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大河原町樹木医の業務 2023年5月24日up



(2023年5月24日up)この桜は一目千本桜の写真を撮るときに堰を手前に蔵王を背景に入れると必ず写る位置にありますが、隣の桜が枯れてしまいこの樹も重症です。景観が損なわれてきています。
ナラタケモドキという山きのこをご存じですか?食べたことがある方はわかります。おいしいキノコですよね。「きのこ(木の子)」は真菌類で菌の塊なのですがこの菌、実は桜にとっては天敵で一度感染してしまうと治すのが非常に難しい病気です。この菌がこの辺一帯に蔓延っているのです。いま活力剤の樹幹注入(点滴)と土壌改良の両面から手を尽くしているところです。写真は加圧式による樹幹注入。
(2023年5月18日up)これも不定根誘導。約2mの高さの枝を発根させ地面まで引っ張ります。白石川右岸末広橋下流。
(2023年5月18日up)弱った桜を元気にするため根元に盛り土して不定根を発生させます。白石川左岸南桜町。
(2023年5月17日up)枝の若返り(萌芽更新)を図るため土を補充して発根を促進します。南桜町。
(2023年4月8日up)「一目千本桜」植樹100周年記念高山信行氏(開治郎翁のお孫さん)ご夫妻歓迎レセプションの中で信行氏ご本人と
(2023年3月4日up)今週から一目千本桜を元気にするために白石市で製造しているバーク堆肥を直接購入し配り始めました。1本に対して1~3袋です。化成肥料と比べると少し重くて大変ですが長い目でみると有機物であるバーク堆肥の方が桜には断然合っていると思われます。


(2023年1月31日up)今日夕方は町内にある柴田農林高校に行き千桜部の生徒たちと桜の茎頂培養を行いました。0.5mmほどの小さな芽を手作りのメスで切り出し、無菌化します。
(2023年1月31日up)今日は上谷・上大谷前堤防に植えてある一目千本桜を役場商工観光課の皆さんと一緒に消毒しました。
農薬はマシン油乳剤。カイガラムシなどの退治に効果があります。
(2023年1月31日up)先日、調べた高山開治郎氏寄贈の桜は柴田町分が114本、大河原町分が197本でした。合計すると311本となります。今年は一目千本桜植樹から100年になります。イベントあると思うので皆さんとともこの数字は共有していきたいものです。
(2022年12月18日up)12月16日は白石川堤にて樹高測定。
望遠鏡付ハンドレベルを使用。
いままでは他から借りていたのですが、不便で仕方がないのでメルカリにて購入しました。測機舎の昭和レトロですが十分使えます。
(2022年12月18日up)12月9日は「おおがわら桜イルミネーション」点灯式でした。尾形橋から末広橋にかけての約30本が見事に開花しました。1月まで咲いているようです。

