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緩やかに繋がる組織

ひとつの会社に定年まで正社員として務めあげる、という働き方もひとつだろうと考えてはいる。しかし、他の働き方だってあっていいと思っている。例えば、自分が得意なことをみんなで持ち寄って、不得意なところを補いあっていけば、ひとりで不得意なことまでやっていたときより、大きな可能性が生み出されるだろう。

そんなことを考えていると、ぼんやりと頭にうかぶことがある。それは、学生時代に参加していたコンピュータサークルで、文化祭に向けてみんなでつくったひとつのゲームのことだ。

私が入っていたサークルでは、いろいろなメンバがいた。プログラムがやりたい人、絵を描きたい人、音楽をつくりたい人、おもしろいことをやりたい人などなど。ゲームで遊びたい人もたくさんいた。

そんな中、文化祭に向けて何かゲームをつくろうと誰となく話はじめ、それぞれの得意なことなどから緩く役割分担がきまっていった。ゲームの企画をつくる人、プログラムをつくる人、絵を描く人、音楽をつくる人など。もちろん、できたゲームを試しに遊ぶ人もだ。

それはとっても楽しかったし、結果としてちゃんと遊べるゲームが完成した。文化祭で展示をして、近所の子どもが楽しそうに遊んでくれたことを覚えている。

私は、このときのような緩い組織体が、今後の働き方の中心になっていくのではないかと思っている。

これまでのように、ひとりの人がひとつだけの組織にガッチリ組み込まれるのではなく、それぞれの人が得意なことや好きなことを活かせるたのしそうな場をどんどんみつけて、いくつでも自由に緩く繋がっていくような感じだ。

もっとも、副業禁止規定がある組織が多いので、いまはすべて自由にできないとは思う。しかし、世の中の流れは副業禁止規定の解除の方向に動いていくのではないかと個人的には考えている。それは、避けようのない時代の流れだと感じている。

そうした制約条件から解き放たれたとき、緩い組織体からどんなイノベーションが生まれるのだろうかと想像するとワクワクが止まらない。

緩い組織体は、イノベーションが生まれることを支援する土台になりえると思う。そこでは、常に新しい繋がりがうまれて、思いがけない発想がうかび続けると思っている。

あの楽しかった学生時代のサークル活動のようなことが、終わることなくいたるところで続いていく。私は、そんな世界が未来に待っていると信じている。


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