キノピオ隊長というゲームから学ぶ「失敗の哲学」

キノピオ隊長を子供と遊んでいて、このゲームの企画者は「失敗」というものに対して特別に気を払って作っているなと感じたのでそのことについて書きたいと思います。

キノピオ隊長は、失敗体験の多いゲームです。
3D空間を歩き回るゲームで死角が多く、その中で歩き回る敵や、落ちたら即死のゲームギミック。
すぐ死ぬ。何度も死ぬ。

基本的に、プレイヤーというのは失敗が嫌いです。
ほとんどのプレイヤーは、何度か同じところで失敗を繰り返すとゲームを遊ぶのをやめてしまいます。
うちの子は、かなり失敗が嫌いな方で、その傾向が強い。
例えば、なわとびがうまく跳べないことをとても嫌がり、そもそも練習しようともしません。

そんな我が子でも、キノピオ隊長はかなり根気よく遊び、難しいステージでもダイヤをコンプリートしてクリアしたりできるまで根気よくがんばります。

おそらく、キノピオ隊長というゲームの失敗体験へのアプローチによるものだと思います。

キノピオ隊長では、同じステージで2回失敗すると、ステージ開始場所に無敵アイテムが配置されます。
意図としては、難しい過ぎると感じているプレイヤーに難易度の低下を提供して遊びやすさを改善するものだと思います。
しかしこれ、他にも「失敗で諦めないことに対する報酬」としての意味があります。

さらに、残機がなくなるまで失敗を繰り返す「ゲームオーバー」の後にも、システマチックに残機を復活させるのではなく、残機復活のための爽快なミニゲームが用意してあります。
これも「失敗で諦めないことに対する報酬」として機能します。

こうした「失敗で諦めないことに報酬を与える」設計は、失敗に対する嫌悪感をかなり和らげます。
失敗の悔しさを次のプレイのためのモチベーションに変換します。

ところが現実では、失敗に対して叱責や不利益などの罰を与えたがる人が非常に多いです。
が、それを行う場では皆が萎縮して失敗を恐れ、チャレンジやリトライをしなくなります。

・失敗はきちんと失敗として扱う。
・しかしリトライする意欲は褒める。

このキノピオ隊長の失敗に対する哲学は、仕事や学業などの実生活においてもぜひ参考にしたいと思っています。

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