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天然記念物な人、キムテヒョン

言葉は安易に使いすぎると本来の意味を失ってしまう。例えば、「イケメン」というワードも、髪の毛をワックスで固めて小綺麗にしてたら割と簡単にそう呼ばれるし、「緊急事態宣言」ももはや夜8時以降に活発にしなければオッケーな措置を意味する言葉となってしまった。

「天然」も同じで、かく言う私も全然天然じゃないのに親しい人から(多分愛を込めて)「天然だよねー」とか言われたりするし、天然はモテると聞いて何故か天然を演出しようとする自称天然女子が増殖したり。でも「天然」は本来希少価値が高いものであり、本来の意味での「天然な人」というのも滅多に出会えないはずだと思う。じゃあ「天然な人」って例えば誰?と聞かれたならば私は真っ先にキムテヒョンをあげる。

キムテヒョンという人はまさしく天然の代表だと思う。何しろ、彼は多分いまだに自分の美貌に気付いていない。「世界で最もハンサムな男」の常連さんだけど、本人は「どうしてだろう...」と思っていそう。もしかすると目に何らかの欠陥があって、鏡に映る自分の姿がものすごい歪んで見えたりしてるのかも...なんて訝しんでしまうほど、とにかく瞳がピュアすぎるのである。「俺、イケメンだろ?」という雰囲気のポージングをする能力はあるけど、本当にそう思ってる雰囲気が、ない。(ごめんなさい、そう思ってるの私だけかな?)

実は私には天然な知人が一人いる。大学時代の友人で、それはそれはピュアな瞳をしていた。心も清く、太宰治が心の友達、時に奇想天外な発言をして周囲を驚かせ、演劇の真似事をやらされた時には「スタア誕生とはこのこと!」と全員が絶句するほどの役への入りこみぶり、でも実は嫌々やっていたから本番前日に私の部屋へ来て「本当は舞台になんて上がらず太宰を読んでいたい」と泣いていた...。そういえば彼女もAB型だったな...。

キムテヒョンは舞台の上と普段の姿のギャップがありすぎる。憑依体質なのではと思うほど、曲の世界観に己の全てを合わせてくる。どこかのインタビューで曲に入り込むことを努めてやっていると言っていたので、やっぱりそうなのか、すごいなと感心した記憶があるが、あれは努力したところでなかなかできることではないと思う。彼に備わった類まれな天然の能力ではないかな。

V(キムテヒョン)は低音のハスキーボイスでイケボ、とかよく言われている。全くその通りなんですが、もっとつっこんで言うと、彼の声は彼の身体の中を反響して出てきたありのままの飾らない音、という感じがある。低いけど淀みなく澄んでいる。そこが凄い魅力だ。あと、デビュー間もない頃の音程もリズムも微妙で荒削りな感じも彼そのものが出ている気がするし、「ランニンメン、ランニンメン、ランニンメン、ブラッ!」はVにしか出せない音だと思っている。ああ、Vの好きなパートがありすぎる。

キムテヒョンの素顔を映した映像は本当に尊く好きなものが多い。例えば、ホテルのベランダでバイオリンを弾く動画(ちなみにホソクが撮影している)。美しい景色+美貌+バイオリンという最高の組み合わせにあのきらきら星...そして最後の恥ずかしそうな笑顔。好きすぎる。楽器つながりで言うと、バラエティ番組でサックスを吹いた時のも好きだ。私は中学時代吹奏楽部でサックスを担当していたからわかるけど、あれは決してテレビで披露できるレベルではない。なのにあの大胆な姿。天然としか思えない。

先ほどの天然な知人の話に戻るが、彼女は気分の浮き沈みがとても激しかった。沈んだ時はなかなか面倒な人になってしまうため周りの人にも疎まれがちで、よく私が彼女の話を聞いたりなだめたり励ましたりの役割を担った(共同生活をしていたため無視できなかった)。私の言葉だけで復活することはなくとも、希望的な話をすると曇ってしまったガラス玉のような彼女の目がキラッと光る瞬間がある。面倒な友人だったが、その純粋さはとても好きだった。キムテヒョンにもその面倒さと純粋さが混ぜ合わさった危なっかしい魅力があって、私はそこにそこはかとない尊さを感じ、結論、大好きだ。

https://twitter.com/bts_twt/status/1212041488206577665?s=21

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