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水島新司と日本野球〜水島野球マンガの予言的世界(70's)〜

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70年代のプロ野球、高校野球の出来事で、先に水島野球マンガが描いていた予言的なエピソードを紹介します。
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#プロ野球

【水島予言#02】1975年のプロ野球と、1973年の水島新司

 水島新司が「ライフワーク」と掲げる作品が3つある。ひとつは1972年に連載が始まり、その後、シリーズを重ねて都合43年も描き続けた『ドカベン』。その『ドカベン』と同じ年に当初は不定期連載として始まり、のちに映画化・ドラマ化もされた『野球狂の詩』。そして、もうひとつが73年に始まった『あぶさん』だ。結果的にもっとも連載期間が長く、そして時代に寄り添った作品となったのが『あぶさん』だった。  ホークス一筋の背番号90、景浦安武。通称あぶ。高校時代には二日酔いで出場した新潟大会

《時代とシンクロした水島マンガ》 月産450枚!? 水島新司の「最盛期」はいつか?

 1977年9月3日、この日は日本の野球が「世界一」をつかんだ記念日だ。読売ジャイアンツ対ヤクルトスワローズ23回戦、午後7時10分6秒、この日の2打席目に立った王貞治は鈴木康二朗のど真ん中のシンカーをライトスタンドへ。メジャーリーグ記録を抜く756号を達成した瞬間だ。後日、この偉業が称えられ、当時の福田赳夫首相から初の国民栄誉賞も授与されている。野球が娯楽の王様だった時代、その「プロ野球絶対王朝」の最盛期として77年シーズンをあげる人は少なくない。  なぜこの話を持ち出し