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BTSに沼るまでの話をだらだら書き綴る

防弾少年団というグループがいることは随分前から知っていた。「酷い名前をつけられたもんだ」が最初の印象。その後AMAでパフォーマンスしたと聞いて数回動画を見た時の印象は「大槻ケンヂに似てる人がいる」と「イケメンじゃないけど好きな感じの人がいる」で、そのふたりだけは判別がつくようになる。その後原爆Tシャツ事件があり、「好きな感じ」の人がTシャツ着ちゃった人で名前がジミンということを知る。徐々にBTSと呼ばれ人気が出てきた彼らが話題に上がれば「私はやらかしたジミンって子が好き」と言っていた。でも全メンバーそろそろ覚えたいなと思い、ファンが書いた彼らの紹介ページを開きながらMVを見るも、一人当たり名前が複数あるのと、やっと覚えたと満足して次のMVを見ると髪の色が違うし、そもそも動きが早すぎて目がついていかず激しく混乱、結果、別に全部覚えなくていいやと諦めた。この時の私の学びは、オーケン似のリーダーはラップモンスター、好きなジミン、イケメンが3人いて一番綺麗な顔が長男でジン、佐藤アツヒロ似がマンネ、もうひとりがV、その他が2人いる、だった。好きな歌があったのでAppleMusicで聴くこともあったが、長らくYouTubeは子供の独占物、開いてもかんあきかアンパンマンのおもちゃ動画しかおススメされないためそもそも開くことが嫌いであり、こんなに興味があるのにパフォーマンス動画を見ることはなかった。

2019年4月にMap of the Soulが発売されたとのニュースを聞いて、その日のうちにAppleMusicでダウンロードした。家でも車でも、子供の好きなディズニーやドラえもん、当時私が一番好きだったKingGnuの合間のお口直し的に聴いていた。なかなかいいじゃん、と高みから思っていた。でも耳心地が良すぎて声の違いにはあまり気付かなかった。

その年の年末頃にFNS歌謡祭にBTSが出るというので録画して見た。すごい、全然レベルが違う、と思った。それでもっとパフォーマンスを見てみたくなり、YouTubeを開いた。止まらなくなった。

YouTubeでBTSのパフォーマンス動画を見ると次々に新たな動画が自動再生された。全く判別はつかないがダンスが凄すぎて永遠に目が奪われて止まらない。ただただ見続けた。でもこの時、私の中に「何かに沼りたい」という欲求はゼロ、むしろ沼りたくなかった。目は奪われても気持ちは遠ざけたまま鑑賞し続けた。

翌朝、昨日見たBTSの歌が頭にずっと流れて止まらない...ああ、またその歌を見たい、その歌すごい好き、でもどうやって調べればいいだろう...検索できるかな...スマホを開き、こう入力した。「BTS なわとび ダンス」賢いGoogleはちゃんとMic Dropに導いてくれた。

数日YouTubeを見て曲のタイトルなどもわかってくる頃になると、7人の激しい動きにも目が慣れてきた。そして、いつも私の目を引く踊りをする人がいる。誰が誰だかわからず見てるのに、いつも気付くとひとりに視線が集中してしまう。しかもいつも同じ人物なのだ。名前はJ-hopeというらしい。あ、あのいつも笑い顔の人か。顔はあんまり好みじゃないけど、この人すごいいいな。

動画をひたすら見た後に音源を聴くと声の違いが顕著に感じられるようになった。音とともに振付と歌う人の顔が思い出される。そこであることに気付き驚いた。あの笑い顔のJ-hopeって人、あんな顔だけどすごい男っぽい声してる!

もうJ-hopeの沼に落ちたわね、とここまで読んだ方は思うかもしれない。でも私の気持ちは違った。なぜか私はどうしても沼に落ちたくなかった。BTSファン(ARMYと呼ぶことをこの頃知る)に出会った際に好きな曲と推しを言えたらいいなくらいの、適度に応援したい気持ちだった。YouTubeを開くと彼らの普段の姿がわかる動画が推薦されたが、私はあくまでも曲とパフォーマンスが好きなのでそういうのまでは見たくない、と頑固なまでに避けた。でも見れば見るほどJ-hopeに魅了され、本名と出身地とダンスリーダーと呼ばれてることも学び、私の推しはジミンとJ-hopeと決めた。

AppleMusicのBTSページでいろんな音源を聴き漁った。ジャズのようなムーディな曲とかもあって引き出しの多さにどんどん心を奪われた。好きな曲を集めてプレイリストを作った。その中に入れた2曲がソロ曲と知る。MAMAとSeesawだった。どんな歌詞だろう、とふと思い検索した。MAMAの歌詞で目が潤み、Seesawに度肝を抜かれた。それでその時私のお気に入りだったNot Todayの歌詞も調べた。

ボチャン。

沼に落とされた瞬間だった。

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