Rogueから学ぶVC術 vol.2
こんにちは、おふとんです。
今回からサムネを少し凝ったものにしてみました。凝り性なもので。
さて今回はRogueから学ぶVC術の第二弾です。
この前書いたばっかりなのに、もう第二弾?という感じですが、実はEULのRogue vs G2の試合のVCのフルバージョンの動画がLeonGidsのyoutubeにチャンネルに上がっていたのです。(おそらくmajorが終わり公開OKになったのかな~と予想しています。)
前回の記事はRogue公式に上がっていたVC動画で、コンテンツ力の高い部分のVCだけを切り抜いたものだったのですが、今回はフルバージョンということで、前回のポイントごとに抜粋する形の記事ではなく、1ラウンド分のVCを時系列で全部取り上げて、解説していこうと思います。
注意事項として。。。
ところどころ重要でないVCは文章をスッキリさせるために省いています。
また名前をいちいち記載するのが面倒なので以下の表記でいきます。
LeonGids : L
Deapek : D
cryn : C
Spoit : S
Kanto : K
1.ドローンフェーズ
ボムサイトが地下であることを確定させたローグのVCがこちら
L "Let's go for a direct push."
(遊撃等に構わず)ボムサイトに直接攻めよう。
D "2 ADS in server stairs and they're playing there."
サーバー階段にADSが2個あって、サーバー階段守ってる。
L "Oh, they're playing there? let's do a lobby side push instead."
サーバー階段守ってるの?じゃあロビー側から攻めよう。
このVCのポイントとしては3点あります。
①大まかな方針の決定
地下ボムであるという情報を基に「直接ボムサイトを攻める」という提案ができています。これによりチーム全体のドローンフェーズ及びアクションフェーズにおける動きの目的が明確になります。
②方針を受けて追加情報の収集
Rogueが地下ボムサイトを直接攻めるときはサーバー側からのプッシュが多いので、Deapekがサーバーの情報を収集し、サーバー階段を堅く守っている情報を得ます。
③追加情報を受けて方針の修正
サーバー階段を堅く守っているという情報を受け、サーバー側から直接攻めるという方針を修正し、ロビー側から攻める方針に切り替えます。
最初に大まかな方針決定をLeonが行ったことで、残りのメンバーのドローン回しの目的が明確になり、サーバー階段の情報を取得とその後の方針の修正に繋がっています。
2.アクションフェーズ開始直後
アクションフェーズ開始直後にドローンの位置状況を確認し、置きドローンを整備するRogueのVCがこちら
L "Let me see where we got cams. I need a cam for Bernie, tellers, alpha."
今どこにドローンがあるか確認させて。バーニー(2階EV前)、受付、アルファ(1階EV前)に置きドローンが必要。
D "I'll do tellers."
受付にドローン置く。
S "I'll do alpha cam"
アルファにドローン置く。
~しばらくして~
D "I have Bernie."
バーニーにドローン置いた。
このVCの重要なポイントは攻めの方針の関係で必要な置きドローンを明確にし、すべての場所にドローンを置くことで、裏どりのリスクをケアすることです。
(可能であればドローンフェーズ中に済ませるのがベストですが、今回は時間がなかったので)アクションフェーズ開始直後に置きドローンを抜け漏れなく設置することで、ケアレスミスに起因する事故が発生することを防いでいます。
3.1階制圧フェーズ
地下のボムサイトを攻めるにあたって、まず1階を制圧するときのRogueのVCがこちら
S "Guys, I'm in archives. Where is this open guy?"
みんな、資料に入ったよ。空き部屋にいた敵はどこ?
L "Azami is in open."
アザミが空き部屋にいるね。
S "I can maybe kill her from admin."
管理からキルできるかも。
L "I can't drone her right now."
今はドローン流せない。
D "We don't have to kill her. We're just going elevator and front so be careful."
(ロビー側からの攻めなので空き部屋にいる)アザミを殺す必要はないよ。自分たちはエレベーターとロビー側からしか行かないから(もし空き部屋のアザミをキルしに行くなら)気を付けて。
L "Can someone come to alpha with me?"
誰か俺と一緒にアルファ来れる?
S "I can come alpha. What do you want me to do Leon?"
行けるよ。何してほしいの?
L "I just want you to hold my flank."
