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【毎日投稿】『100日目に死んだワニ』の失敗から学ぶ、大人達が”eスポーツ”を”胡散臭く”しない方法【3分記事】

最近ずっと僕は仕事柄、どうしてeスポーツが面白くないのか?を日々考えています。個人的な考えではありますが、今のeスポーツ最大の課題は「認知度が低い」「法律の整備」「ルールが分かり辛い」ではなく。コンテンツとして「つまらない」「時間やお金を使うに値しない」ことが課題だと思っています。ゲームは面白いけどeスポーツは面白くない。その境界は何なのか?を日々の仕事を通して思考を廻らせています。

僕もプライベートでよくゲームをしますが、正直、プライベートの時間でゲームの試合を観戦したいとは全く思いません。可処分時間は全てNetflixやディズニープラスに消えていきます。ゲームは好きだけど、eスポーツは好きじゃない。この捻じれと向き合うのが今の僕の興味でもあります。

現状の日本のeスポーツはエンタメとしての楽しさや熱狂よりも、制度作りやマネタイズといった、大人の匂いが先行している点も課題の1つでしょう。かのプロゲーマー梅原大吾氏も、「自分たちはずっとゲームだと思っていたのに、いきなり知らない人たちから『おれたちeスポーツだよなぁ?』って肩を組まれた印象がある」と発言されていました。

そもそも、本当に大人の匂いがすることは良くない事なのでしょうか。どちらかというと、コンテンツの成長過程には、大人の匂いが介在して良いタイミングとお作法があるように思えます。今回はその糸口を探るべく、大人の匂いがした瞬間に①死んだor②残ったor③変わったコンテンツについて、過去の事例に習うことにしました。

①死んだコンテンツ:”ワニ”と”バルス!”

2020年、あれだけSNS上で皆が熱狂した『100日目に死んだワニ』は100日目に電通の名前が出ると一気に冷め上がりました。スタジオジブリの映画『ラピュタ』名シーンから産まれたネット発祥のミーム「バルス!」は、テレビ局側が「バルス祭りまであと○○秒!」と銘打った途端に皆が興ざめしたのを感じました。どうやら、どうやらユーザーたちが少しずつ育ててきたコンテンツに突然、大人の匂いがした瞬間、そのコンテンツが死ぬのは良くあることのようです。

②文化になった?コンテンツ:タピオカ

タピオカもテレビ番組が取り上げ始めた瞬間が、ブームの終わりの始まりでした。ただしタピオカの場合は、店舗数は激減したものの、適正な店舗数に落ち着き、特に夏場は若年層を中心にポータブルドリンクとして根付いたともいえます。死んだコンテンツというよりも、ブーム期を経て、文化となったともいえるのかもしれません。

③楽しみ方が変わった?コンテンツ:初音ミク

いまの『初音ミク』は強烈なIPとして全世界で親しまれるコンテンツですが、当時のニコ動時代のボカロ文化を楽しんでしたユーザーにとって、いまの『初音ミク』は当時と同じ楽しみ方ができるものではありません。当時の『初音ミク』は、自分たちがコンテンツを育てている自分たちがボカロがバズる物語の渦中にいるという体験が得られました。いまの『初音ミク』はもう育ち切ったコンテンツであり、自分たちの物語が介入する余地はありません。懐メロのひとつに組み込まれ、初音ミクの扱いはピカチュウのようなものです。これはもう別モノになったと言えるでしょう。初音ミクの場合は、コンテンツが死んだというよりも、楽しみ方が変わり、もともとのファンが減り、新しいファンがついたパターンのようです。

おわりに

そもそも大人の匂いの正体とは何でしょう?興行化、マネタイズ化、プラットフォーム化、管理、公式化、統治、制約、予定調和、スポンサー、広告、ビジネス、、、、。まだまだ答えは出ませんが、映画やドラマ、大人の匂いがガンガン立ち込めるコンテンツにも面白いものはたくさんあります。コンテンツと大人の匂いは絶対に相容れないものでは無いようです。その”香り”が、コンテンツに難なく馴染むタイミングとは、大体どの辺りの時期が適切なのでしょうか。そんなことを、これからも考えながら仕事をしていきたいです。


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