エリアコントロール序論
こんにちは、おふとんと申します。
普段は社会人として働きながら、シージのプロコーチ等の活動もしています。
今日はシージの攻めを決定する上で重要なエリアコントロールの基本の考え方とそれをもとにした攻めの決め方の話を書いていこうと思います。
1.シージにおける「攻め」について
シージにおいて攻め方は大きく分けると2種類あります。
・殲滅をゴールとする攻め
・プラントをゴールとする攻め
前者は一旦置いておいて、後者について深堀をすると、攻めのゴールをプラントとしたときに以下の条件がそろっていることが重要です。
・プラントを安全にできる環境づくり
・プラント後に敵の解除を阻止できる人員配置
これらの条件を整えるために重要な考え方がバイタルエリアコントロールです。
「バイタルエリアコントロール」は非常に重要かつたぶん僕しか使っていない用語なので、定義を確認させてください。
バイタルエリアコントロールとは
プラントを通すために必要十分なエリア(=バイタルエリア)に、敵がいない&敵が入ってきた場合でも即座に対応ができる状態が確保されている(=エリアコントロールができている)
ことを意味しています。
2.どの攻めを選択すべきか
1章で以下の点を確認しました。
・攻めには殲滅ゴール/プラントゴールの2種類があること
・プラントゴールの攻めではバイタルエリアコントロールが重要であること
ではこれらを踏まえて、結局どちらの攻め(殲滅orプラント)をチームとして選択すべきなのか?
個人的な考えとしては可能な限りプラントゴールを目指すべきだと思っています。(いわゆる「べき論」なので絶対的に正しいわけではないですが…)
その理由としてはプラントゴールのほうがリスクが少ないからです。
殲滅ゴールの場合、否が応でも撃ち合いが発生します。撃ち合いが強いプレイヤーに有利な環境を整えてあげても、どうしても撃ち負けてしまう事故は付き物で、それが起こると攻めが大きく崩れてしまいがちです。
一方でプラントゴールの場合はエリアコントロールを土台にしており、エリアコントロールは撃ち合いではなく、ガジェットとロックを軸に進めるので、撃ち合いに行く殲滅ゴールと比較するとリスクが低くなります。
ただ必ずしもプラントゴールの攻撃が最適解というわけではないです。
シージの攻めにおいては以下の3つの制約を意識する必要があります。
・時間的制約:3分の間にプラントor殲滅を完了する必要があります。
・ガジェット的制約:各オペレーターが持っているガジェットの数には限りがあります。
・配置的制約:通せる射線には限りがあります(最大5射線)
これらの制約の中で、プラントゴールの攻めをやるとなったときにその難易度(バイタルエリアの数やそのコントロール難易度)と自分たちのエリアコントロールを主体とした攻めの能力とで相談しつつ、難しければ殲滅ゴールの攻めに切り替えたほうが良いことも十分に考えられます。
3.エリアコントロールによる攻め方の例
2章では以下の点を確認しました。
・可能な限り殲滅ゴールよりプラントゴールの攻めをした方がいい
・攻めの難易度と自分たちの能力の兼ね合いで、殲滅ゴールの方が良い場合もある
この確認した事項について一度具体例を用いながら説明します。
3-1.プラントゴールの攻めが良い具体例
プラントゴールの攻めがしやすい例として、クラブハウスの監視・金庫の攻めを見てみましょう。
監視・金庫では画像の黄色のオブジェクトで示した設置場所にプラントするにあたってバイタルエリアは、監視室、ガレージ1階&2階の3か所になります。
各バイタルエリアは以下の手順でコントロールが可能です。
※話がややこしくなるのでアザミの存在を一旦無視します…
監視室:E側の壁(画像のオレンジ爆発)を割り、射線によるコントロールが可能
ガレージ1階:W側の壁を割り、射線によるコントロールが可能
ガレージ2階:射線により、画像①~④に敵を押し込み、フラグ等のガジェットによりコントロールが可能
この3つのバイタルエリアをコントロールすれば設置場所にプラントが可能になり、設置完了後にE側およびガレージからの射線によってデフューザーの解除を阻止することができます。
このようにバイタルエリアの数が少なく、それをコントロールするのに必要なガジェットがそこまで多くない場合、プラントゴールの攻めが難しくないのがわかると思います。
逆にこのボムで殲滅プランを選択してしまうと、金庫まで進み、サイト中を潰す必要が出てくるため非常にリスクが大きくなります。
3-2.プラントゴールの攻めが難しい具体例
プラントゴールの攻めが難しい例として、ヴィラの娯楽・飛行展示のN側からの攻めを見てみましょう。
画像で示した設置場所にプラントするにあたってバイタルエリアはピンクの線で囲んだエリアです。
※いわゆる「鉄扉プラント」の場合もバイタルエリアは同様です。
バイタルエリアは大きく以下の3つに分けることができます。
①設置場所がある飛行展示
②設置場所のN側(ベッド、彫像、記念品室、L字廊下etc)
③設置場所のS側(書斎)
①は当然なので飛ばしますが、②③について深堀すると先述の3つの制約との兼ね合いから純粋なプラントゴールの攻めが難しいことがわかります。
まず②はエリアとしてかなり広いですが、プラント後に敵の解除を阻止できる人員配置を達成するためにはエリアを広くとり、敵のリテイクルートを限定することが配置的制約の観点から必要になります。
しかしながら、当然広いエリアをコントロールする必要があるので、時間的制約との兼ね合いを考慮する必要があります。
③はバイタルエリアであることは言うまでもないですが、基本的に攻めが②のエリアをベースとしたものになります。②のコントロールに時間・ガジェットを多く割いてしまうと、時間的制約&ガジェット的制約から③のコントロールに必要な時間・ガジェットが不足してしまう可能性が高くなります。
このように純粋なエリアコントロールを軸とした攻めでは3つの制約から難しいため、エリアコントロールをしていく過程で敵の遊撃を仕留めきるようなプラント・殲滅のハイブリッドのような攻めやフラグ突き上げ等による完全な殲滅ゴールの攻めを行った方が良いケースが多いでしょう。
4.チームの攻めの決め方
ここまで書いてきたことを踏まえると、チームの攻めを決定する際には以下のステップが必要になります。
プラントゴールの攻めを想定し、バイタルエリアを特定する
3つの制約を考慮しながら、各バイタルエリアコントロールに必要な時間・ガジェット・人員の配分を最適化する
これまでのステップをもとにしたプラントゴールの攻めを遂行することが現実的かチームの能力を考慮しつつ判断する
現実的と判断すればプラントゴールの攻め、難しいと判断すれば殲滅ゴール等のほかのアプローチをとる
さて、以上がシージの攻めを決定する上で重要なエリアコントロールの考え方とそれをもとにした攻めの決め方の話になります。
なんとなく皆が分かっているけど、明確に言語化して考えている人は意外と少ないと思うので、このnoteをきっかけに改めてこの考え方に向き合う人が少しでもいれば何よりです。
今回初めてシージに関するnoteを書いてみたのですが、今後も需要があれば書いていこうと思うので、よかったらTwitter(@zabut0n_)のフォローとか何かしらのリアクションをしてくれると嬉しいです。
ではまた
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