見出し画像

乳がんゆるゆる日記 愛おしい傷痕



初めて
鏡で
手術痕をまじまじと見たのは

退院して
自宅で
シャワーを浴びたとき。


傷痕を覆ってる
ガーゼをそっと取り

裸で
浴室の全身鏡の前に立つ。




今まで
傷痕は
病院のベッドで

下向いて見ただけやし


こうやって
全身で写ると

左胸との差が
はげしい。

痛々しい。


左胸の乳頭よりも
高い位置に


真一文字の傷跡が
すばっと

計りましたら
12センチ。

胸の膨らみはなくなり
(元々そないにないがw)


乳頭
乳首はない。


これが
新しい私の右胸だ。




この数ヶ月の出来事が
未だ
現実とは思えない

どっか
夢を見てるような
感覚やった。


しかし
この傷跡で
否応なしにね。



やっぱ
ほんまやったんや




不思議でしょう。

あんなに
泣いたり
我慢したり
闘ってたように見えてやね

あれは
がんと闘ったというより

自分の
弱さと闘ってた。。。

なあんて
かっこよく
言い過ぎやな、おい!

要は

「痛い」
「しんどい」
「もういや」


のような

目の前の辛さに
抗ってたんやね。

せやけど
どうも
抗う事ができん波に

飲み込まれて
流されざるをえんのよ。

しょうがないから
もがきながら泳いで

アップアップして

なんとか
「向こう岸」に
やっとこせたどり着いた感じ。





鏡で傷跡を見て

改めて

自分の中に

全く他人事やと思ってた
「がん」てなもんがあったんや。

実感が湧く。

同時に


「よう頑張ってくれたなぁ・・・!!」



思わず
口に出た。


あ。さっき書いたように
私が
頑張った!ていうより
(まあ 頑張っケド😂)



頑張ってくれたのは

私の右胸!
私の細胞達よ!!


まず
ごめんやで。。
という思いでいっぱい。


こんな大きく切られて

中のもんも
乳首も
がんと一緒に
がさーーーーって取られてもて

その
ダメージたるや!!

それやのに
また
風船みたいなもん入れてもて。。

ほんまにほんまに
ごめんやで😭


よう頑張ってくてたなぁ・・

ありがとうなあ!!!!




右胸を
全摘することと
引き換えに

命を拾ってもろた。


それは
もう
何遍も書くが

いろんな方とのご縁
タイミング

どれか一個でもかけてたら

遠くない将来
えらいことになってただろう。



しみじみ
大きな力に
守って頂いてるんやなあ。


その大きな力ってのは

可愛がってくれた
祖母や
ご先祖さんや
家族やろうし


先に虹の橋を渡って
ふもとで待っててくれる
我が家の
にゃんこ達やろうし


応援して励ましてくださった
周りの皆様の
念やろうし


あと

自分の
「人間という生物」
としての
治癒力やろうし



それら
全部が
大きな力になって
守ってくださった。


そのおかげで
こうして
元気に生きている。

生かされている。



これだけは
絶対に忘れたらあかん。


はらただしいことに

私という人間は
すぐ忘れて


自分だけの力で
調子良う生きてると

勘違いしてしまう
バカちんなのだが


今回ばかりは


そういう気持ちを
忘れんための

しっかりした「印=傷跡」やな。


をもらった。


否応なしに
目に飛び込んでくるのだから

忘れようったって忘れられんのよ。


プラス
この傷跡は


右胸が
細胞が

私という
生命体を助けるために

必死で頑張ってくれた証。


そう思うと


たまらなく
愛おしい。





そんなことを

鏡の前で考えてから

早いもので

退院して
20日が過ぎようとしている。


傷痕は
どんどん
癒えている。



恐る恐るしか
見られず触れなかった右胸。


自分の胸として

心がざわつかずに

しっかり
チェックもできるようになった。




昨日
外来診察で
再建に向けて

食塩水を
チョビーっと。

40CC注入した。

そんなちょびっとなのに
ビミョーに膨らんだ右胸。


これも
正直に言ってよかやろか。。


かわいいのだ。


形が、とかそんな意味
ちゃいまっせ。

朝顔の
双葉が出たような

赤子の小さな歯が
はえたような
(それは綺麗すぎかw)

そういう「一歩め」の
かいらしさね。




今度は

一所懸命

私の胸。

「再生」に向けて
頑張ってくれている。

それこそ
ゆるゆると
一歩ずつ。


確実に。

ケナゲだ。


つくづく

愛おしくて
たまらない。


よおーしよしよしよし

ムツゴロウさんばりに
なでまわしたいくらいだ。

#乳がん
#再建
#再生
#リスタート






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?