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インスタを始めてみた

インスタのアカウント自体はかなり前から閲覧用に持っていて、欲しい洋服を探す時なんかにたまに使っていた。バンタンがインスタを解禁したことで初めてフォローなどの機能を使うことになったのだけど、Twitterにやっと慣れた自分には未だに意味不明すぎて、推しがあんなにインスタやっているのにインスタを開くことを忘れがちでいつもTwitterで見慣れない画像を見つけては思い出しインスタアプリを開く、というような体たらくだった。

そんな私が、やってみたら少しは理解できるかも、と、韓国滞在中に実際に投稿を始めた。勿論フォロワーはゼロ。誰に向かって書いているのかわからないが、とりあえず自分の記録用、且つインスタを知るための勉強と思って数回投稿してみた。

【わかったこと】

●今まさにそこにいる時にそこの写真を上げる度胸が自分にない。フォロワーゼロなのだから怖がる必要もゼロなのだけど、なんとなく人に見られてる感覚があり、その場を離れてから投稿するのが自分の性に合っていると思った。はい、自意識過剰です。
インスタには自分のいる場所を書ける項目がある。それを使わなければ怖がる必要もなくなるのではあるが、私の性格上、そういう魅力的な項目を無視できないのである。だって場所の情報ある方が確実に便利じゃん?人から見た時にも(だからぁ、フォロワーいないんだってば)。

●ステキな景色が広がっていても写真に上手く撮れない。が、インスタは写真を上げる時にボタンひとつで加工?画像の雰囲気を変えることができる。それを使うとなんとなくインスタっぽい写真に仕上がるのだ。それを知った私は勿論写真を加工した。加工すると私の印象としての景色に画像を近づけられる。そして夢があるしこれから自分で旅の写真集を作る時にも役立ちそうだとインスタのおかげでいいことを知った(逆に言えば、インスタの写真なんてみんな加工なんだなとわかった)。

●投稿する時の➕ボタンを押すと以下が表示される。

「まとめ」とはなんぞや

もはや私が思っているインスタの投稿は頭に出てこないのだ。一番てっぺんにあるのは「リール」というもので、「投稿」が私の思っているインスタで「ストーリーズ」はあの24時間で消えるやつで、ってのはわかったけどその他がなんなのかわからない。そこで好奇心旺盛な私はリールとやらを作成してみた。リールとは動画を切り貼りして音楽をつけたり字幕を入れたりできる派手な投稿のことを言うらしい(この説明で合っているのかは不明)。
やってみてわかったことは、リールの方が反応がいい、ということ。知らない人たちから沢山いいねがついた。何故なのかはわからない…

●未だに解決できていないインスタの謎は、みんなどういう交流をしているのか、である。まず検索しづらい。私のやり方が間違っているのかもしれないが、例えばTwitterなら検索窓に「ホビ 帽子 帰国」とか入れれば欲しい情報やら画像やらそれにまつわる呟きが見られる。でもインスタはそうやって文字を複数入れて検索できない…よね?ハッシュタグでの検索になる…んだよね?(ごめん、まだ本当に何もわかってない)
よって、気の合うお友達とかを探す方法もわからない。ハッシュタグで探せということなのか?それって気が遠くなるんですけども…

●なんとなくではあるが、インスタは広告のるつぼ、なのではないだろうか。私を見て!うちのこの商品を見て!が8割だったりしないだろうか?真に日記的に使っている人はそもそも鍵をかけていて、後は全部自己PRという名の広告なのではなかろうか…TL(←インスタでもこう呼ぶのか?)には3投稿に1回くらいの頻度で広告が表示されるし(だから嫌い)、いいねしてくる人は多分自分を見てってやつだし(これnoteにもあてはまる。嫌い)、先ほど書いたリールは個人がCM作ってるようにすら見えてくる。広告嫌いなのに新手の広告のるつぼの中に身を投じたくない。

…と、そんな感じで、旅の中盤でインスタを上げるのに飽きてしまった。ちょっと間が空くと例えば数日前の写真をさっき行ってたみたいに上げるのはどうなんだろうとの疑問も残り結局やれずにいる。

