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洋上風力30GW導入時の再エネ制御率11%について

地域連系線増強が検討されている中で
洋上風力が30GW導入された場合、
再エネ出力制御率が11%になると予想されています。

太陽光と風力の割合が気になりますので
この制御率を深掘りしてみたいと思います。

●洋上風力30GW導入時の電源構成
洋上風力30GW導入された2040年以降の
電源構成は以下の予想です。

再エネ比率は35%、
この時の再エネ出力制御率が11%となっています。

導入量は、
・陸上風力:11GW
・洋上風力:30GW
・太陽光 :76GW となっています。

太陽光はすでに57GW稼働済みで、
76GWは接続申込量も連系された量とだいたい同じです。

●再エネ制御率11%
シミュレーションの送電端需要は980,800GWhで、
太陽光と風力の割合が10%ですので、
発電電力量はそれぞれ約98,080GWh、
再エネ制御量は12,122GWhになります。
※制御率: 制御量 /(発電電力量+制御量)

太陽光と風力それぞれの制御率を調べたいと思います。
このシミュレーションの太陽光の設備導入量が
各送配電事業者が太陽光制御率を予想した際の導入量と
ほぼ同じであるため、この数字を集計します。

●太陽光の出力制御率
だいたい5%との予想になりました。
内訳は下記の通りです。

30GWプランの太陽光発電電力量と
誤差5%ほどなので、合っていると仮定します(無理矢理)
やはり北海道や九州の制御率が高くなっています。

●風力の制御率
太陽光との差から6%とします。

太陽光と同様の方法で制御量を算出したかったのですが、
30GWプランの導入量と接続申込量との差が大きく
計算できそうにありませんでした。

代わりに30GWプランの導入量から
風力の発電量を予想したいと思います。
設備利用率の条件は、
・陸上風力:14.8% (1300kWh/年)
・洋上風力:33%(2890kWh/年) とします。

誤差3%なのでだいたい合っているとします(またもや無理矢理)

●風力の制御量
私の予想では約6000GWhが風力の制御量です。
※この制御量は系統増強前です。

なお、30GWプランで風力発電が
一番多く導入されようとしているのは北海道です。
既設の0.5GWから11GWまで増えるシミュレーションです。

北海道電力ネットワークの資料で
2.36GWまで導入された場合の制御率が公表されており、
その制御率は47.6%で、制御量は2230GWhです。

11GWまで導入しようとすれば、
単純に5倍の設備増ですが
制御量はほぼ同容量でなければ
6%を超過してしまいそうです。

新々北本連系線の増強効果と、
北海道は原子力が稼働しておらず
火力設備を抑制により制御量が減るのかもしれないですね。

それでは、また。

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