兵役と出産

先日、ジンくんが兵役についたすぐ後くらいのことなんですが、私が夫と兵役の話をしていたら娘(小3)が「へいえきってなーにー?」と聞いてきたので簡単に説明し「韓国の男の人はみんな行かないといけないんだよ。偉いと思わない?」と言ったらまさかの答えが返ってきたのです。

「思わない。だって女は子供産む仕事があるから。毎月血も出るし」

「おい、アキレス腱、家庭でどんな教育してんだよ」というツッコミをされるのは覚悟の上で書きましたが、娘のこの答えに私は「うん、確かにその通りだね」と笑い、山田くんに座布団を持ってきてもらいたい気分になったのです。

そもそも私がバンタンの兵役に対してネガティブな感情を持っているのは主に以下三つの理由からだと自己分析しています。

①世界的に成功しキャリア的にも人間的にもまさに脂が乗っている時期に仕事を離れてしまい折角育まれたカリスマ性とかモチベーションなどが失われてしまうことへの「勿体ない」という感情と本人も悔しいだろうなぁという同情の気持ち

②シンプルに危険なことが多そうで不安

③右派が政権を握っている今この時期に彼らの入隊が彼らの意図しない方向で利用されてしまうことへの嫌悪感

ちなみに「会えなくなる」というのも勿論あるけど実はそれはさほどではない。なぜなら例えば彼らが「色々と吸収したいので一年半渡米して勉強してきます」と言った場合に私は今の感情を持たないと思われるから。

話を元に戻そう。
娘の言う通り、女は妊娠してから9ヶ月ちょっとはお腹に赤ちゃんを抱えてあらゆることに制限が課されるし(こういう時に「私は全然楽だったよ」とか言い出す女がこの世を改善の方向に向かわせないから困る)、出産自体は実のところ命の危険すらあるものだし、産んだ後は身体が思うように動かない、恥骨が痛い、授乳で寝不足、乳腺炎で苦しむなどなど妊娠期同様になかなかの不自由を強いられる。勿論人の手を借りて妊娠出産により仕事を離れる期間を最小限にすることもできるが、でも多分、その人たちだって見えないところでかなり苦労しているはずだろう。

勿論、出産は苦しんだ以上に可愛い我が子を抱きしめるという幸せがあり、兵役は「ちゃんと義務を果たしました」と言えるようになるとか山の中で数日サバイバルする術を学べたり絶対に解けない紐の結び方を覚えるとかくらいしかメリットがないように思われるので二つを比較するのは申し訳がないのだが、でも、バンタンが兵役で仕事を離れるのは、例えばバンタンがヨジャグルで「妊娠出産のためにおやすみします」となった場合と同様に理解することは可能だと思われるのだ。(ちょっと無茶すぎますかね?)

そう思うことにすれば、①の理由による心のモヤモヤは若干軽減される気がする。そして妊娠出産を経てビジュアル的に少し魅力が落ちて能力も多少落ちてしまった職場のあの人に対して少し優しい気持ちになれるのではないかな。そして出産経験のある女たちは改めて自分を誇りに思うことができるのではないかな。私は「女の幸せは子を産むことよ」なんて野暮なことは言わないがオンマな女とオンマじゃない女にはそれなりの差があるとは思っている。兵役に行った男と行かなかった男との差程度には。
ちなみに②に関して言えば、出産に際し第三者から過剰に心配されるのはぶっちゃけ迷惑でしかなく、出産なんて楽々だよとか言われるのも嫌だけど「命だけは…」なんて言われたら軽く激怒である(どんな日本語)。だから自分の経験を鑑みれば推しに対し②の心配はやめた方がいいことがわかる。

だから私は釜山コン後にバンタンが兵役に行くという知らせを受けた時よりも、彼らの兵役に対してネガティブ感情は噴出させずにいられている。あくまでも私個人の話ですが。

(但し③の問題は全く解決されないのでモヤモヤがなくなることはないし、やっぱりシンプルに会えないのは寂しいけどね)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?