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手術を受ける

日本を旅行中、不正出血があった。生理にはまだ早い。少量の出血が長く続いている。韓国に戻ってきて、これはおかしいと思いすぐに夫と婦人科を受診した。

すると先生からこれは生理の終わりかけの血だと言われた。しばらく経っても生理が来ないことを見たら、やっぱりこれが生理だったんだろう。

そしてエコーを見ながら、こぶがあるから大きい病院で診てもらったほうがいいと言われた。不正出血で受診したはずの婦人科でまさかのことを聞かされ、一気に不安になった。

急いで他の病院を探し、専門医に診てもらうことに。エコーをしてこれは90%以上子宮内膜症だろうという診断だった。念のため卵巣癌の検査をしてこれは陰性。2ヶ月後にまた診てみましょうと言われた。

今まで確かに生理痛はあったけど、まさかこんなことになっていたとは。かなりショックで泣きそうになった。

先生は「そんなに大したことじゃないから泣かないで。もし大きくなっても私がキレイに取ってあげるから大丈夫」と言ってくれた。でもこれからどうなるのか、赤ちゃんはできるのか、不安ばかりが頭に浮かんで病院に行くことを考えるだけで憂鬱だった。

これがもし大きくなっていたら手術をしなくてはならない。そのままならいいな。でも、これが妊娠の妨げになっていたんじゃないか。それならいっそ取ってもらったほうがいいのかも。

色んな考えをした2ヶ月だった。

そして病院の日。かなり緊張していたが、先生が優しい笑顔で迎えてくれたのが救いだった。

エコーをしてみると、子宮内膜症は前よりも大きくなっていた。言葉が出なかった。あぁこれはやばいと思いながら着替えて、先生と夫が待つところへ急いで戻った。

大きくなっていたので手術をしましょうということになり、あれよあれよという間に手術や入院に関する書類が用意されていく。

あれ、私入院するんだと思ったら急に怖くなって夫のほうを見ながら耐えられずに泣いてしまった。

先生も看護師さんも優しくて、ティッシュを渡してくれたり大丈夫だよって声をかけてくれたりしてありがたかった。先生は子宮内膜症の専門医だし腹腔鏡手術についてもベテランだから、もうお任せするしかない。

私にできることはないんだから、どうしようとか怖いとか言ってないでただ信じて先生達にお願いするだけ。そんなのは分かってるんだけど、初めての手術だから怖いものは怖い。言葉の問題もあってかなり不安。

診察が終わり、手術に関する検査を一通り受けた。帰り道、不安で落ち込んでる私をずっと励ましてくれる夫。病院にいる間から優しく声をかけて安心させてくれた。

手術当日は保護者の同伴が必要で会社を休ませてしまうこと、手術や入院にかかるお金のこと、妊活をしばらく休まなければいけないこと、心配をかけていること、すべてが申し訳なくて謝った。

夫は私の目を見ながら優しく言った。

ごめんって謝らないで。
ごめんなことじゃないから。
dubuはなんの心配もしなくていい。どこか痛いところがあったら私が責任を持って治してあげるって言ったでしょ。
お金のことも全然負担じゃない。私はこういう時のために働いてるんだよ。
私の心配はしなくていいから。私はdubuが一番大事。
赤ちゃんのことも大丈夫。また良くなったら考えていこう。私がなんでもしてあげる。dubuになんでもしてあげたいんだよ。

深刻にならず、いつもの調子で明るく話してくれたのも嬉しい。前から思ってたけど、この人と結婚できたことが私の人生で一番の幸せだと思った。

手術の日が近付くにつれて気分が浮き沈みする私の頭を撫でながら『私が代わってあげたい』とそっとつぶやいた夫。私はこの人に守られているんだとはっきりわかった。

怖いけどがんばろう。

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