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「めまぐるしく変化する無数の輝き」

ネルヴァル「オーレリア」(稲生永訳。中央公論社の「新集 世界の文学」第8巻『ネルヴァル ボードレール』1970、207~285ページ)。214ページ、「――人間が、空中を苦しげに飛び、まるで厚い雲の中でもがいているようであった。」「一瞬私はその姿を凝視した。」その人は「真紅に彩られ、その両の翼は、めまぐるしく変化する無数の輝きを帯びていた。古代襞〔1字ルビ ひだ〕のついた長い衣を身にまとったこの人物には、アルブレヒト・デューラーの『憂愁〔2字ルビ メランコリア〕』に描かれた天使を思わせるものがあった。――」アルブレヒト・デューラーについては訳注があって、「ドイツの画家、版画家(1471~1528)。彗星を描いた『憂愁』という銅版画」云々、279ページ。

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