しかしである。投稿したものを全消ししてまた通常通りの使い方に戻そうかなと考えていた私に事件が起きた。

家族親戚友人仲間で韓国のアンドンハフェマウル(安東河回村)に行った時のこと。

川に囲まれたような小さな村

本当に綺麗な集落で、私たち家族は朝食前に村を散策した。朝食後、泊まっていた韓屋でゆったり過ごす家族を尻目に私はまた散歩に出かけた。ひとりである。そして私はひとりが大好きなのである。「ひとりで大丈夫?」と聞かれたけど心ではガッツポーズを決めていた。

朝食後とは言えまだ早い時間ゆえ、外の観光客はまだおらず目の前の景色に誰もいないという優雅な時を過ごした。歩いていると綺麗な朝顔を見つけた。

こう見えて私は草花が好き。バンタンにハマる前は花屋や庭が私のSafety Zoneだった。私の目をとらえたその綺麗な朝顔の先に広い花園が広がっていた。門のところに「꽃밭(花園)」という看板が出ていたので私は中で花に水やりしている女性に「中を見てもいいですか?」と声をかけた。

彼女は私にどこから来たのか尋ね、日本だと答えると喜び日本に旅行に行った話なんかをしてくれた。そして「もし良かったらコーヒーでも飲んでいって」と言ってくれた。

小さくて可憐な花が沢山咲いていた
ドラマ「パチンコ」のロケ地に使われたとか

そうか、ここはカフェもやっているのか、と私は思い、花園を一通り見終えた後に「アイスアメリカーノはありますか?」と尋ねた。すると彼女は笑って「違うの。お店じゃないの。ただ私があなたに個人的にコーヒーをご馳走したいと言っているの」と言った。

古い韓屋の広い縁側みたいな場所(なんて呼ぶのかわからない。今の住居に例えるならウッドデッキ的な場所)に私はあがり、彼女は自分でローストしたというコーヒー豆を目の前で挽いてアイスコーヒーを淹れてくれた。それは、麦茶みたいに薄い韓国のアメリカーノに慣れ始めてしまっていた私にはとても美味しいちゃんとしたアメリカーノだった。

テーブルに座り横を見るとこんな景色

コーヒーを飲みながら色々おしゃべりした後、彼女は「インスタはやってる?」と尋ねた。私はまごまごしつつ「実はこの旅に来て始めたばかりです」と答えた。その時私はwifiを持ってくるのを忘れたためインスタを開けず、彼女から名刺のようなショップカードのようなものを貰った。彼女は「後で連絡してね」と言った。

こうして、アカウント名で確実にホビペンとわかる私のインスタは人との繋がりを得た。DMみたいな機能でLINEでやりとりするように交流した。やってて良かった。フォローしてる人を見られたら私がARMYであることが一目瞭然だがそれでもいいんだ。都合のいいことに投稿内容には一切バンタンの色がない。

そんないい思い出を作り私はソウルに着いた。

さて、前記事にも書いたがソウルで私はいつもお世話になっている美容師さんの所へ行った。私のパーマが終わる頃、私の斜め前に人形みたいな顔をした女の子が座った。インスタやプリクラなどで見かける加工をした顔みたいな女の子。目はまんまる、鼻はすーっと高く、唇はプリプリ。確かに凄く可愛い、けど歪すぎてなんか怖い。しかもその子は日本人だった。美容師に言葉が通じないと奥で待っているJOYに似たホスト風の男を呼び、彼に通訳をさせる。彼女を見た後に鏡に映る自分を見ると「いやー、なんだこのおばさんは」と思った。横にいる娘を見て「素朴だなぁ…まるでインスタ的じゃないわぁ」と思った。

人形みたいな日本人のことがなんとなく気になり、もしかしてインスタとかやってるんじゃないかと検索してみたけれど、先ほど書いたようにインスタの検索能力ゼロのためその野望は叶わなかった。が、彼女みたいな顔のインフルエンサーを沢山見つけた。みんな人形みたいな顔だった。私はこれまでそういうのは全部加工だと思ってたけど、その日、目の前ではっきりと人形みたいな顔をした人間(言い方すみません)を目撃したのだ。このインスタの中のあり得ない顔の人も加工じゃないのかもしれない。

そう思ったらやっぱりインスタが怖くなった。こんなの見ながら思春期過ごしたら…大丈夫か?と娘が心配になった。娘にはTwitterもインスタもやらせたくない(過保護)。でもインスタはいい出会いのきっかけ、名刺みたいなものなのかもしれないし…母悩む(気が早い)。

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