【毎週月曜日更新】悪意じゃなく、愛情をもって「よくない」と言えるひとでありたい。


商品や作品について「いい」「よくない」と話すことは、だれでもよくすると思いますが

なかには「いい」の話はできても「よくない」の話ができないひとがいる。

きっと「いい」という話をするよりも「よくない」と言うのは勇気がいるし

ましてや、それを作ってる本人に話すのであれば、

カドが立ったような言いかたにとられてしまうかもしれない。

「いい」とは誰から見て「いい」のか、とか

それはお客さんが決めることだから、とか。

もっともらしいことを言ってはぐらかすことはできるのですが

ちゃんと「よくない」と伝えることは作り手にとっては

すごく意味のあることだと思う。

ものづくりの良し悪しには、「作り手だけの神聖な領域」のようなところがあるので

作り手や、専門家じゃないひとが作品をどうこう言うのは

ヤボだと思うかもしれないのですが

悪意じゃなく、愛情をもって、作品に対して「よくない」と伝えることは

「いい」と伝えることよりもそのひとのためになるんじゃないだろうか。


最近だと、だれでも自分がつくったものをSNSとかで発表できるようになったし

作品に対して、作り手に直接反応がかえってくるような

スタイルが一般的になりました。

特に、アマチュアや、趣味程度にやってるひとであれば

わざわざ「よくないところ」を伝えるよりも

たんに「いいね」を押しておけば

波風たたず、みんなが幸せになれるような気がします。


でも、それで作り手が自信をつけて、ある日突然

「これだけで生きていきます!」と仕事をやめてしまったりしたら

他人事とはいえ、心配になってしまいませんか。

もしかすると、それからちゃんと人気が出るのかもしれませんが

もし、「よくない」と心の中ではみんなが思ってるのに

「いいね」としか言ってもらえないのであれば

それはちょっと、そのひとのためにならないんじゃないかと思います。

そして、だれかが言う「よくない」っていうのは

たいがい的を射た意見なんですよね。


だから、もしまわりになにかを作ったり

表現したりしてるひとが周りにいたとして

それがあんまりしっくりこないところがあるのなら

悪意じゃなく、愛情をもって「よくない」とちゃんと伝えられるひとでありたい。

その言葉が、のちにそのひとを救うことにもなるかもしれません。

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