ただ(空き部屋側からの)詰めてくる敵を見ててほしい。
このVCの重要なポイントは2点あります。
①方針から外れる行為の管理
資料に入り、空き部屋にいる敵のピックを狙うSpoitに対して、ロビー側から地下を攻めるという方針上、キルを狙う必要はないことと、もしキルを狙うのであれば味方がコントロールしていないエリアになるため気を付けることを伝えています。
方針から外れた自由な動き自体は敵の予測外からのキルを狙えるため有効ではあるものの、当該エリアのコントロール状況や味方から受けられるサポートの度合い次第ではリスクが非常に大きい行為になります。
そこをしっかりと管理し、「行ってもOKだけどこれくらいのリスクがあるよ」というのを提示することで、無謀なチャレンジを避けることやキルを狙いに行った味方が思ったよりサポートがなく、倒されてしまうという状況を避けることが可能になります。
②全員のタスクが明確化されている状態を保つ
味方からのサポートがない状況で空き部屋の敵を倒しに行くことは難しいと感じたSpoitはLeonの提案に応じて、アルファに行くLeonのサポートに切り替えます。
最初にやろうとしていたことが難しい場合、プレイヤーのタスクは不明確になってしまいがちです。タスクが不明確になってしまうとそのプレイヤーを有効活用できなかったり、フラフラと動いて倒されてしまうリスクがあります。
自分のタスクが不明確になったと感じたSpoitがLeonの提案にのったことで、チームの人的リソースが有効活用できている状態を保つことが可能になるわけです。
4.現地囲い込みフェーズ
1階の制圧が完了した後に現地の囲い込みを行うRogueのVCがこちら
L "cryn, you can lurk tunnel."
Cryn、洞窟にラークしに行って。
※これだけ1階制圧フェーズと同時進行で行われています。
~しばらくして~
K "Do you think I should go garage?"
ガレージいった方がいいかな?
L "No, you're going to drop elevator."
いや、エレベーターのハッチ降りて。
C "I'm in tunnel already. I'm ready."
もう洞窟に入った。いつでも準備OK。
L "Deapek, you're going to Ying into vault."
Deapekは金庫にYingのガジェットを投げて。
L "Spoit, if you can take main stairs, go there."
Spoitは行けたらメイン階段行ってほしい。
S "Might be hard. I need a drone to take it."
難しそう。行くにはドローンが必要。
L "No you don't. Trust me you can go."
ドローン無しで行ける。信じてほしい。
S "There's one close."
一人近くにいる。
L "I can't drone it."
そこにドローンは回せない。
S "It's ok. I'm face checking it. I'm close main."
大丈夫。身体でクリアリングしてる。メイン階段0.5まで取った。
L "Azami left open."
アザミが空き部屋から現地に戻った。
D "I'm ready whenever you guys are."
準備できてる。
K "I'm ready to drop elevator."
いつでもエレベーターハッチ降りれる。
L "OK, Deapek, let's do a fake push. Throw your smokes and Ying."
OK、Deapekはフェイクのプッシュしてほしい。スモークとYingのガジェット投げて。
このVCの重要なポイントは最終プッシュの前に、チームの方針及び全員の配置とタスクを明確化し、それを5人が相互に把握できている状況をつくることです。
LeonのIGLを軸に最終プッシュ直前に以下のようにチームの方針及び全員の配置とタスクを明確化しています。
Cryn:洞窟からサーバーをプッシュ
Deapek:Yingのガジェットを使用し、金庫をプッシュ
Kanto:エレベーターハッチを降りて、スモークを使いつつGlazでプッシュ
Spoit:メイン階段をプッシュ
チームの方針:まずDeapekがフェイクプッシュを行った後に最終プッシュを行う
チームの方針及び全員の配置とタスクを明確化を声に出してすることで、チーム全体で最終プッシュの配置と段取りに関する共通認識が形成され、高い精度での連携をとることが可能になります。
5.現地プッシュフェーズ
Yingガジェットを使用したフェイクプッシュを行ったあと、最終プッシュのまとめあげを行うRogueのVCがこちら
D "They have a warden here."
ここ(ロビーハッチの下)にWardenがいる。
L "It's fine. They left open area so I'm going to go there. You are going to stay here Deapek."
大丈夫。敵が空き部屋から退いたから俺はそこに行く。Deapekはここに残って。
L "Are you guys ready? OK, 3, 2,1,go."
みんな準備OK?じゃあ行くよ。3,2,1,ゴー。
このVCの重要なポイントは作戦の変更を行うときに変更する点と変更しない点を明確にすることです。
相手の構成・配置等を受けて最終プッシュの変更をRogueは行いますが、このときLeonは自分の配置のみ変更し、残りはそのままにするということを明確にVCで伝えています。
最初の作戦のときに配置やタスクを明確化しても、このように敵の構成・配置等の要因を受けて変更する際にどこまでは変更してどこまではそのままなのかが不明確になってしまう場合があります。そうなると一部の選手は配置やタスクが曖昧になってしまい、選手間の認識の齟齬が発生する原因にもなります。
そういったことを避けるために変更する点と変更しない点を明確にすることが非常に重要になります。
いかがだったでしょうか。
プロのVC動画はときどき見るのですが、特にチーム全員の配置・タスクの明確化という観点でここまでクリアなVCをしているチームはなかなかいないと思います。そういった点で非常に参考になると思うので、ぜひこれを基に自分たちのVCのレベルをあげていっていただければと思います。
それではまた。
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