あの「なんとも言えないさみしさ」はきっと娘が嫁いでいくときに似てる。

8月31日に「たくさんの商品を並べるよりも、ひとつひとつの商品をていねいにお売りしたい。」という思いからOf the Shopの直営店をはじめました。9月21日が、2日目の営業日でした。

直営店をはじめる前は、ポップアップショップレーベルとしてさまざまな場所でお洋服を取り扱わせていただいてきた。

1日にこれだけという、自分とか関わるひとたちが決めた予算があって、毎日の売り上げとたたかいながら服を「売ってきた。」

そのときは、街に数えきれないほどある服屋さんと同じように、たくさんの商品を並べていました。予算を達成するために、在庫はこれだけ用意「しないといけない。」


その時は自分の思いなんて関係なく、たくさん用意された在庫をひとつでもお売りして、参加してくださったブランドにお返ししないといけない。お店を続けるために、ひとつでもお売りしないといけない。予算を追いかけて、追い越さないといけない。「ていねいにお売りしたい」とか言いながら、やっぱり「服はたくさん売らないといけないもの」だったんです。


それが、直営店をはじめてからはじぶんも、ひとつひとつの商品のことを深く知ることができている。「ていねいにお売りする」ために、じぶんが一番そのブランドや商品について知っていないといけないからです。そして、これくらいの数なら、それができる。

ブランドや作り手のことはもちろん、洋服のこと、この商品のどこがじぶんは好きか、どういう人に着てほしいか、どう合わせたらもっとかわいく着ることができるか。それをどうご説明したら、うまく伝わるのか。たくさん考えます。

そうしていうちに、1着1着への愛着がどんどん湧いてきて、買っていただけたとき、なんとも言えないさみしさすら感じてしまうようになった。


愛しい服のことを知って、次の持ち主となるお客さんにどうこのブランドや商品のことを紹介すればうまく伝えることができるだろう。そんなことばかり考えていたら、不思議と売上のほうも勝手についてきてくれる。

そして、こんなめんどうなお店に協力してくださるひとたち、ビルの4階まで来てくれるお客さま。いつもありがとうございます。こっちはなんとか、うまくやっていけそうです。



「なんとも言えないさみしさ」は、きっと娘が嫁いでいくときに似てる。


そして、また近いうちにポップアップショップの出店もしたい。今なら、あの時とはまたちがった気持ちで服をお売りすることができる気がします。

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