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5. コミュニケーション教育

今回はコミュニケーションについて書きます。


伝えるということ

社員を教育する際に常に感じることなのですが、SNS、メール、会話における情報伝達が不十分であるという印象を受けます。他の企業で働いた経験のある方でも同様の感想を持つため、学びの機会が少ないのかもしれません。

日本では昔から「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)と呼んでいますが、一つ重要な要素が欠けています。それは、「感謝」です。

コミュニケーションは人と人との関わりです。自分のために何かをしてくれたときやサポートをしてくれた人には、感謝の気持ちを伝える必要があります。

感謝を伝えるということは

「相手の気持ちや立場を考える」

ことにつながります。自分視点ではなく、相手がどのように感じるか、どのように受け止めるか、これらについて深く考えることが求められます。

例えば、以下の内容でメールを受け取った時

「~のような問題がありますので、至急調査頂けませんか」

経験が少ない方は、まず調査を開始することが初めの行動となります。

確かに、文面には「至急調査頂けませんか」と書かれています。しかし、そのまま調査を開始してしまうと、相手への連絡は調査が終わってからになります。

これが口頭で伝えられた場合は良いのですが、メールの場合、開封確認を行わない限り、メールを確認したかどうかは不明です。一般的なやりとりで開封確認を行っている人は稀ではないでしょうか。

SNSについても、既読が相手に伝わるとしても、一言

「申し訳ありません💦了解しました!」

など、一言添えることで、相手の印象は大きく変わります。

文面を確認すると「至急」と書かれていることから急ぎの案件であることが分かります。相手の立場から考えると「早急に調査して改善してほしい」という意図を感じることができるのではないでしょうか。

この場合、返信がないと相手は調査を始めたのかどうか分からず、不安を抱くこととなります。

そこで、まずは相手に対して誠意を込めて

「大変申し訳ございません。また、報告ありがとうございます。至急調査を行い、状況が分かり次第連絡いたします。」

このように、調査を開始したことを相手に明確に伝える必要があります。

このやりとりについてですが、社会人経験の浅い方だけでなく長い経験を持つ人でも、この対応ができていない方が多いのです。


思いやり

なぜこのようなことが起こるのか、それは相手に対する思いやりや配慮が足りないからです。

では、なぜそうした方が多いのか、私が考える理由は以下の通りです。

  • 思いやる経験が少ない

  • 自分の事で手一杯


もちろん、相手への配慮があれば自然と適切なコミュニケーションに至ることも可能ですが、日常的な周囲とのやり取りでは、丁寧なやり取りを行うことは少ないと感じます。


コミュニケーションを学ぶ場の必要性

先ほどの「思いやる経験が少ない」点についてですが、コミュニケーション教育を学校で特別に教わることは少ないですよね。そのため、日常的な家庭や学校での生活の中で自然と学び取ると考えられています。

しかし、個々の生活環境はさまざまです。必ずしも正しい教育が行われているわけではない状況です。

社会人経験が豊富な方でも適切に利用できていないと考えると、家庭教育だけに頼るのは難しいと言わざるを得ません。

今後はメールやSNSについて、最低限のマナーを含めた教育を義務教育の中で行うべきだと感じます。特に、メールは現在でも企業間でのコミュニケーションに不可欠です。

やはり、実体験を通じて学ぶ機会が必要だと感じます。ポイントは、単に教えるのではなく、実際にそのやり取りを経験することが重要だということです。

現在の日本の義務教育では記憶力を試すようなテストが多く、私が学生だったときも、テストに出ると予想される部分を覚えておけば点数が取れるという状況でした。

近年AIについては大いに話題になっていますが、記憶することについては今後AIに任せるべきだと感じます。それよりも、一生役に立つコミュニケーションの部分に焦点を当てた教育こそ、社会に出てからの実生活で役立つと思います。


相手の事を深く考え始めたきっかけ

私が自身に目を向けたとき、なぜ相手のことを深く考えるようになったのか、その理由は小学生時代の体験が大きいと感じています。

私は背が低く、色黒だったため、周りの子からしばしばいじめを受けました。ただ、運動が得意だったことが救いでした。6年生で人種差別問題の授業を受けたとき「自分と同じだな」と感じ、その問題について詳しく調べた記憶があります。

また、このような事もありました。

同じクラスには、現在なら養護学級に所属することになるような生徒が何人かいて、彼らも同じ教室で学んでいました。

クラスでグループを作る際に、その子たちが最後までグループに入れないことが何度もありました。そんなとき、私がその子たちを含めてグループを作ったり、時には「なんでこの子たちを入れてあげへんねん!」と怒ったこともありました。

この経験があったからこそ、今の自分がいると感じます。

日本人は協調性があると言われていますし、確かに私自身もそう感じます。しかし、ネガティブな面の協調性も持っているため、人とのコミュニケーションについては、義務教育の中で多くの時間を費やして学べる環境になってほしいと感じます。

お気持ち感謝に尽きません🙇‍♂️