『SHIROBAKO』って脚本イカれてるよな…?

ヌーベルバーグならまだ分かる。
しかし商業アニメにおいては脚本に欠陥があると思うが、なんか大多数からの評価が高くて、オガワは困惑を隠せない。

映画において大切なものは、
脚本>画面>役者
とされている。
1番大切なのは脚本であり、それが売り物として「足りてない」作品は他が良くても「足りてない」という扱いを受けるというものだ。

さて、脚本を構成する要素は「起承転結」であったり、「障害」であったり、「悪役の正義」であったり、それらの設定から生まれる「葛藤」であったりする。

では主人公の宮森は何に葛藤しているか?よく分からないのである。
アニメを作りたければ作れば良いではないか。
何を…毎回毎回アニメ制作への道が〜!みたいな顔しとる…つくれ??
オガワは会社員をしながら1人でアニメを作っているぞ〜。仲間がたくさんいて良いじゃないか!
つくれ???
この事から分かるように「アニメ制作」の実現は、葛藤になり得ないのだ。

憶測ではあるが、宮森はあの宝舟のアニメで天下を取りたいのだ。
覇権アニメというやつになりたいんだと思う。
それならそう描かなければ伝わらない。

覇権アニメにするには自主制作ではなくて企画をキッチリ通して、製作委員会を立てなければならない。
はい、つまりは宮森自身が企画を通せるだけの敏腕プロデューサーにならないといけないわけで、制作進行とかいうカスみたいなセクションにいるのもよく分からんというか、制作デスクで頭打ちになってるのも良くない。
しかも前任の制作デスク、プロデューサーにならずにケーキ屋さんやってるじゃん。
宮森〜!次のフェーズはケーキ屋さんだよ!が担保されちゃって輪をかけて物語がよく分からなくなっている。

物語的に「どうすればプロデューサーになれるのか?」が全く分からず、淡々と制作進行の仕事をしており、なんかトラブルをドラマチックに描いているだけのアニメが『SHIROBAKO』という作品である。

これで「脚本がイカれてる」と評して何が悪いのか教えてくれ。

とかく1話目での目標提示が甘い。
「鬼になった妹を人間に戻す」とか、
「WEB企画のサイトアクセス数を爆増させる」とか、
「自分の作ったアニメで覇権を取る」とか。
そういうのはとにかく最初の30分以内で観客に提示しないと商業的に成立する脚本たり得ないのだ。

総じて『SHIROBAKO』の評価は狂ってる。
ただ狂っていると認識する人間は少数派なので、このまま消えるしかない。
この文字群は消えゆく少数派の小さな足掻きである。