うみステ3の話(演出など)

進戯団 夢命クラシックス×07th Expansion vol.9 「うみねこのなく頃に~Stage of the golden Witch~Episode3」の話をします。
本来であれば1と2もたくさん書きたいところなんですが、どう感想をまとめるか決めるのに3エピソード分の月日がかかってしまった。
あとスマホでTwitter(現 X)を使い続けてるので今回から気軽にハッシュタグツイートが追えないという致命傷があり、いっそツイートじゃなくてnoteにまとめたほうが自己満足度が高いかなと思って。アプリ改悪を許すな。

■鑑賞条件

・鑑賞前提
文庫版履修済み、原作ゲーム漫画アニメ未履修、舞台EP1、2観劇済み
・鑑賞日時
2024年2月25日昼公演
・鑑賞環境
S席後方(1と2はA席で見てました)

登場人物については先にまとめた(https://note.com/ogt0455/n/nea6a25bfc2a8)ので、この記事は演出周りの話をまとめます。

■演出について

マサミ卿がパンフレットで仰っていたことと重複するかもなんですが、原作や画面上のコンテンツではいくらでも幻想描写は盛れるしいくらでもブォンブォンカキンカキンできる、でも演劇はそうじゃない。映像にしろ小道具大道具にしろ、視覚化して観客に見せる必要がある。魔法はあるんだと、ニンゲンの手で演出する。そういう意味で、うみねこは非常に舞台との相性が良い作品だと見るたびに思いますね。
登場人物記事にも書きましたが、人間の努力と技術で生み出される魔法が大好きなので、自分にとってうみステは刺さるべくして刺さったコンテンツだなあと思います。

至極悪く言えば仮装対象の演目のようであり、でも確実に忠実に全力を尽くして原作再現が為されてて、納得がいく描写になってるというか。
観測者の理解があって初めて成立する魔法なのかも。素敵じゃないですか。

・会場

EP1の時、ドアをくぐった瞬間に波の音とうみねこの鳴き声がしてめちゃくちゃ鳥肌立ったんですよ。うわ六軒島!!てなった。全員なっただろ。
そして殺人が起きて休憩時間に入るときは嵐の音。こんなにも観客を世界に引きずり込む舞台観たことなかったのでもうたまんなくて。今回もやってくれて本当に良かった。EP2では普通の曲になってましたよね?
休憩で一度ロビー出たらちょっと暖かくて、席に戻ったらちょっと寒いくらいでやんの。わざと寒くしてるとかではないと思うけど、世界観に入り込む補助扱いしてます、勝手に。

・オープニング

大好き!!!!!
観劇終わってもyoutubeで公開されてるオープニングだけ繰り返し見て泣けるくらい毎度半端ないですが、今回も演出バッチバチでしたね。もうここだけでもいいから応援上映させてくれ。頼む。
終盤南條先生がフォーカスされているところが印象的でした。のちまで絡むからね南條殺し…
片翼の鳥が名曲過ぎるところに毎度毎度EPにぴったりな演出をぶちこんでくれるのでこの5分でチケ代の元が取れます。元を取るという考えでエンタメに触れないほうがいいです。

・パネル

今回は何と言ってもこれだなあと思います。パネルって動くんだ…
これ、真正面から見てると本当にキャラが現れたり消えたりしてて魔法以外の何物でもないと思う。視ようと思えば視えちゃうけど。
目隠し、障害物、船、道、崖、字幕の投影、いろんなものをあの灰色の板が担ってるのすごい。そしてその灰色の板の存在に違和感がない。これは自分がある程度演劇というコンテンツに慣れているからかもしれないですが。
あとねえ、絵羽が黄金に辿り着く手前の通路で順番に照明がつくところ、パネルの上から人力でタイミングよく照らしてるのかなあ?かなり好きな演出でした!本当になんでもできちゃうのでは?

・黄金の弓矢

「どうするんだろう?」と思っていた部分。
EP1の時点で飛び回る杭に対して同じように心配というか想像がつかないなと思ってたんですが見事に飛び回る杭がそこにあって。EP2ではブレードもバリアも視えたので今回もやってくれると安心はしてたんですが、今回の弓矢の表現はそういう感じか、と。
最初に射出されたとき、上手から下手に短いリボンのようなものがピュッと飛び出し(下手側で落下し)たのが見えて、「お?」となり。次は人力で自由自在に曲がり飛び回る矢が表現されてて。蛍光のリボンか帯か何かかなあ。ベアトが朱志香たちを守ってズタズタにされるシーンめちゃくちゃ痛そうだった...この辺はSEとかも絡んできますが痛い描写が本当に痛いんですよね...

・スクリーン(幕)

投影用の布、降りてくるの超速くないですか?シャッッッと降りてきてシュッッと無くなる。そしてパネルとの合わせ技により画面に余裕が生まれたので、事件の解説がより視覚的に見やすくなったように感じます。
あと前回に引き続き登場する、細い巻物みたいなスクリーン。あれ片方から投げ渡してるんですよね。あの速度感で立ち位置ついて投げ渡してあの細さであの字幕を精密に描写してるのおかしいよ。練習積んでもできる気しない。プロはすごい。

・回転台

今回も大活躍。特に、連鎖密室の描写をするにあたってドアが2つ、ソファが1つという大枠を崩さずにミスディレクション的に次々と犠牲者の描写をするのは回転台がないとできない業だったなと思います。今回は食事シーンが無いのでギチギチの食卓が回転するところが見られなくて残念です。
そういえばEP5ではひとり増えるけど収まるのかな...?

・絵羽と蔵臼の過去

他の役者が過去を演じて、それにアテレコするっていうやり方は良いですね。一見見た目が違っていても同一キャラの話なんだというのがすぐ伝わりますもんね。楼座がその手法をとってないのはわざとなのかな?どちらにせよ文脈で分かるけども。
演出とは話ズレますけどパンフの対談でこのシーンの蔵臼がバスケットボールって言われてて、もう見返してもそれにしか見えないだろうなあ。ひどい。

・楼座殺害シーン

多彩且つエキセントリックな描写が光るシーン。でも一個一個どういう状況なのか分かる。すげえってば。
空高く打ち上げられて地面に叩きつけられる、ゼリーの海で溺れる、巨大な蜘蛛に捕まり喰われる。あれ蜘蛛嫌いな人からしたら発狂ものじゃないですか?でかすぎ。あとこんがり焼けた真里亞を雑にぶん投げるのをやめろ。
さすがにすべての死に合わせてバラエティに富んだグロテスクな亡骸が出てきたりはしませんでしたが、それにしたって想像力を掻き立てられる圧倒的暴。そりゃ戦人もキレる。

・ベアトの心臓(物理)

この世で一番神々しくて美しい心臓、決定。
やさしい光を放っていて、一種の安らぎを感じる。ルームライトにしたい。その後べちゃっと床に落ちてるものとの対比がまた良い。悲しいね。


■余談

・思い返すと今回いろんな場面でビンタありましたね。
・キャスト倍くらいに増えてるのにチケ代1万で大丈夫なんですか!?
絶対にEP8の最後まで見届けたいしそもそも何回か見ないと目で追いきれない情報がたっぷりなので、次回は2回以上見に行って貢献したいですね。最終日にはアクスタがほぼ枯れてるのに観劇の魔女の皆さんの愛を感じました。
・グッズといえば撮影スポット。良すぎ。全ジャンルでああいうの作りてえもん。自宅に好きなキャラとかアーティストの祭壇作ろうとして失敗し続けている自分にはとても良い刺激です。
・そろそろEP2のDVD見たいなあ。

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