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手錠で繋がる2人の愛...-「アイドルVtuber二期生オーディション合格者が実は元リスナーだった」ネタバレ感想-

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

ぴーなすです。


 最近暑くなりましたね。夏になるとビールと枝豆って人も多いんじゃないでしょうか。昨今の感染症の影響で、なかなか外でパーッとというわけにはいきませんが。

筆者はお酒をほとんど飲まないので、夏になると輸入食品店のカルディコーヒーファームに売っている「ブラックティー」でティーソーダを作ってがぶ飲みします。水や牛乳で薄めて飲む用の濃厚紅茶なんですが、これがまぁ美味しいのなんのって。炭酸で割れば簡単にティーソーダが作れるので、重宝しています。ぜひお試しください。


さて、今回は先日参加してきましたコミティア136にて購入した、みんたろう先生の新刊の感想記事です。このnoteはみんたろう先生の同人誌感想記事から始まっており、当noteにおいて非常に重要なテーマであります。




『アイドルVtuber二期生オーディション合格者が実は元リスナーだった』



 今回はVtuberをテーマにした百合漫画でした。

作者のみんたろう先生は現在Vtuberにかなりハマっているらしく、自身もVtuberのキャラクターデザイナー、いわゆる”ママ”として活躍されています。


童話やボルダリングなど、百合×○○といったテーマ性の多い先生の作品において、Vtuberというのはみんたろう先生の百合と今掛け合わせるテーマとしてはもってこいですね。


Vtuber事務所キラリガールズ所属の女神メアリは、同事務所の二期生オーディションに合格した今藤フォリスから、メアリが大好きで、彼女に憧れてオーディションに応募したことを伝えられます。彼女の言葉に最初は嬉しく感じたメアリでしたが、その異常なまでの愛に次第に恐怖を感じるが...といった感じの内容です。

表紙からわかるように、とりあえずなんかやばそう(笑)。手錠してますしね。手錠してる女の子でやばくない場合を見たことがありません。

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https://twitter.com/min_taroo/status/1397767163759390729?s=21


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https://twitter.com/min_taroo/status/1399929086135312385?s=21


まず、1ページ目と2ページ目の緩急で一気に引き込まれました。

1ページまるまる1枚絵で真ん中には手錠。ただの仲良しお泊り配信ではないのは明白です。何気に本作品で一番好きな1枚かもしれません。後ろローアングルからの画角が良いですね~。

フォリスも初めは本当に可愛い後輩って感じなのですが、メアリ本人もうろ覚えのようなことを、その当時知り合ってもいない人から正確かつ早口で言われたらそりゃ怖いわって話ですよね。メアリさん震えあがってますやん...。ピュアな笑顔がまた怖い...。本物の人やん...。


その後も好きを通り越したストーカーのごとく重すぎる愛に、満身創痍のメアリさん。疲れきって配信お休みを宣言しちゃいました。いろいろ悩んでいるご様子。

悩んでいるのはフォリスのことかと思いきや、人から愛されたいのに、自分だけを愛してくれないことについての悩みらしい。そんなところに単推しガチ恋のフォリスが現れたもんだから、やばい人と分かっていてもその愛を求めてしまっているメアリ。あの状況でドア開けてしまうってのがメアリさん完全にもう引き返せないとこまで行ったなって感じ。

そして住所を教えてしまうマネージャー。ライバー同士だとガバガバなようです。大丈夫かキラリガールズ...。

休止の理由、フォリスの重すぎる愛に疲れたってことで捉えてしまいそうなんですが、メアリの独白とあの状況でドアを開けてしまうことを考えると、やっぱり愛されないことへの悩みからなんでしょうね。

愛されたくてVtuberを始めて、いいねが2万もついてるライバーだとしても、それはあくまで「数字」としての愛のカタチでしかなく、また、ファンも自分だけを愛しているわけではない。Vtuberとして愛されることは、彼女の求める愛のカタチではなく、彼女の愛されたい欲を満たしてくれるものではなかったということなんでしょうね。

そのせいで配信するとこに疲れて、また、真に自分のことだけを愛してくれるフォリスに手を伸ばしてしまうメアリさん。両者共に闇が深い。

ここの独白は、フォリスの愛を受け入れてしまう理由付けとなる重要な場面なんですが、急に語りだしてそこからラストへ2人の感情ジェットコースター急降下なので、初めて読んだ時は「いや...俺まだ固定バー降ろしたところやから...おいてかんといて...」って気分でした。

それまでメアリの「愛されてない。愛されたい。」って心理状態が見えるシーンが無い中で急に出てきたので。そしたら怖がってた人急に家来たのに躊躇なく開けるやん!って感じでなにがなんだか。

何度も読み返しての個人的解釈としては、フォリスの異常なまでの愛情を受け、「みんな私だけを愛してくれない。でもこの子だけは私だけを愛してくれている。これほど私だけを見てくれる人はいない。この子だけしか。」といった感じで相乗効果的に2つの感情が大きくなっていったのかなと思いました。本物の愛を知って、今までの愛がいかに自分の求める愛ではなかったかに気付かされるみたいな。そりゃドア開けちゃいますよね~。


からの手錠の登場です。2人の顔のアップが良いですね。メアリの「あぁ。これが私の求めていた愛...」的な表情が絶妙に良いです。本作の表情大賞受賞ですおめでとうございます。

この手錠こそがフォリスの愛することの象徴であり、メアリの愛されることの象徴、彼女たちの愛のアトリビュートなのです。絵画展で手錠を付ける二人の女性がいたら、それは女神メアリと今藤フォリスです。覚えておきましょう。

この時点のメアリはもう彼女の愛を求めていることを自分でも理解していますし、フォリス自身もおそらく自分の愛をメアリが求めていることを理解しているように思います。

少し手首を捻れば自力で抜けそうなおもちゃの手錠
それを解かない私に気づいていないフリ
「先輩・・・私も先輩が好きです」
「休止したのは私に心配されたかったからですよね?」

1つ目のメアリのモノローグは日本語に悩みました(笑)。「メアリ先輩、すぐ外せるのにわざと外さないでいますね♥わかってるんですよ♥」ということなんですかね?

