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「8mの津波を子供達の作った3D作品で体感する防災ARワークショップ@いわき」を開催しました

いわき + DeNA で防災をテーマとしたワークショップを実施しました

先週、いわき市とDeNAで防災のためのAR活用ワークショップを開催しました。タイトルは、「呼び覚ませ、ナミプトルの猛攻」というちょっとモンスターハンターに出てそうなタイトルを考えてみました(笑) 自分はツナミザウルスと命名していたんですが、同僚の案でナミプトルとなりました。

怪獣を作ってARで視聴するワークショップ

DeNAから、緒方と今泉が参加して、冒頭に自己紹介と3Dソフトの操作説明。そして、そこからは子供達が自由に3Dで作った怪獣ナミプトルの作成に励みました。

講師(左)DeNA 緒方文俊 講師(右)DeNA 今泉理良香 (写真:F-REI様提供_利用許諾済)

授業は午前と午後に2コマ、いただきまして、後半戦は、校庭に出て、自分が作った高さ8mの怪獣を実際にスマートフォンで視聴することを体験。この様子は、色々なところで報道もいただきました、のでそちらもご参考に!

スマホをかざすとこんな感じで、自分の作品を視聴することができます。


ちなみに、報道などの写真や動画で、なんでサングラスかけてるの?って言われたのですが、これはARグラスです(笑)。XRealという市販のARグラスをかけて、ARの説明をしている写真になります。後ほど、少しの時間でしたが、全員にARグラスも体験してもらいました。

みんなの持ってるPCでCGソフトって動くんだよ!
校舎の外で、津波の高さを体感
テレビの取材も来ていただけました!


子供達の作品の一部

現在特設サイトも準備しておりまして、子供達の作品を3DCGで見ることができますので、ぜひ遊んでみてください。


AR(VPS)を使った避難などの手法について

ARなどを活用した誘導などについては先週に都営地下鉄などに導入されたことが報道されていましたが、可変情報として、様々な情報を提供することができる点は利便性が高いと考えられます。

実際に私も、大江戸線、新宿駅から都庁までのルートを試してみました。

まだまだ、反応する場所が限られていたり、東京は工事中の場所が多かったりで経路が途中で寸断されてしまったり、景観となる広告がすごいスピードで変わっていくので、反応がまちまちだったりと、課題は多そうですが、もっともっと技術が進歩することで、将来的には、普通にこういった機能を使って道案内も可能になるのだと思います。さて、これらの基盤となっている技術は、VPSと呼ばれたり、グローバルローカライゼーションと呼ばれたり様々な技術によって作られています。

今回の実証で活用したのはVPSという手法で、あらかじめ、撮影した景観の特徴に子供達の作品を重ねることで実現しています。

小学校内のスキャン結果
小学校内のスキャン結果

これらの技術は、GPSと異なり高さの表現ができるなどのメリットがある一方で、雪が降ったり、木々が成長するなど景観が大きく変わってしまう場合には、検出が困難となります。また、パブリックWaySpotと呼ばれる場所には、さまざまな端末や時間で複数回撮影が必要など非常に手間がかかります。


上記のリンクにある記事によると、Googleなどのグローバルローカライゼーションでは、可変するような風景は、AIなどによってあらかじめ取り除かれるなどの工夫がされているそうです。いわきの実証の時も、仮に津波が来た時に、ガラッと景観が変わってしまった場合にも利用できるか?と質問いただきましたが、現状では、なかなか難しいと思いますが、グローバルローカライゼーションが複数の技術によって成立しているように、ビーコンなどを併用することで可能になるのではないかと思っており、引き続き実証実験を通じて、可能性を探っていけたらと思っています。

分散化技術としてのARや、情報の収集

どこかで正確にお話ししたいなと思っているのですが、Web3や分散化技術という背景では、情報の収集という点が挙げられます。私が、ある消防の方から聞いたお話しなのですが、地域のお祭りと防災は非常に密接な関係があるという話。お祭りで使う調理器具、食材などを運ぶための輸送手段、イベントを行うための広いスペース、こうしたリソースは、災害の時には、食料を提供したり、怪我人を運んだり、避難所に使うなどの利活用方法が想定され、定期的にこうしたリソースを確認するための手段として、地域のお祭りがあると言われているそうです。こうした情報の集約手段としてARなどの活用があるのではないかというのが今回の実証の観点でもあります。

お祭りだって、楽しいから、定期的に開催されているわけで技術だって、楽しくなければ使われることはありません。緊急時に備えて、日常的にゲームやエンターテイメントの要素としてこれらの技術を楽しみながら習得すること、そしていざという時には、様々な情報を可視化するツールとして活用することの両面でのアプローチが必要であると考えます。

そのほか報道

新聞やニュースメディアなど色々なところに取り上げていただきました、ありがとうございました。

https://iwaki.fcs.ed.jp/blogs/blog_entries/view/2396/51e6af63dec91699023ff7911e0a1172?frame_id=2430

浜通り復興リビングラボと、福島イノベーション・コースト構想


福島では、「福島イノベーション・コースト構想」という、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するために、 新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクトで、様々な実証実験などの場としての活用が目指されているそうです。東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れたときに、有人ドローンの展示がされていましたが、こうした取り組みもこの一環だそうで、ぜひ乗ってみたい!

今回の企画は、復興庁の浜通り復興リビングラボの中で実施されたもので、いわき市とDeNAの連携で実現したものとなります。

https://www.f-rei.go.jp/assets/contents/2_legal_conference_agenda5-1.pdf

今後も何かしらの企画が行えるといいなと思っています。

もはやネタとしてですが、このワークショップの前日に仙台からいわき入りしたのですが、強風で4時間以上電車が遅れるというトラブルにも見舞われました。(さらに前々日は新幹線も1日止まっていて、別件の仙台での授業もどうなるかハラハラ….) 写真を撮影したのですが、20:16の電車が到着したのが0:46という、、、何を言ってるか分からないですね(笑)、鉄道関係者の方も安全に送り届けていただいて感謝です。ともかく無事にワークショップの開催ができてよかったと思っています。

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