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23/12/20 日記

やりたいことがある気がする。とおく。今日は資本主義の話や、音楽の話や、本の話や、仕事、いろんな構造の話をたくさんした。たのしかった。勉強をしたい、としきりに言った。知識がほしい。もっともっと話をしていたいから、もっともっと話をしてほしいから。この仕事をいつまでするのかむずかしい。だれのこともわからないものだなとおもう。つらい思いをできるだけせずに、らくをしていてほしいとおもう。みんな。ほんとうにみんな。
今日は朝起きたら、あずきちゃんがソファとカーペットいっぱいにたべかすを溢しながら、お歳暮のお裾分けでもらったお菓子を漁っていた。鳩サブレをたべられていたのが悔しかったけれど、塩分なんかが心配になってきて、家に帰ってからは長椅子に胡座をかいて、その上にあずきちゃんをのせて後ろから抱きしめるように座っていた。たくさんなでてやめると振りかえってもっとと言ってくる。あごのしたをなでると気持ちよさそう。みけんをなでるとねてしまいそう。
今夜はいつ吐いてもいいように青色の毛布を敷いて寝かせて、そのうえからいつも通り毛布と羽毛布団をかけて、一緒にねる。へんなにおいがする、と思って布団を捲ってみたら無防備に横になっていて、おならしていただけだった。あずきはいつも熱くて、最近ぬすみぐいを覚えたのでひとまわり大きい気がする。体重を測ったらあんまり増えてはなかったけど、ちょっとふとっていた。いろいろな食べものの味をしって、きらいだった海苔もたべるようになって、いいことなのかもとすこしほめてしまった。おいしいものをたくさん知るのはいいことのようなきがする。足元であずきが布団から鼻先だけだして、ふんふんいっている。かわいい。わたしはよわいとおもう。銭函までいって初めてみた夜の海が、とてもとても、本当に真っ黒で、驚いたときのように心細い。足元の熱が息をしていて、布団のなかが蒸れている。黒ぐろとした海に親指の先からはいる。居心地が悪い。海がきっともっと寒いなんて、きもちになんにも関係がない。いつもあたしは、すこし怒っているのかもしれない。パンクロックは負ける人の歌ではない。でも負けた人のための歌もなくては救われない、ともおもう。そういう話をした。おかねがない、くすりだいがかかる、はたらくとこわい、おさけがのみたくてたまらない、はやくひとりでくらしたい、もじがあたまからこぼれてく、でもいっしょにねるのはあずきちゃん、今。
句読点が多いと父親に言われたことがある。小学校の作文で。読書感想文で賞をとったこともある。でもいつも感想が書けなかった。正しいことは全然しらないし、わたしのおもったことをべつにおとなたちはきいていない、と知っていた。おもっていただけかも。
おさけがのみたいけれど、おさけをのんでから喫茶店でコーヒーをのんで煙草をすったからすこしあたまがいたい。どうしようか迷う。うずまきのような、はいいろのような、重ーいなにかが、おなかから細波だってくる。心臓をしたから押し上げるように、ぎゅっとつぶすように。

ひとのいのちをぬいぐるみみたいだとおもいたくない。おもってしまうから。ぬいぐるみをひとだとおもってもいいとおもう、でも。あしもとのねつはふんふんいって、あたしのあしうらのあせと、ふんふんはおなじ水蒸気になって、たまっている。わからないことがおおすぎる。いま泣いてしまった。しかもはいしゃさんでわざとするかなしそうなかお、みたいなかおで。うるせー。あたしになくされたピアスや、いまさらさがしてもない服や、迷惑をかけたひとたちや、恥をかいたときや、そういうのはどうなっちゃうんだろう。あこがれの星を目指して、の雛鳥はどこにいったんだろう。あのぬらぬらしたうなぎは?蟹のことはもうしらない。小石をけとばす子どもみたいに今拗ねている。それくらいちからがなければ、もしあたしがふわふわなら、だれかが両手で掬ってくれただろうか?ふうってふかれてばんばんほおりだされるのかな。敗北の歌ばかり歌いたくはない。ひっくり返すための歌が、うたが、ぜったい必要だから。でも負けたときにそれでも、っていうのは?いってみて。いいよ。いっていい。いいよ。いわせてほしい。いじけてもどろどろでもかなしくっても、なにも知らなくても、それでもひとを殴れば傷つけられる腕がついていても。

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