見出し画像

起業家のメンタルヘルス

直近お見かけした投稿や記事

こんにちは。Awarefyというメンタルヘルスのアプリを作っている株式会社Hakaliの小川と申します。

本日取り上げるのは起業家のメンタルヘルス問題。もちろん今に始まったことではないものの、直近どばばっとtwitter界隈でお見かけしました。一部抜粋させていただくと、以下のような投稿を拝見しました。

またおなじみ100話で心折れるスタートアップや、

typeさんで記事も出てました


ストレスのメカニズムから見た起業家のメンタル問題

ストレスのメカニズムを表すモデルは色々ありますが、NIOSHの職業性ストレスモデルはシンプルでわかりやすいです。

NIOSHの職業性ストレスモデル

ストレスの源となるものをストレッサー(仕事量が多いとかプレッシャーが強いとか)といい、それに対して身心が反応することをストレス反応(気分が落ち込むとか蕁麻疹が出るとか)といいます。

起業家がしんどいのは、まず大前提としてストレッサーがとにかく大きいという点です。投資家からのプレッシャー、お金なくなるかも、メンバーのモチベーションに気を使わなきゃ、事業が成長しない、人が辞める、自分のお金もない…色んなストレッサーが次々と、それこそ100話で心折れるスタートアップ漫画のように、途切れることなく襲ってきます。

究極的には、次から次へと生まれ出るストレッサーをモグラ叩きのように問題解決して潰していくしかないわけですが、あまりに一気に色んなストレッサーが襲ってきたり、途切れることなく襲い続けてくると、「あぁもうダメだ」と心が折れてしまう訳ですね。


また、起業家はメンタルマッチョな人が多いと言われたりもしますがメンタルマッチョはおそらくここでは個人要因が該当すると思われます。

ただ、どんなにメンタルマッチョな人でも、その個人要因よりもストレッサーが大きければ当然潰れます。しかも、ある程度のストレッサーを耐えれている分、耐えきれなくなった時のストレッサーは普通よりも相当大きい状態であると言えるかもしれません。一度やられると一気にやられる可能性が高いかもです。

加えて、ストレッサーに対して緩衝要因(社会的支援  友人と話したり息抜きしたり等)が大きければ、ある程度のストレッサーは処理できるわけですが、特に急成長を求められるようなスタートアップモデルで戦っている起業家は、この緩衝要因を切り詰めてギリギリで戦ってしまっていることも多いかもしれません。

特に外部の投資家が入っているケースでは、事業が成功するかもまだ見えていない赤字の中で、人件費を始めとした固定費がドバドバ流れているため、時間との勝負になりがちです。時間との勝負になるということは、必然土日だろうが深夜だろうが、事業の成功が見えるまでは寝食忘れて働く力学が発生しやすいということになり、当然緩衝要因は減りやすくなります。

このように、ただでさえストレッサーが大きい上に、緩衝要因も小さくなりがちな起業家は、構造的にもメンタルやられやすいのは必然ですよね。

起業家ができるメンタルヘルス対策

NIOSHの職業性ストレスモデルに沿って考えると、大きくは「ストレッサーを減らす」「個人要因を鍛える」「緩衝要因を増やす」の3つの戦略があると思います。

  • ストレッサーを減らす

    • 問題解決力を上げてストレスの源をバシバシ解決していく

    • そもそもの関心事を減らしておく(手を広げすぎない) 等

  • 個人要因を鍛える

    • 認知や行動でストレスを溜めにくいやり方を身につける。例えば一気にストレッサーが襲ってきても「わぁもうだめだ」とならずに冷静に問題を整理して1つずつ解決するとか、コーピングといって自分にフィットするストレスケア方法を確立するとか

  • 緩衝要因を増やす

    • 仕事と関係ない友人との交流を捨てないとか、問題解決のサポートしてくれるメンターについてもらうとか、会社で弱みをさらけ出せるようにしておくとか。安全基地は複数あったほうが良い、という話もあります。ストレッサーから一時的に避難できる場所があることが緩衝材になりますよね

上記は全くもって起業家に限りませんが、ただでさえストレッサーが大きく、時間もない起業家こそ、意識的にメンタルヘルス対策をすべきだなと改めて思う次第です。

続けられなかったから続けられなかった

当社CTOの池内が、前職を辞した件を記した廃業エントリの名言に「続けられなかったから続けられなかった」というものがあります。

池内 廃業エントリより


どんなにハードシングス(という名のストレッサー達)が襲ってきても、しんどいなぁと思いながら、心折れずに1つ1つ問題を解決していけば、きっと、絶対になんとかなります。もちろんそれは、今の事業モデルではないかもしれませんけど。
でも、心や身体をやられてしまうと、物理的に続けられなくなってしまいます。心も、閾値を超えてしまえば、もう気持ちの問題ではなく脳がケミカルに異常な状態になってしまうのです。それは根性の問題ではありません。

だから、起業家の皆さん、忙しいと思うんですけど、心身のセルフマネジメントも仕事の一つだと思って、どうぞご自愛ください。

僕たちもメンタルヘルスサービスを提供する者として、お役に立てるようになりたいと強く思っています。

今計画中ですが、もし今すぐにでも相談したい方いらしたら、小川のtwitterDMまでご連絡いただければと思います。

https://twitter.com/ogawaal

株式会社Hakaliは起業家の皆さんを全力で応援・支援していきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?