効率化より単純化・マニュアル化を

パートさんの穴をどう補うか

我が家も多くはないですが、社員やパート、アルバイトなどを雇用する機会があります。

我が家では10年以上、農作業や出荷のお手伝いをしてくれていたパートのおばさんがいたのですが、昨年末で引退してしまいました。

農家出身で農作業の経験もあり、「〇〇やっといて」と言えば、具体的な作業の説明をしなくても

効率的より単純化

その中で最近重要に思えるのは「作業の効率化よりもどうやったら作業の単純化・マニュアル化ができるか」と言うことです。

効率化とは?

自分一人(もしくは家族)で作業をする上で、作業量が多くさばききれないのであれば、いかに効率的に作業を進めるか、と言うことにこだわっていく必要があります。

例えば、出荷作業であれば、注文を受けて受注入力をして伝票を印刷して梱包して…と言う作業を、受注1件ずつ処理するのではなく、その日の分の受注入力は一気に終わらせてしまい、その後全件印刷、そして全件一気に出荷作業、と言う方が効率的に作業できると思います。(商品や出荷形態に寄りますが)

もしくは野菜などの収穫であれば、収穫しながらサイズや規格ごとに最初からわけていく、商品にならないものは収穫しながらその場で廃棄していく、と言うような作業になるのかもしれません。

効率化はある程度の経験が求められる

これらの工夫により今までよりも効率的に仕事ができるようになります。

ただ一方で、まとめて出荷作業をすると他の荷物と間違ってミスが起こりやすくなってしまったり、収穫であればあまり経験がないとどの規格にすればいいのかを一個ずつ確認することでかえって手間が増えてしまうかもしれません。

従って、効率化の前提にはある程度の経験や知識があることが必要となってきます。

従って、ある程度慣れていたり、経験があることでミスが起こりやすい点を理解してそこを注意しながらやれることで、効率的に作業が進められるとも言えます。

1人作業の効率化では限界が来る

と言うことで家族だけでの経営でギリギリ成り立っているのであれば、効率化を進めることで、家族の負担が減ることにつながりますが、一方で、そもそも家族だけでは回らず、パートさんなども入れているとなると、また事情が変わってきます。

常に経験値の高いスタッフを確保できるか

上にも書いた通り、ある程度の経験や知識、もしくは経験や知識がなくとも要領の良い人がいれば、効率化された仕事もうまく回せます。

しかし、昨今の人材不足の時代にうまくそのような人材を見つけられるかわかりませんし、特に農業のような季節変動の激しい場合には同じ人を通年雇用するのが難しく、必要な時に人を集めることで、常に経験値の高い人材を確保できるとは限りません。

その結果、経験値の低い人材に効率化したやり方を求めることになるとミスが増えます。

効率化よりも単純化

そこで、最近心がけているのは、効率化よりも単純化です。

いかに単純化し、マニュアル化できるか、と言う点を重視しています。

経験値の高い人や要領のいい人が一人でできる仕事のやり方を追求するよりは、倍の人数がかかってもいいので誰でもできるやり方です。

単純に箱を組み立てるだけ、ピッキングリストの通り商品を入れるだけ、段ボールの蓋を閉じて伝票を貼るだけ、といったようにすべての作業を細分化していきます。
収穫などの作業なら、野菜を切ってカゴに入れる、決められた規格のサイズにあわせて選別をする、などを別々に。

そうすれば、経験の少ないパートさんでもミスが少なく、作業が進められるはずです。

当然、仕事全体を見ると、単純化できない作業、イレギュラーな作業も発生するわけですが、そこあたりは経験者(雇用主や家族)が対応すれば、全体としては無理なく回すことができるのではないかと思っていますし、そういった単純化・マニュアル化できないことをしっかりやるためにも、単純化できるところは切り離して任せるのが重要ではないかと思います。

まとめ

秋田ではパート代は時給850円~900円程度が相場です。

経験値が高い人や要領の良い人でも倍の1800円も払うことはないでしょうから、せいぜい1000-1200円ぐらいで経験者が採用できるのであれば、本当は経験者を見つけた方がコストは安くなります。

ただ実際には、経験者をうまく見つけて採用できるか、こちらが来て欲しい時に常に働きに来てくれるか、長く働いてくれるか、などを考えると、なかなか難しいのが実情です。

そう考えると、仮に人件費としてはトータルで高くなろうとも、経験がなくても仕事を回していける環境を作ることが重要なのではないか、と考えています。

補足:社員教育を放棄しているわけではありません

補足ですが、社員として採用して経験を積むことで様々なことをしてもらうことを望んでないわけでもないですし、そのような社員教育を放棄しているつもりはありません。

ただ、どうしても季節による作業量に変動が大きな農業においては、すべてのスタッフを通年雇用することは難しいので、そういったところをいかに補うか、と言うことについてのお話です。

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