ツーリングの楽しみ

梅雨に入り、バイク乗りには休みの日の天気を一年で最も気にする時期となってしまいました。
無論、私もその一人ですが、この時期の晴れた週末たるや、ツーリングスポットと呼ばれている場所のバイク人口の多さはコロナ過以降、拍車がかかっていますね。3密を防げて一人の時間も確保でき、ストレス発散にもなるバイクでのツーリングは、確かに人気が上がるわけです。
そんな中、私なりのツーリングでの楽しみを紹介していきます。
・「行った先で美味しいものを食べる」
これがソロツーリング・マスツーリングでの最大の楽しみと捉えている人も多いと思います。ご当地名物はやはりご当地で食べるのが一番!お米一つとっても、新潟県魚沼産コシヒカリを現地で食べるのと自宅で食べるのでさえ、全くと言っていいほど別物です。もちろん、現地で食べるコシヒカリの方がはるかに美味しいです。現地の気候、水、土壌が育んだ作物は現地の水で調理するのが美味しさの秘密なのではないでしょうか。現地まで行って食べるという付加価値もありますが、差し引きしてもご当地名物はご当地で食べるに限りますね。
・「ネットや雑誌に載ってない絶景スポットを見つける」
ネットや雑誌に載っているような絶景スポットは、やはりそれ目当ての人も多いため混雑している確率が高いです。時間帯によっては車もバイクも停められないほど混雑している所もあります。確かに有名な場所は絶景ではありますが、私は折角の絶景が人の多さで景色の美しさが減ってしまうように感じてしまいます。なので計画していたツーリングルートから少し脇道に逸れた時にほんの一瞬現れる「自分しか知らないような絶景スポット」を発見した時の独り占めしているような贅沢な時間が、「また来よう」という気持ちにさせるのです。
・「人馬一体感を楽しむ」
バイクには車にはない感覚があると思っています。何と言いますか、自分の思うままに乗り物を動かせる感覚、「操っている」感覚です。車と違ってアクセルに対してのレスポンスも良いですし、ブレーキも握ったら握った分だけ効きますし、路面の状態も車よりも良く分かります。特に車と大きく違う点は、車はハンドルを回せば曲がっていきますが、バイクは自分の体重を移動させてバイクを傾けなければ曲がりません。その感覚の違いこそ、バイクの醍醐味ではないかと思います。これは海沿いを走るのが好きな人、山を走るのが好きな人、平坦路を走るのが好きな人、バイクで走ることが好きな人の共通認識ではないでしょうか。
私の場合は峠(=山)に走りに行くことが多いのですが、コーナーを思い通りに走れた時の喜び、爽快感を味わうために峠へ行きます。ストレートでの加減速、コーナーでの体重移動と走行ライン。全て狙い通りに行けた時の気持ち良さは何物にも代えられません。車ではまず味わうことのできない、バイク特有の楽しみです。また自分でメンテナンスしたり洗車したりして愛着があるバイクであればあるほど、この楽しみ、喜びはひとしおだと思います。
ちょっとネガティブなことですが、最近のバイクは技術の進歩により様々な電子制御がふんだんに搭載されています。より安全に、より乗りやすくするための技術ではあると思いますが、最近のバイクは操っている感が薄くなり「操られている感」があるように感じます。だからこそ、未だに電子制御が未搭載の旧車ブームが冷めない理由の一つではないかと感じています。年々厳しくなる排ガス規制に対応するためや、ヒューマンエラーによる事故を少しでも減らすためにも必要な電子制御ではありますが、少し寂しい気もします。

という感じで、私なりのツーリングでの楽しみを書きましたが、バイクを乗るにあたって一番の心配事・大切な事といえば、やはり「事故を起こさないこと」ではないでしょうか。
未だに私が良く行く峠道で、公道上にも関わらず膝擦りやドリフト走行、対向車線まで使ってまるでサーキットさながらの運転をしている人も見受けられます。やっている本人はさぞかし気分が良いでしょうが、周囲のルールを守って安全運転をしている人からしたら迷惑以外の何物でもありません。
もし、ブラインドコーナーの先に停止車両や歩行者、はたまた動物がいたらどう対処するのでしょうか。まさかブレーキングで止まれる、回避できるとは思っているのでは?痛い目を見なければ分からないのかも知れませんが、自分一人だけの道路ではない、自分一人だけで生きているのではないことを自覚して欲しいと思います。
当然、事故を起こせば悲しい思いをする人がいて、事故の処理をするために多大な労力を使う人も出てきてしまいます。もちろん、お金だってかかります。
と、自分への戒めも込めていますが、私自身もバイクに乗る時は「安全第一」を心がけるようにしています。全てのライダーに帰りを待っている人がいます。これからも事故に気を付けながら加害者にも被害者にもならないよう、自分の身を守るための装備を充実させて、体力・年齢が許す限り少しでも長くバイクライフを楽しんで行きたいと思っています。

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