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バンタンのソロアルバムを振り返る

(注: これはナムさんの第二弾ソロが出る前に書いたちょい古め記事です。細かく言うとテテソロまで書いたところでやめてそのまま放置してしまい、先ほどグクソロについて加筆し公開した次第です)

本当はジンくんのソロアルバムが出た後にこういった振り返り記事を書きたかったのですが、まさかのソロ2周目が始まりそうな雰囲気を感じ、ジンくん除隊前ではありますが、2022年から始まったバンタンソロ活を敢えて今この時期に振り返っていきたいと思います。なお、私にとって「ソロ活」とは「ソロアルバム発表」を意味するので、ジンくんのソロはまだであるという前提で話を進めます。悪しからず。

j-hope “Jack in the Box”

発表はバンタン会食でグループ活動休止を表明した翌月の2022年7月。会食ショックを引きずる人もまだちょこちょこいたこの時期に私たちの脳天をガツンと一撃した記念すべき「バンタンチャプター2」のキックオフアルバムである。

KAWSコラボの素敵すぎるアートワーク

BTSにおけるダンスリーダーで明るめヒップホップラッパーであるj-hope。2018年に発表したミックステープ”Hope World”はまさにみんなが知っているj-hope的作品だったし、Becky-GとコラボしたChicken Noodle Soupも同様であった。がしかし、Jack in the Boxの蓋を開けてみましたら、なんとびっくり、ジャンルはオルタナティブ!ダンス曲なし!という衝撃。「好き」のパワーでみんな案外すんなり受け入れていましたが、冷静に考えてみればスケールのデカい猫騙し的大事件とも思えます。世界中に数多いるアミの中にはこのアルバムのサウンドが苦手な方もいらっしゃったでしょう。がしかし、以前にも書きましたが、BTSとは全く異なる世界観を見せたこのアルバムが会食後最初のアルバムで本当に良かったな、と私は今も強く強く思っております。

そしてj-hope自身にとっても、ファーストソロアルバム(※実際には既にミックステープが1枚あるが、あれは私の中でインディーズ作品的なポジションと思っている)がこのように革新的だったことは彼の今後のキャリアを予言するようで大変良かったと思っている。すなわち、j-hopeは何か一つの枠に収めることはできないアーティストなのである、という予言。収録曲”Future”で「川の流れに逆らう鮭にはなれない」「ただ流れるままに行ってみよう」と歌ったように、彼にはこれからもその時々の自分の感性を信じて自由に心の赴くままに音楽を楽しんでいってほしいと願っている。行雲流水。

RM “Indigo”

釜山コンを終え、ジンくんの入隊が発表され、ジンくんのソロ曲”The Astronaut”を経て、アミたちが近づくその日を寂しさMAXで耐えていた2022年12月に発表されたRMのソロアルバム”Indigo”。

アートを愛する男自身がまさにアート

個人的にその頃はジンくんの入隊が間近に迫っている寂しさとMAMA終了後の「ああ、次はホビだ...」というネガティブマインドが私を占拠していたため、RMのソロ発表をお祭り気分で楽しみ祝うことができなかったのが今となっては悔やまれる。がしかし、そんなダメな私を癒してくれたのがこのアルバムでもあった。

私は常々ナムジュンやユンギに私が抱えるこの世への怒りみたいなものを代弁してほしい、みたいな甘えた考えを持っている女なのであるが、このIndigoはそんな甘えた期待には反しとても内省的な作品であった。でも結論、それがRMソロの良さなのである。キムナムジュンというアーティストの芸術性の真髄なのである。私小説を書くように自分の心に正直に向き合って丁寧にソロ作品を紡いでいくキムナムジュンという賢明な一人の男性の声を、私はずっと、お婆さんになるまで聞き続けたいと願っている。何十年経っても光り輝く作品とは、一貫して自分を見つめ続け正直に生み出された作品だと、私は思う。そして収録曲”Change pt.2”にあるように万物は変化するもの。作品ごとに彼の考え方感じ方が変わるのは当然のことで、そのことこそが美しいのである。万物流転、諸行無常。