(2022年12月18日up)12月1日は柴田町に出かけて白石川堤の桜の古木調査をしました。役場から許可を得て調査開始。一目千本桜の生みの親高山開治郎氏が寄贈した100年生桜(合計1200本)が現在何本残っているかを調べます。50年前の記録図(おおがわら広報「花は桜木」次号の22号参照)を持ちながら外観調査から判定していきます。腐朽が進んでいる樹が多くあり、特に写真は気になる樹です。
(2022年12月18日up)自宅からスマホでリモート。学校で培地づくり(pH測定)
(2022年12月18日up)左側が改善が見られた植物活力剤
(2022年12月18日up)11月29日は柴田農林高校にて一目千本桜再生プロジェクトにリモートで参加。主体は「千桜部」の2年生部員たち。部の名前もユニーク、観光地ならではの名前です。
SDGsの取り組みとしてゴミを再利用し植物活性剤(2価鉄)を製造し、これで桜の寿命を少しでも先に延ばそうというもの。緑茶のタンニン分とスチールウールや鉄くぎとで反応させますが、桜の落ち葉、切り株の残渣なども利用します。この日、大きな改善が見られ喜び合いました。
(2022年12月18日up)11月15日は柴田農林高校にお邪魔しています。一目千本桜の遺伝子を繋ぐため組織培養という方法で次世代の苗木を生徒さんたちにお手伝いいただきながら育てています。
(2022年12月18日up)11月22日は白石川左岸の古木に対して腐朽対策を行いました。
桜は大木になると通行の邪魔になって切られたりしますが「桜切る馬鹿」と言われるように切ってしまうとそこから腐朽菌が入ってしまうわけです。写真は腐朽したところが危険になったためその部分を切除したあとの木口部分です。昔、杉材だったのでしょうか?電柱は腐朽防止のため匂いのきついクレオソートが塗られ、頭にはトタンの帽子でした。先輩方はよくご存じです。トタンの帽子もいいのですが加工や設置が大変です。そこで軽量なルーフィング材を使用してかぶせてみました。
(2022年12月18日UP)11月14日はキノコ採り?
写真はヒラフスベ(アイカワタケ)です。古木からは年々キノコの発生数が多くなっており、ほかにもカワラタケ、カワウソタケ、コフキタケ、ベッコウタケなど多種類に及び、これらは見過ごすわけにはいきません。何故ならこれらは木材腐朽菌と言って樹を腐朽させる原因となっているからです。切除した患部を大きくえぐり取り殺菌剤(墨汁入り)を塗布しました。
(2022年12月17日up)11月9、10日は計8本の桜について腐朽度を検査しました。大河原町の真ん中を流れる白石川沿いには観光名所の一目千本桜がありますが、寿命を過ぎた古木が多く見られ、年々危険度が増しています。そこでレジストグラフというドイツ製の器械を用い径3mmのキリを貫入してその抵抗値(2種類)で判定しました。報告書は後日UP予定。
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一目千本桜 後継樹育成へ あの円形は何? (2022年7月1日UP)
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皆さんはお気づきでしょうか?
白石川堤の桜並木の中で黄色い土が円形に盛られている所があります。前に河川法の改正で現在の位置に植栽ができなくなっており将来歯抜けになる話をしました(大河原町の広報「尾形政幸先生の花は桜木(第10回)」参照)。そこで存続が危ぶまれる株の中から今回12株を選定し「「萌芽更新(ほうがこうしん)」を行うこととしました。萌芽更新とは樹木の伐採後、残された切り株の休眠芽の生育を期待して森林の再生を図る方法でナラやクヌギなどでよく用いられます。 この方法なら植える行為には当たりませんが、特別古い樹ということでリスクもあります。そこで切るのを後にして「孫生え(ひこばえ)」に着目しました。孫生えとは根元の表面に露出している部分から出る枝を言い、普通は切除される運命ですが、これを3年位かけて発根、成長させ親木と独立させようというものです。 作業は5月24日にスタートしました。まず、樹木と孫生えを径2mサイズの円形枠で囲み、次に近くの土場から複数の課の皆さんの協力で山土を運び盛土しました。茎のところに土をかぶせる方法は発根法の1つとして広く用いられ、「取り木」という手法にも属します。 なお、根の発達は微生物によるところも大きいため土壌改良剤としてバーク堆肥、木炭、化成肥料、石灰を混合しています。(堆肥は微生物を介し植物ホルモンのオーキシンを発根促進にちょうど良い濃度で生産します。また、堆肥を入れると肥効は遅効きになるのが普通ですが、石灰を入れることで細菌が活躍し窒素分が効きやすくなります。) 残念なところでは来年の植樹百年を前に今年だけでも3本が枯死しています。ウメノキゴケ(地衣類の一種)が樹の表面を覆い、樹勢のバロメーター的存在の孫生えもまったく見当たりませんでした。このような株を萌芽更新するには、その前段階として応急処置が必要なようです。


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