるとして、お兄さんへのお礼は?もし、ものすごく高いお金を言われたらどうしよう?

頭の中をぐるぐるぐるぐる。心臓はドキドキドキドキ。

いつの間には手のひらもびっしょり汗をかいています。

そうして、20分は経ったでしょうか。ここでしょ?とでもいうように、タクシーは細い道の奥にひっそりとある旅社の前で泊まりました。

私はお財布を出して、お兄さんにおそるおそる「ハウマッチ?」と。

すると、お兄さんもタクシードライバーさんも手を横にふって、いらないいらないと動作をしたかと思うと、私たちを車から降ろしさーっと走り去っていきました。

タクシー代、誰が払うの?えっ?お兄さんが払ってくれるの?

お兄さんはたまたま道を歩いていただけなのに。

えっ、何これ。親切すぎませんか?

プレゼントのチケットで、釜山へお礼の旅

画像5

加美さんの番組のプレゼント募集コメントに、このエピソードを書きました。

もう一度、あの路上靴屋さんご夫婦に会って、お礼をしたい。

その想いが番組スタッフさんに通じたのか、なんと当選させていただきました。超豪華な船の旅。

ちょうど今頃、たしか10月。パンスターフェリーのデラックススィートの往復船の旅。夕方16時ころ出発して、朝10時過ぎに目的地に着くという長旅。

船の中で、韓国語の指さし会話帳を見ながら、1年前のこと、そのお礼に来たことをお手紙にしたためました。言葉ができないから、訪ねたその理由をお知らせするために。

1年後、お礼を言うべき人たちは同じ場所に

画像6

ご夫婦と再会した証拠写真です。

意味が解らず手紙を見ていたご夫婦は、読み終わるやいなや、私の手を握り締めました。下に置いてある靴磨きを待つ人用のお風呂椅子に私を無理やり座らせます。奥さんの方は、あわててどこかに出かけて行ったと思うと、コーヒーカップをふたつ抱えて戻ってきました。そうして私たちに飲みなさいと。

甘い甘いインスタントコーヒー。胸にしみとおっていきます。

韓国の人たちって、おもいきり親切だし優しい。いろんな笑顔に出会いました

画像7

画像8

ほんとに、なんていい笑顔なんでしょう!

お礼をするという一大事業を終えたこのときの旅は、釜山だけでなく、ソウルや大邱にも行きました。

行く先々で迎えてくれる人たちの笑顔の素敵なこと。そしてやっぱり道のわからなかった私たちを、仕事の途中、10分も歩いて店まで連れて行ってくれたダンディなサラリーマンのおじ様。韓国の人たちって、知らない旅人をどうしてこんなに親切にしてくれるの。感謝がたくさん積み重なっていく、そんな旅になりました。

(※それにしても当時の私、真ん丸素顔な私の、なんとぶさいくなこと(^_^;))

画像9

旅から戻ってすぐ、プレゼントを下さった加美幸伸さんの番組に旅の報告をさせていただきました。もちろん、それも番組の最後に読んでくださった。

あれから13年。早いですね。

私も、北心斎橋にいるので、インバウンドが華やかなときは旅の人たちの困ったに声を掛けられることがよくありました。特にトイレを探している人。中国の人が多かったのですが、若い女性であったり、子供連れのお父さんであったり。その場合は、うちの店のトイレを使ってもらうべく、ご案内します。細い路地奥なので、旅人を不安にさせないように、「どこから来たの?」などと英語で話しかけながら。

みなさん、用事が終わったら同じようにお金を出してこられます。

きっとトイレの中で「いくら渡そうか」と悩まれていたはずw。

もちろんいただくわけにはいきませんよね。

困ったときはお互いさま。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?