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ナイキ厚底騒動:本当に闘っているのはナイキだけだ

ナイキ厚底シューズ騒動、今更と思いつつ書いてみる。私はあの騒動で、断然ナイキファンになってしまったが。なぜならば、

本当に闘ってっているシューズメーカーはナイキだけ、だと思ったからだ。

最初に今回の顛末(必要なとこだけ)

キプチョゲが非公式ながらフルマラソンで2時間を切ったとき、プロトタイプと思しき厚底シューズを履いていた。大体同じタイミングで、カーボンプレートを3枚使ったシューズのコンセプトが出回る。

さすがにやり過ぎじゃないかとの声が増え、国際陸連が規制に乗り出す。規制の内容は以下のようなものだ。

1. 靴底の厚さは40ミリを超えてはダメ
2. 反発性を高めるためにプレート2枚以上はダメ
3. 4カ月以上前に市販されてないとダメ
4. 基本的に特注品はダメ

これを見てすぐさま思った。
「ナイキ、やりおったな。」

ナイキは勝利だけを見て闘った

※これ、私の想像が大半を占めますが、自分の経営者としての経験から、大方間違ってないと思います。

まず規制の全体について、ナイキの意向が十分反映されたと思う。

え?それ不公平じゃないかって?
陸連、買収されたのかって?

半分正解だろうが、もう少し複雑だ。

まず、この騒動以前からナイキは国際陸連との交渉ルートを公式、非公式両方ともしっかり作っていただろう。そして今回もしっかり“交渉した”。主に非公式のルートで。

「厚底そのもの禁止にしたら賠償請求するよ(アメリカ企業の訴訟が恐ろしいの知ってるよね?)」
「厚さをある程度制限するのは譲ろう」
「プレートの枚数制限するのは困る。訴訟だ。ただしこちらの要望をのむなら考える」
「要望?プロトタイプとカスタムを禁止してくれ。(日本のメーカーとか困らせるためにな)」
「あからさま過ぎるって?心配ない、ナイキのプロトタイプに過剰反応した風にしとけ」

しかも良い条件(プロトタイプとカスタムの禁止)を引き出すのに使った“プレートの枚数”も、3枚のコンセプトはブラフで、発表された商品はちゃっかり1枚プレートだった。

ルール違反じゃないかって?

じゃあ国際陸連のルールブックを見てみると良い。「規制に関する交渉は禁止」って書いてあるか。

訴訟をほのめかして脅すなんて許せない?

あなたに許される必要がどこにある。
それに、許さないと言うなら脅した証拠を持ってるんだよね?

(最初に書いた通り詳細は私の想像なので、この記事でナイキや国際陸連に抗議とかしないように…)

勝利は闘って掴むもの?清く進めば自ずと手に入るもの?

事実ならナイキが嫌いになった人もいるだろう。

でも、本気で勝ちたくて競技をやっている人間だったら、そのパートナーがなりふり構わず本気で勝利を掴もうとしていたなら、なんと頼もしいことだろう。

自分も闘おうという力が湧き上がってくるようだろう。

よく、アメリカやヨーロッパなどは「勝利は闘って掴むものだ」と考え、日本は「清く正しく進めば自ずと勝利は手に入る」と考える、というように言われる。

ビジネスやスポーツの世界では日本でも“闘う”という人が増えている気がするが、まだまだ甘い(私もそうなんですが…)。

全体的には闘っているつもりでも、
「ここは正々堂々と行こう」
「これはオレのポリシーに反するからやめよう」
などと勝つこと以外の方向に行ってしまう。

JUST DO IT!!

ナイキの「JUST DO IT」というキャッチコピーは、直訳すると

「ただやるのみ」

みたいな感じだと思うのだが、本当のニュアンスは

勝利のみを成せ

だと思うのです。


余談だが、ナイキは短距離スパイクまで厚底にしてきた。

Viper「ガラガラ蛇」という名前で、その名の通りイカツイ。

画像1

https://news.nike.com/footwear/air-zoom-viperfly

カッコイイ。欲しい。でも高そうだなぁ…。

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