あ~。でもそうすると、メアリがそれを理解してるってのもおかしな話か...。メアリがメアリ自身で外せることを気づいていないフリをしてるってことなんですかね。それだと、メアリがフォリスの愛を求めてるってことの表現にも繋がりますね。なんか書いててこっちの方が腑に落ちました。日本語って難しい。

フォリスのセリフの「私も~」の”も”は誰との並列なのかを考えたとき、他のファンとも取れるんですが、「先輩は私のこと好きなんですよね。私もです。」と取ったほうがおもしろそうです。


 問題のラスト。配信にてリスナーに交際宣言し、晴れてメアリはフォリスの永遠に愛する存在、フォリスはメアリにとって永遠に愛してくれる存在になったわけなんですが、その配信を見ていたメアリと同期の幻レイカさんが一言。

「許さない。今藤フォリス・・・」

え、なんで?(笑)

ここは本当に悩みました。今も悩んでます。そして答えは出ないと思います。

単純に考えれば、憎悪ともとれる強烈な嫉妬だと思うのですが、本当にそれでいいのか?

如何せん圧倒的にレイカの情報がなさすぎて、もう読者の想像でしか語れません。物語序盤にメアリに心配のメッセージを送っているのはおそらくレイカなんだと思います。あとは、一緒に出掛けたり、コラボをしたりする仲だということ。自身とメアリのアクスタを飾っていることを考えると、レイカはメアリのことが好きなんだと思いますが。ん~。そんな単純な結論にまでいくにしても情報が少ない。お出かけとかコラボとかは普通の友達だったとしてもしますもんね~。

このラストはギリギリで追加したシーンのうちの1つらしく、入るべくして入った重要なシーンだと思われるんですが。ん~わからん~~~。

こればっかりは読者の妄想か、もうみんたろう先生に直接聞くしかありません。マシュマロで聞きたいところですが、ここでマシュマロ送ったら送り主が筆者であることがバレバレなので送りません。マシュマロ来てもそれは私ではありませんよ。ワンチャン配信で語ってくれ~~~。でも読者の想像に留めておくのもまた一興〜〜〜。

ちなみに続きを出すことは考えていないらしい。ますますわからん~~~。



『FANBOX限定おまけ折本』


 今回のコミティアでは、みんたろう先生のFANBOXの1,000円プラン支援者は事前に新刊の取り置き依頼をすることができ、また、取り置き依頼をした方限定のおまけとして、あとがきと新刊に入らなかったボツシーンを収録した『FANBOX限定おまけ折本』が付いてきました。

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詳しい内容は言えませんが、感想としては...

「はぁぁぁぁぁぁぁぁこんなペラペラで手作り感満載の冊子に収まりきる内容やないよこれぇぇぇぇぇ。ほんまこれはやばいってぇぇぇ。」

です。

取り置き依頼者が私含め4人しかいなかったため、折本の発行部数は計4冊なのですが、これ世界で4人しか読めてないってマジですか。ありえないんですが。

これ凄すぎます。「私南青山住みです。」と「私FANBOX限定折本持ってます。」はもう同じ意味です。それくらいマウント力が高いです。

もし嫌なことがあっても、上司に怒られても、「いや、でもお前FANBOX限定折本読んでないやん...」って思えばかなり気持ちが楽になりますよ。

いやぁ、みんたろう先生ほんと百合の幅が広いなぁ。


本当にFANBOX入っていてよかったです。FCと違い、FANBOXに入っているのは、あなたの活動を「支援」したい、ただただ俺のはした金を活動の足しにしてください...って気持ちだけなんですが、こうした形でお返しを頂けると本当にうれしい気持ちになりますし、これからも応援していこうって思えます。

本当今一番作品を読みたい作家さんなので、お礼の気持ちも含め、これからも支援していきたいと思いますね。



総評:同人誌って難しい


長い連載の中でしっかりと物語を作っていく商業誌と違い、少ない中で物語を描く同人誌。その少ない分量でしっかりと感情の移り変わりを描くのも読み取るのも難しいなぁと感じた一冊でした。

読解力の無い筆者は何度も何度も読み返しましたが、この作品、読み返す毎にメアリの表情が違って見えて、何度読んでも新鮮な印象を受けました。彼女たちの感情を自分の中でいろいろな角度から想像するのも楽しかったです!

ラストがやはり自分の中で引っかかるところでしたが、それでも非常に面白い一冊でした!

(ちなみに折本は100点満点中3億点です。)



おわりに


 長いわりに画像もないので非常に読みにくかったと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

前回のぽちゃクラ記事でも書きましたが、作家さんの表現したいことがそのまま作品になるので同人誌は面白いですね。今回も楽しませていただきました。

今回紹介したものは、メロンブックスで予約受付中です。また、BOOTHでは電子版が発売中ですので、気になった方はぜひご検討ください。


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新刊買ったらおまけが付いてきました。

足を酷使してるので、ゆっくり浸かって癒されたいと思います。ありがとうございます。


それでは~。










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