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【水島予言#02】1975年のプロ野球と、1973年の水島新司

 水島新司が「ライフワーク」と掲げる作品が3つある。ひとつは1972年に連載が始まり、その後、シリーズを重ねて都合43年も描き続けた『ドカベン』。その『ドカベン』と同じ年に当初は不定期連載として始まり、のちに映画化・ドラマ化もされた『野球狂の詩』。そして、もうひとつが73年に始まった『あぶさん』だ。結果的にもっとも連載期間が長く、そして時代に寄り添った作品となったのが『あぶさん』だった。

 ホークス一筋の背番号90、景浦安武。通称あぶ。高校時代には二日酔いで出場した新潟大会決勝で飛距離150Mのサヨナラ弾を放つも、飲酒がバレて優勝は取り消しに。その後、社会人野球で腐りかけていた「呑んべえのスラッガー」が“代打専門選手”として南海ホークスに拾われ、実在するパ・リーグの好投手たちと名勝負を演じていく---。
 そんな代打男の誕生に、当時、南海のプレイングマネージャーを務めていた野村克也が実際にかかわったのは有名な逸話だ。後年、水島はこんなコメントを残している。

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70年代のプロ野球、高校野球の出来事で、先に水島野球マンガが描いていた予言的なエピソードを紹介します。

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