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2014年MAMAの記憶

2022年の12月は車内でほぼずっとRMのIndigoをかけていた。ある日夫はかかっているのがRMのソロと知って、途中でこんなことを言った。

「RMはあんまり特徴のないラッパーだね」

反射的に私の心はこう思った。
「はあ?何ですと?もう一度言ってみな?」
でも私はいい歳した大人ですので
「んー…」
とだけ、"ちょっと何言ってるかわかんないんですけど"、の声色で、言った(十分大人げない)。

すると夫は補足し始めた。

「例えばZICOはラッパーとして特徴があって面白い感じだけどRMはなんか普通じゃない?」

ああ、夫氏よ。そこでもし「j-hopeは声が個性的でRMは落ち着く感じだね」と言えば私は「うんうん、そうだね」と言ったのだけど…。ZICOとナムさんを比較されて負けず嫌いの私はこう返した。

「私は韓国のラッパーに詳しくはないけど、なんとなくG-Dragonみたいな人多過ぎない?ZICOもそんな感じ。でもナムさんは韓国の所謂ラッパーっぽくないラッパーなのが逆に普通じゃなくて良いと思ってるんだけどね」

ちなみにこのやりとりは全く喧嘩ではないのでご心配なきよう。

さて、私はこの会話をしながら過去の記憶が突然甦った。「この会話、前にもしたことある!」と昔を思い出した。それは2014年冬、夫婦で(テレビで)見たMAMA。あの日私たちは釜山にいて、一緒にMAMAを見ていたのだった。

Kポに大して興味ないうちの夫が他のチャンネルに浮気することなく始まりからずっとMAMAを見ていた理由は、彼が中学生の時から推しているソテジが珍しくその日のMAMAに出演を予定していたからで、私は授乳のために時々席を外したけどMAMAのほとんどを鑑賞した。

つまりあの日、私はこれを見ていたのだ。

新人ヒップホップアイドルであるBTSとBlockBを対決させるパフォーマンス。ちなみにこれ以外にもバンタンはBoy in Luvも披露していたみたいなのだがそっちのステージの記憶は一切ない。でもこのバトルを見た記憶は残っている。だから私とバンタンの出会いはこの日のこのパフォーマンスなんですね。

NEW GENERATION OF K-POPと題してこのコーナーは始まった。私たちは「BTS」も「BlockB」も知らなかったため、一体どんな子たちが出てくるのだろうとテレビを見つめた。

そして出てきたのがこちら。

あぁ、ユンギさん…ナムさんも…

わー。きらいー。って思った、正直。私はイキってる人が嫌いだから。こんな風にヒップホップ感を出してくる人は全部「俺は東京生まれHipHop育ち〜悪そな奴は大体友達〜🎵」分類にカテゴリーされてしまって、すなわち「私の趣味じゃない」烙印を押されてしまう。

そして画面にグループ名が表示されると夫が「わー」と低い声を出した。
「どした?」
「グループ名が방탄소년단だって。わー」
「おー」
※この「わー」とか「おー」が意味することは皆さんのご想像にお任せします。

「あ、ってことは防弾少年団?これから日本で(ブームが)くるって言ってたアイドルじゃない?」
「そうなの?」
「え?私パパから聞いたよ?」
「そうだっけ?」

こんな会話をしていました…。まさかその5年後(5年後!)こんなにハマってしまうなんてつゆ知らず…。

そしてBlockBが入場。

ZICOさんも若いですね

あー、もう。近頃のKポアイドルはみんなG-Dragon(GD)の真似すればいいとでも思ってるの?と、多分私は言葉に出して罵ったと思う。そして「みんな」と呼んだのはさっきのユンギを指していたと思う。つまり問題は全て"ファー"にある。あの頃GDも他のみんなもファーを身につけ過ぎていた…あぁ、韓国って流行ると右も左もみんな同じ格好するから…。

さて、動画を見ていただければわかりますが、この後まずダンス対決があり、バンタンからはホビとジミンが出ます。ただここの記憶は全くありません。多分ずっと「この子たち、イキってんな」と思いながら見ていました。「ふぅ、がんばってね…」って完全に外野気分で。

そしてその後。ZICO対Rap Monsterのラップ対決が始まった。さっきのイキってるファーコートの男がZICOだとわかると夫が「あー、これがZICOか」と反応した。夫でも名前だけは知ってるほどZICOはこの時からある程度認められていたらしい。で、ふたりのラップ対決が終わった時に夫は私に「どっちが良かった?」と聞いたのだ。私はこう答えた。

「このG-Dragonもどきは嫌い。こっちの赤い髪の人の方がマシ」

マシ…ナムさんに向かってマシ…ああ、過去の自分、ばかっ!!
でもね、時を超え、この8年後に私と夫は似たような会話をしたのである。なんか凄い。なんか面白い。私たち何も変わってない。

今となってはこのイキってるバンタンもとても良い。若さを感じるし、売れたい!勝ちたい!ってパワーを感じるし。でもこの時私は彼らの良さを見出せなかった。ただし、ZICOじゃなくRMを選んだ自分には、言葉選びに多少問題はあったけど「見る目あったな、よしよし」と褒めてあげたい。あ、ZICOさんをディスってる訳ではないですよ。ZICOさんも素晴らしいアーティストなんですが、自分の趣味が過去も今も一貫してるという意味での満足感です。

ちなみに、車内で先ほどのやりとりをした時からこれを記事にしようかと思っていたのですが結局やらず、じゃあ何故今頃になって書いたかと言うと、昨日テヤンがシュチタにて2014年のMAMAでのGood Boyのパフォーマンスを思い出深い舞台として挙げていたのを見て再び思い出したのです。私はBIGBANGのファンですがVIP(バンタンにおけるアミみたいなファンの呼称)ではなく、テヤンだけ大好きな完全なる音源ファン。VIPの人には言いづらいけどスンリがあまり好きじゃなかったのとBIGBANGと言えばGDみたいな空気感が気に入らず(拗らせたテヤンペン)ずっと遠巻き応援でして、だから私的2014年MAMAのベストモーメントはテヤンのソロ「눈 코 입」でした。なのでその動画を紹介してこの駄文を締めくくりたいと思います。長文失礼しました。

【追記】
これで締めるとか言ったくせにすみません。
どーしても追記したいことがあって。この日ソテジのステージを見ながら夫氏はソテジの25周年ソロが2017年に控えていることを認識していて、そのコンサートで誰か若いアーティストを参加させるという企画も予想していて、ふたりで一体誰が選ばれるんだろうねぇ、なんて話していたんです。ソテジがデビューした時の仲間がYGの社長(当時)だからやっぱりBIGBANGじゃない?とか言ってたんですがまさかのバンタンが選ばれたんですよね…しかも驚くべきは、バンタンが選ばれたと発表された時点で私の反応が「いやー、ソテジ良いところに目ぇ付けたね、さすが!」と2014年に全く知らなかった7人組を(夫氏には申し訳ないけど)ソテジより上に見ていたという事実。たった2年くらいでそんなに成長って凄いな…という感動を思い出しました。以上です。

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