【毎週月曜日更新】 流行との付き合いかた。「デザイナー」と流行りの距離感。


流行との付き合いかたには、それに乗るか、乗らないかの2種類ある。寒くなる季節にむかってあたらしい商品がお店にならびだす今ごろは、雑誌とかウェブのあちこちで「流行りのファッション」が紹介されます。

「ファッションを楽しむ」ということでいえば、流行に乗ることも、乗らないのも、どちらも正解。それを「自分で選ぶこと」がファッションを楽しむことなんだと思う。

でも、もっと言えば、流行りとは関係なく自分のなかで決まったワードローブがあって、そこに流行りを「味つけ」しているひとは、おしゃれだなぁと、いつも感心してしまいます。


デザイナーにも、流行りと付き合いながらデザインをするひとと、自分の考えとか気分を素直にデザインにするひとがいる。もちろん、その中間のひとも。Of the Shopで取り扱わせていただくようなブランドは、流行よりもブランドの考えや美意識を大切にしているひとたちが多い気がしていますが、たまに流行の「流れ」と、デザイナーの「気分」が、ぴったりはまったものが生まれることがある。

これは個人的な考えなんですが、デザイナーズブランドの定義は、経営者がデザイナーであることだと思ってる。

言いかえると、デザイナーがどういう商品を発売するのかをひとりで決める権利をもっていること。

そして、デザイナーという名のつく仕事をしているひとは、ミーハーなひとが多い。いや、むしろミーハーじゃないひとは、デザイナーにならないのかもしれない。当たり前のように流行りを吸収しながら暮らしてるから、こういう「ぴったり」がときたま起こる。

「ぴったりはまったもの」には、狙ってつくったものにはない引力があると思う。こういうことが起こるから、デザイナーブランドといわれるブランドが好きなんです。

偶然が生みだす感動には、狙ってつくる感動はかなわないんだなと、そういうものを見るたびに思う。


そんなことを、Of the Shopに並ぶ商品を見ながら、考えていました。

デザイナーと名のつく仕事をされているかたを、尊敬してやみません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?