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フランシス・ラッセル『デューラー』(坂崎乙郎 日本語版監修、タイム ライフ ブックス、「巨匠の世界」、1973)。最初の文(7ページ)が「小さなたんぽぽはしっかりと花弁を閉じ、葉はまだ朝の冷気でしめっているのをみると、その草むらは日の出のころに掘られたにちがいない。」そして同じページ、植物の名前が「おおばこの肉の厚い葉、こなすび類、うずくまった羽毛のようなのこぎり草の若芽もある。」「ながは草、かもがや、とがったヒースの穂」。美術の本であって、そして図鑑である(のではないだろうか)。そして同じページ、「画面の生きいきした様子は、1503年のその朝、アルブレヒト・デューラーが大地を掘りおこし、この茂みを家に持ち帰って水彩でスケッチしたときと少しも変わっていない。」朝、はじまる本である。ここで言われている絵『大きな草むら』は32ページで、見ることができる。33ページに、この絵についての説明、「草むらの中の個々の植物は、はっきりと見わけられ、植物学者も利用できるほど正確に描かれている。」

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