Jimin “FACE”

j-hopeの入隊が刻一刻と迫る2023年3月末に発表されたのがJiminの”FACE”。ミックステープという形ながら数年前からソロアルバムを出していたラップラインに対し、ボーカルラインはこれまで単発でソロ曲を出すだけだったので、これは記念すべきボカラソロアルバム第一弾である。

数多ある彼の魅力要素を全封印したジャケット

当時、ホビの入隊を目前に私の精神状態はあまりよろしくなかった。落ち込んでいる、というよりは、妙に強がっている、みたいな状態。いや、簡潔に言えば、いじけていた。なので、常々ジミンのソロアルバムを欲しい欲しいと思っていた割には心の底から楽しみ祝うことができなかった。ごめんね。

ジミンのソロアルバム、いや、より細かく言えば先行シングル”Set Me Free Pt.2”から始まるこのソロ企画は私が長年夢見ていた「ジミンソロ」とは真逆の世界観だった。好き嫌いとかそういうことではなく、なんというのかな、ジミンという彼氏から「プレゼントあるよ」と言われてティファニーを期待していたらクロムハーツだった、みたいな驚き。私の想像よりだいぶダークでゴツゴツした作品だった。

また、収録曲が6曲(+1)というのもそこそこに衝撃だった。「もっと聴きたい!」と私は思った。いや、正直なところ「おいPdogg、もっと曲作れるだろ!出し惜しみするなよ!」と思った(忙しいPdoggさんごめんなさい)。なんなら「もしや来月2枚目出すとかそんな感じ?」とか期待した。が、そのソワソワは杞憂に終わった。

聴けば聴くほど「ジミン、こういう感じのアルバムを作りたかったんだね(ウルウル)」な尊い感情が生まれた。"Alone"なんて、もう、ジミンペンこれ聴いたらどーなんの!?(語彙力喪失)とか思ってみたりして(Aloneすごく好き)。だがしかし、私はどうしてもジミンに「もっともっと」と多くを望んでしまう習性がある女なのである。推しを除けばバンタンで一番好きな歌声のジミンの世界を、もっともっと私は見たい聴きたい溺れたい!そしてできれば次のプレゼントはティファニーを希望!待ってる!

Agust D “D-DAY”

愛しのホビが入隊した数日後に発売されたAgust Dの”D-DAY”(2023.4)。Agust D名義で出したアルバムとしてはこれで3枚目である。

アイドルみゼロ、そこがいい

てか、もう3枚目なのである。他のメンバーに比べて遥かに余裕が感じられるのである。絶対的安心感。間違いない!のやつ。もうすでにどっしりと、BTSのSUGAではないソロAgust Dとしての世界観は確立していて、だから私がどーのこーのと論じる隙がない。

Agust D三部作の最後を飾るアルバム、という位置付けの本作品。私はこれまでの作品が三部作の1と2だという風に認識していなかったのですが(皆さんはしていたの?)、このアルバム発表時にユンギがそう言っているのを見て何か感慨深いものを感じました。「一つの歴史が終わる...」と。というのも、バンタンやユンギの「煽る系」ラップとその歌詞、私大好きなんですけれども、Dynamiteを経たBTSにとっては正直ちょっと古いというか、あくまでもバンタンの過去の1ページとして味わうものというか、今現在の彼らが叫びたいことではないんじゃないかな〜というのを感じていたので、天才ミンユンギはChapter.2を経て新たな世界観で、新たな自己内省と問題提起で、私たちを再び痺れさせてくれるのだろうと今後に期待が高まるばかりです。なお、個人的には”AMYGDALA”という曲とそのMVがAgust Dの集大成だな、とか思っております。辛いMVなのであまり見たくないのだけど、あの曲を作りあれを撮ろうと思ったユンギさんを私は尊敬しております。

V “Layover”

5月にグクのソロシングル”SEVEN”を挟み、ホビペンである私も推し不在の時間に結構慣れて精神的に落ち着いてきていた2023年9月、世界待望Vのソロアルバムが発表された。

