だめオ(だめなオタク)

最近ゲゲゲの鬼太郎の父親の映画が封切られた。
まだ目玉親父が人っぽい見た目だった頃の話らしい。

オガワはそもそも水木しげるのファンで、鬼太郎は3作の劇場版『大海獣』が好き。

漫画は『悪魔くん』が好き。

しかして、水木しげるのカミソリみたいな切れ味の社会風刺が好きなオタクとしては、今回の映画は2000円も出して見る気にはなれなかった。
大人しくアマプラを待つ身である。

まーオガワはダメなオタクであるな〜と思う。
こういう古参風を吹かせて初動に乗らんファンがジャンルを衰退させるのである。
いいか?初動が悪ければアマプラにも来ないのだ。
オガワが古参風を吹かせていられるのは、今回新規ファンが映画を観てくれているからである。
というわけで、映画を観てくれているそこの人。
ありがとう。安心してアマプラを待てます。

んで、映画がアマプラに来るまで鬼太郎の応援をする身としては暇なので、折角だから第1作から全部見ることにした。大体4作目までで300話あるけど多分いけると思う。
まあ全部で6作あるので、間に合ってないと言えば間に合ってないのだが、一応5,6作目は本放送の時に生まれていたのでリアタイしてたし良いかなと思っている。

墓場鬼太郎は全部見て、今は1作目の12話まで。
いやほんとに1作目面白い。
白黒放送なのだが、まだ水木しげるの社会風刺がバリバリに効いている。
大海獣の回では偉い人がとにかく「責任を取りたくない」、「クビは嫌」と言って権威にしがみつこうと必死だった。
あと目玉親父も鬼太郎もねずみ男も倫理観が時々適当過ぎる。
鏡じじいの回とか、なんとか体を取り戻したねずみ男に「その体ちょっと貸せ!」と言って暴力を振るう鬼太郎が、目玉親父とねずみ男に逃げ惑いながら諭されたりしてる。
子供らしい理不尽さがあって大変微笑ましい。

この楽しみ方も本当にだめなオタクだなと思う。
昔のガバガバシナリオ賛美というか。

カドクラが昔の特撮ファンで、おもちゃの車が真っ二つに割れる電人ザボーガーのワンシーンを面白そうに見ていた記憶がよみがえる。
特撮ファンではないオガワはあんまり面白くなかった。

つまり、この楽しみ方は過去作のアラを味と呼びながら笑っている感じがするのだ。
他人と語り合う余地は全く無い。
語り合おうとすると、あの時のオガワとカドクラみたいは微妙な空気になるだろう。

いやしかし11話の『妖怪大戦争』は水木しげるの戦争反対のメッセージが響き渡りすぎて今作れるか分からない。
あれが水木しげるが生きていた頃の『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメ製作陣の義理固さなのだと思う。

いやはや、こと水木作品の事になるとオガワは途端にだめオタクになってしまうな。
古参風を吹かせて過去作を変な角度から楽しんでいるなど…
ちなみにリメイク版の『悪魔くん』も見ていない。古参風が吹き荒れていて…

しかし生まれて30年近く…『子連れ狼』から『ジャイアントお嬢様』まで数多の漫画を読んできて、1作品に対してくらいだめオタクになっても大目に見てほしい。
また、オガワの周りの生身の人間に不快な思いをさせぬよう、この話をノートに書いているので、重ねて大目に見てほしい。