マガジンのカバー画像

エンジニアがみるブロックチェーンの分散化と自動化の未来

58
株式会社ディー・エヌ・エーの緒方です。 技術開発室という部門で、ブロックチェーン技術の研究開発を行なっており論文執筆やOSS開発などを行なっております。 ブロックチェーンという… もっと読む
運営しているクリエイター

2021年2月の記事一覧

ブロックチェーンのトレーサビリティを用いた卒業証書への利用

年明けから取り組んでいる仕事で、子供向けのプログラミングスクールを受け持たせて頂き、スクールの受講証明書をブロックチェーンのネットワークを通じて発行する試みを行いました。 この取り組みの中では受講生に渡す修了証にNFCタグを貼り付けることで、修了証の電子化の実験を行いました。このNFCの中には、個別のハッシュデータと、キーが保管されており、この情報を個別に保存しておけば、証書を無くしたケースでも復元することや、これらを必要とする機関に送付することで受講を証明することなどが可

世界中のOTAが推進するConnectedTripとブロックチェーン

先端テクノロジーで新しい旅行体験旅行業界の状況は新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変しました。そんな中、ANAはスマホで“仮想旅行”を楽しめる新事業を展開するなどARやVRまたは、DXなどの先端テクノロジーを用いて、新しいビジネスにつなげる試みが行われています。さらに、先日、JTBは、ブロックチェーンの提供も視野に入れた「Connected Trip(コネクテッド・トリップ)」に乗り出したという発表もありました。中身はまだわかりませんが、ブロックチェーン業界の人間としては

Clubhouseとブロックチェーンとイントラパーソナル・ダイバーシティの話

はじめにClubhouseが大人気で、あらゆるところで、クラブハウスがなぜ、ヒットしたのか、次に来るサービスはなど連日熱い議論が繰り広げられています。たまたま私もブロックチェーンを語る部屋というものがあったため、入っていたところ、ブロックチェーンでプロダクトを作る意味とは?という話題になりました。私の順番で、様々な価値観を繋げることができるブロックチェーンはClubhouseそのものという話をしたのですが、とっさのことでしたが以外によくまとまったので(笑)、記事にしてみようと

Ethereumのガス代高騰にみる高額なサージプライシングへの課題感

EthereumのGasPriceの高騰年明けからEthereumのガス代金が大きく上昇しています。(厳密には昨年の末から高い状態が続いていました) Ethereumのガス代金は、例えるならば送料のようなもので、Ethereumで作成された商品を運ぶことに使われ、支払った金額は配送業者(厳密にはマイナー)に支払われるため、本体のサービス運営とは切り離して考える必要があります。 ガス代が大きくなったと言われてもピンとこないかもしれませんが、下記のキャプチャは、ある0.02Eth