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結婚を考える年にでもなったものだな~はまったなー音楽(2022年7月前半)

ここ1年が周りの結婚ラッシュだと思う。中高大と親しくした友人×1、大学で出会った友人×3、全部この1年の間に収まる。

注目すべきは、このうちマッチングアプリで出会った者が3/4 = 75%であることだろうか。マッチングアプリは現代のお見合いだ、と言う人がいるが(そんな人いるのか)、マッチングアプリはあくまで能動的、お見合いは受動的な点で異なると思う。
特に男性は月額何千円とサービスに対して支払い、「いいね」を毎日何個も送ってそれで初めてメッセージするチャンスが生まれる。

マッチングアプリに情熱が無くなって1カ月ぐらい経つ。暑いとこうやる気も出ないよね、とか言いながら、原因はなんだかよくわからない。5月ぐらいに、やっぱり暖かくなるとやる気も出てくるね、と言った自分が恥ずかしい。
無理がきかない年齢になったな、と感じることもあるが、なんか肉体的に無理がある、とはまだそこまで思わない。精神的なものだと思う。

村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を読んで、自暴自棄、酒池肉林に堕ちた女が「でもいつかは結婚するし」みたいな台詞を言っているのを見て、やっぱり時代だなあとは思ったものの、「結婚」は象徴的なものとして今でも機能しているな、と感じた。

仕事柄、資格というものが社内的にもマーケット的にもある程度機能する。でも資格はここ3年ぐらい取っていないし、取る気も起きなかった。仕事のポジティビティがよく見えていなかった時期だったと思う。ちなみに、今もあまり取る気はしない。

資格とは、象徴である。これは以前ある資格を取ったときに思ったことだが、一度テストに出る内容を勉強して、一定の割合を超えた正答を叩き出せばその資格を得る、というのは結局「本当に、本質を理解しているか」ということまでを保証するものではないということである。事実、合格したと知った何カ月後かには問題集を資源ごみに出した記憶がある。

さて、資格自体は本質の理解を問うものではない(ものが多い)が、一方で「これだけ実績があります」という主張があれば資格は不要、ということもある。
これを急速に恋愛関係に例える。
結婚は、言うまでもなくその両人に相当の関係の深さがあって、名字を同じくして過ごす利益も負担をも折り込んだ上での近さがあるのだ、と思わせるものである。
でも、結婚していなくても何年付き合っています、同棲しています、などの形態も存在して、これが「資格をもっていなくても『これだけ実績があります』」の例だと思う。

こと、そういう人間関係について、自分は『資格』も『実績』も無いなと感じる。いや、「無い」。
国の出生率などどうでもよいが、ただただ、このまま暗闇にそっと消えていく、自分というものが何も残らない、と考えるととても恐ろしい。


7月前半は下のプレイリストの1-3番目です。


1. 新東京『Heavy Fog』

重い気分になったところで聴いてみるとすっと入ってきますが、サビ前の重さがもたらすサビの解放感たるや無いなとも思います。
シンセのエレクトロ的なノリと、ベースとドラムがもってくるジャズ感は何物にも代えがたい。


2. 冨田ラボ『HOPE for US feat. 磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY(Tempalay), TENDRE, 吉田沙良(モノンクル)& Ryohu(KANDYTOWWN)』

これほどまでに音楽に造詣が深いというか、熱と知をつっこめるプロデューサーは冨田恵一以外にいないのではないか、と思ったりしますが、好みの問題もありますわね。
毎回びっくりしますけど、このドラムなんか打ち込みですからね。ドラムをちょっとでも叩ける人からしても、こんなことできる人ほとんどいないんじゃないかと。

特にコーラスワークがこの曲は光ってて、何かいろいろパワーを感じます。
細野晴臣さんのフィーチャリング曲も堀込高樹さんが作詞してたりものすごくよくて最初はまってたんですが、こっちの(比較的)若手のエネルギーというかに最近引っ張られがちなので挙げてみました。


3. 坂本慎太郎『愛のふとさ』

みんなの神の坂本慎太郎さんです。それは冗談でして元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんですね。ソロになって結構経ちましたが新作が出る度に新しい面を見せてくれます。

坂本慎太郎さんは不条理とか喪失感とか長くテーマとしてよくもっていたと思うのですが、それと反して近年は期待感とか肯定的なメッセージを落としてくれるようになってきたりしていた。
でもこの曲は喪失・絶望が根底にあります。だけど、暗い気持ちに浸ろうとかではなくて、「愛のふとさ」にすがってみようという一種の希望を感じさせる歌詞になっていて感じ入る次第です。



それではこんなもんで。

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