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77.成すための精神

最近ニュース記事を読んでいると、 Rapidus Corporation は失敗するといったものをいくつか見ることがありました。思う所を書きたいと思います。


否定的

なぜ、否定的になるのかを考えてみたのですが、一般常識的な観点で見ているからだと感じます。

今回は日本の半導体産業の遅れを取り戻すために、日本の大手企業や海外の半導体大手企業を巻き込んで、大掛かりに進めています。

先端ロジック半導体では、プロセスノードの微細化が進んでいますが、これが進めば進むほど、難易度が上がります。

プロセスノードの表現に、従来までは配線幅 ?nmとして表現していたのですが、微細化が進みすぎて平面では11,12nm位までしかできない状況まできました。

そこで、現在では3次元構造にして、平面でみたときのトランジスタ数を基準に?nmのプロセスノードと表現しています。

現在では3nmプロセスノードでの量産がされていますが、現時点でも歩留まりが良いとは言えない状況です。

今までは、毎年のようにプロセスノードが微細化されてきましたが、3nm以降はそう簡単にはいかない状況となります。

そのような事から、しばらくは3nmプロセスノードの改善を続けることになるはずです。

そうした中で、2nmプロセスノードでの量産というのは、どれほど高難度であるかが想像できると思います。

研究やテスト段階では出来ていますが、その段階と量産には大きな壁が存在します。品質が安定しないと、歩留まりが悪く、利益につながりません。

このような背景を考えると

「長年研究開発を続けている企業がなしえていない事を、0から始める企業がいきなりできるわけない」

このように思ってしまうのも、仕方のない所ではあります。


強い思い

否定的になるのも分かるのですが、しかしそれでよいのでしょうか。

過去の日本が成長していくさなか、多くの企業は

「出来ないからしない」

そうした選択はしてこなかったはずです。むしろ

「この世に無いなら、自分達で作ろう」

このような思いで、多くの企業が動いていたのではないでしょうか。何事もそうなのですが、出来ないと思った時点で出来る可能性が0になります。

もちろん、失敗した時のリスクを考えると、二の足を踏みたくなる気持ちも分かります。でも、石橋をたたいて歩いているだけでは、変える事も、生み出すことも出来ません。

これは、過去の偉人の方々が証明されています。

それよりも大切なことは

「何が何でも成し遂げよう」

この強い思いだと感じます。


今の日本

今の日本経済が衰退方向に向かっているのは、政治や人口の問題だけではないと思っています。

経済的には裕福とは言えませんが、モノやサービスが多種多様なこともあり、小さな幸せに満足している人たちが多いのではと思います。

そのため、ハングリー精神といいますか、成し遂げよう、変えよう、作り出そう、その強い思いを抱く動機が少ないのではと感じています。

人って、追い込まれないとなかなか本来の能力を発揮しませんよね。なぜなら、危機感がこそが、人を動かす最も強い原動力になるためです。


まとめ

今回の Rapidus Corporation は、そうした強い思いを持った人たちが集まって、成そうとしているのではないでしょうか。

そうであるならば、リスクがあったとしても、皆さんで応援してあげるべきではと感じます。

それに全く勝算が無いわけでもありません。半導体の製造に欠かせない素材や装置などを手掛けている日本のメーカーは多く存在します。

また、世界の半導体メーカーのコア部分の設計に携わっている、日本人の技術者もおられます。

私自身もそうした企業のソフトウェア開発に関係していることから、是非とも成功させて欲しいと願っています。

恐らく、これが成功すれば日本は再び世界の半導体産業の中で中核を占めるレベルにまで、上り詰めることが出来るはずです。

そして、日本が世界における重要な役割を果たすことにつながります。なぜなら、この先の世界には半導体が無くてはならないモノだからです。

これを成し遂げることが出来れば、次は光半導体へと進む足掛かりにもなるでしょう。

このようなチャレンジ精神を皆さんも持ってみてください。

小さな幸せよりも、安定した日常よりも、苦しいことはあれど、強い思いをもって活動することで、多くの仲間と共に幸せな時間を共有することができるはずです。

その経験が、人生をより豊かにしてくれること、間違いありません。

お気持ち感謝に尽きません🙇‍♂️