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フォトグラメトリ、LiDAR、RWAなどの技術を活用して観光資源をデジタルで持ち帰るワークショップ@仙台高専を実施しました

RWA(Real World Asset)とは

最近、様々なところで聞く、RWA(Real World Asset)とは、現実世界に存在する資産を指す言葉です。円やドルなどの法定通貨、株式や債券、家や土地などの不動産、アート作品等々、現実世界ある様々な形の資産を総称してRWAと呼んでいます。RWAのトークン化とは、株式や債券、不動産、アート作品などの実際の資産や権利をブロックチェーン上で表現したものを意味し、現実世界の資産に紐づけられたトークンやスマートコントラクトを使用してブロックチェーン上に構築することを指します。そうした技術に加えて、近年ではフォトグラメトリという技術が進化し、いわゆるメタバースなどの世界観を簡単に作ることができるような土壌が出来上がっています。今回のワークショップはフォトグラメトリなどの技術を活用して、自身で発掘した観光資源をデジタル化してみよう!ということをテーマに、仙台高専と一緒にワークショップを実施してきましたので、その様子をご紹介します。

フォトグラメトリ、XRなどに関する前提知識についての授業

仙台高専@名取キャンパスの学生さん向けに、まずは前提となる技術についての講義を行いました。合わせて、キャリアセミナーとして、これからの先端技術についてもお話ししました。これまで高価な機材などが必要だったテクノロジーが徐々に我々の生活に浸透したことや、AIなどを活用することでデータの補完が可能となりクオリティ、品質の向上が可能となった背景などをお話しし、自分の手で撮影した動画や写真などが高品質な3Dモデルに生まれ変わることなどの授業を行いました。

仙台高専の学生さん向けに授業

いわゆるメタバースの世界観では、これまで人の手によってデザインが作られていましたが、現実空間のものをデジタルに移行するためには大きな労力が必要となります。昨今、AIなどの活用やセンサーの広がりなどによって急速にユースケースが広がっているのが、フォトグラメトリをはじめとしたテクノロジーです。

このようなテクノロジーを使って、遠くの人と身近に話せることなどはもちろん、現実空間との組み合わせによって、さまざまなな活用方法が考えられます。

取り出したモデルなどは、既存のプラットフォームなどで活用することが可能です。たとえばロブロックスなどのマップ作成で使われるロブロックススタジオや、フォートナイトで使われるUEFNなどでは、複数の3Dモデルフォーマットに対応しています。デジタルツインという言葉もよく知られていますが、AWSなどにはAWSデジタルツインメーカーと呼ばれる仕組みがあり、IoT機器から取り込んだデータを使って3Dモデルに変化を加えるような仕組みを簡単に作ることが可能です。

バスに乗って、撮影の旅へ

街の情報を吸い上げるために、バスに乗って、お出かけします。たまたま大雪の降った翌日で、開催できるかドキドキでしたが、なんとか開催にこぎつけました。

あいにくの雪。無事開催できました。

現地に到着し、かわまちテラスについての説明を受けます。

かわまちテラスについて説明

その後、解散して、各自、色々な観光DXに活用できそうな素材を撮影していきます。LiDARの掲載されたiPhoneを数台レンタル、LiDARの掲載されていないご自身の端末の場合は、動画モードで360度で撮影していただき、後ほど動画からモデルを起こす手法で実施しました。

さまざまな食べ物やお土産をスキャン

自分も海鮮丼を撮影すると..

こんな感じのデジタルデータになります。とっても美味しそう!
Scaniverseというソフトを利用していますが、LiDARというセンサーを活用するため、素材によっては撮影しにくい物やそうでないものがあります。

海鮮丼をスキャン

LiDARAやLumaなど様々な撮影方法によるメリット、デメリット

例えば、こちらは閖上ではなくて以前、盛岡でも撮影を実施したのですがその時の様子。南部鉄器という鉄でできたものは撮影がうまくいきました。

盛岡の南部鉄器
南部鉄器

一方で反射しにくいものは一苦労で、こちらはコッペパンを撮影したのですが、かなり苦労しました。反射もしにくい上、上下左右から見たいという要望をいただいたので、一度自宅に持ち帰って、吊るした状態で撮影しています。

吊るされた福田パン
福田パン

小さなものは、LiDARを活用することができますが、建物のような大きなものは、動画などからモデルを起こすLumaと呼ばれる手法を活用します。こちらは、たまたま出かけた福山城を、通常の動画モードで撮影してLumaAIにインプットして作られたものになります。

福山城

こちらも科学博物館に行ったときに試したものですが、しっかりと恐竜の骨格からモデルが起こされているのがわかると思います。特に何か事前に準備をしていたわけではなく、10秒程度の動画からモデルを起こしています。

国立科学博物館

撮影した3Dモデルの活用方法

さて撮影した3Dモデルデータですが、今回はバックグラウンドとして、NFTなどに活用できるデジタルアルバムとしての活用を想定していたのですが、他にもいろ色な活用方法が考えられます。

A.デジタル観光アルバム

プロトタイプとして作っていたのは、デジタル観光アルバム。3Dのマップデータをクリックするとその街のお土産などが表示されます。

観光をテーマとした簡易3Dマップ
さまざまなご当地グルメを視聴できる


B.3Dプリンターを活用したフィギュア

C.XRやVRとの組み合わせ

VRやARなどと組み合わせることで様々な視覚効果を得ることができます。XRグラスなどはXRealなどをはじめとして、低価格なものが販売されているため、比較的手に入れやすい状況になっておりおすすめです。

撮影したデータを巨大化して風景に重ね合わせてみるというようなことも可能です。

D.360度カメラなど風景の活用

最近、内見など、不動産業界などでも活用されている360度カメラ。RICOHなど様々な種類のカメラが販売されており手軽に購入することができます。360度カメラで撮影した映像はスマートフォンや、VRゴーグルで視聴することでその場にいるかのような臨場感を味わうことが可能です。

YouTubeやFacebookはこうした360度カメラの動画や写真に対応しているため、スマートフォンのジャイロセンサーを活用して、上下に傾けてみることなどが可能となります。(下記の動画をぜひスマートフォンから視聴してみてください)

さて、今回撮影したデータなどはGitHubなどに置いておきますので、実験などに活用できればと思っております。

撮影の旅、その後…

撮影後は、実際に撮影したデータをどのように活用するかなどの授業を行いました。建築などを勉強されている学生さんも多くいらっしゃったため、今回活用したLiDARなどを活用して、建物などのデータを取得するなどのアイデアも出ました。データの収集という観点では、一人や一企業などでは追いきれない膨大な量のデータを取得することに活用できる可能性がある点についてfix my streetなどの事例を通じてお話をしました。

デジタル試作を使ってかわまちテラスに人を呼び込む方法について、チームごとに、様々なアイデアが生まれていました。ワークシートを作成しながら、様々なアイデアが生まれていました。今後、これらのアイデアが実現すると良いなと思います。

https://oggata.github.io/castle-demo/src/

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