2023年ベストアルバムジャケット賞をあげたい

ミンヒジンがプロデュースするというニュースが入って以降はもう、このアルバムの成功は約束されたものだった言っても過言ではない。アルバム自体も素晴らしいのだが、とにかくPRが素晴らしすぎたというのが私の印象だ。アルバムのアートワークとかコンセプトも良かったし、曲数が少ないのを逆手に取って全部にMV作るというアイディアも良かったし、なによりも「ガツガツ売ってやろうじゃないの!」みたいな野暮な企画がゼロだった。ミンヒジン氏の先日の会見がある種答え合わせのようでしたが、この部分に関して(のみ)、私は完全にミンヒジン側にいます。前段ではわざわざ書かなかったけれど、ジミンから始まったバンタンソロのヨントン企画に私は疑問を持っていたので、途中に挟まれているテテがそれをやらなかったことに心で拍手を送っていました。(ヨントンが悪いわけではなく、アーティストの善意を利用して売上を上げようという会社の魂胆が気に入らない)

ジミンソロと同様に曲数が6曲で少ないのは不満ではあったが、その頃には私も賢くなってLayover+テテの過去単発ソロ曲を全部入れたプレイリストを作ってそれをリピートしまくっていた。そしてその耳心地の良いことと言ったら!2023年の晩夏〜秋はこのアルバムにめちゃくちゃお世話になった。私の暮らしの中に完全に溶け込んでいた。かなり癒された。ありがとうテテ。

JungKook “GOLDEN”

2023年11月発表。うちらの宝。いや韓国の宝。我らが黄金マンネのソロアルバム。ついに来た、本丸。みたいな心情。私は「準備万端だ!どこからでもかかってきやがれ!」な精神状態でグクソロを迎えることができた(改めてナムジミンユンギごめんなさい)。

なんてこと!と直視できないTシャツ

はっきり言ってグクのGOLDENはバンタン関連作品の中で最も「バンタンを聴いている気にならない」アルバムではないだろうか。声は紛れなく聴き慣れたウリマンネボイスなのだが、音楽性は完全にmade in USAで、ずっとループしていると途中「あれ?なんで私こんなの(洋楽)聴いてるんだっけ?」とすっとぼけたことを思っちゃう感じ。私はSEVENが出るまでは、グクは作曲に興味がある人だし実際にできる人だからホビのように自主制作するのではないか?と期待していたのだが、このアルバムは全く真逆の世界観だった。

ちなみに、先行シングルとして発売された3Dはファン界隈で物議を醸した。内容はここでは割愛するが、案外激しく長く怒る方も多くいらっしゃったためアルバム発売前は不穏な空気が流れていて私は彼のソロの行く末を少々心配していた。が、アルバム発売日、タイトル曲Standing Next to Youのあまりのカッコ良さに私のそんな心配はものの見事に吹き飛んだ。「行けジョングク!このまま突っ走れ!」と私は叫んだ(心で)。

いつもながら、私はジョングクという人の勇気と思い切りの良さと実力に「あっぱれ!」をあげたくてたまらない。そもそも人気があるBTSというグループにいる人のソロデビューで、大衆性を更にフルスロットルしちゃう感じはビヨンセのソロデビュー時を思い出させるくらい鮮烈でパワフルでワクワク感が半端なかった。こんなこと、並のアイドルには絶対にできない。何か少しでも足りないものがあれば、洋楽かぶれサウンドやマイケル風のダンスは「ださっ」となるはずなのに、ジョングクは見た目的にも、歌唱力的にも、カリスマ的にも、全くそうならない。そんなことをやってのけられるアジア人は多分彼唯一人だと思う。あっぱれ!!

※2024年6月26日現在、RMは2周目のアルバムを出し(←私のめちゃくちゃお気に入りで別途記事を書きたいくらい)、来月にはJiminも2周目のアルバムを出す。果たして私の期待するTiffany的なアルバムなのだろうか...。どちらにせよ、軍白期でありながら本当に忙しいARMYなのであった。

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