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【定期投稿】1分でゲーム理論.008/戦略形ゲーム/混合戦略

01.戦略形ゲーム

混合戦略

これまでは、一度戦略を決めれば必ず(確率1で)その戦略を行動していた。このような戦略を純戦略(pure strategy)という。しかしながら、均衡点が存在しない場合にはある確率分布に沿って行動することがある。そのような戦略を混合戦略(mixed strategy)と呼ぶ。以下の例を見てみよう。

混合戦略の具体例。

上の利得行列は、明らかに純戦略における均衡点は存在しない。しかし、この戦略形ゲームを混合拡大(mixed extension)することによって均衡点を求める。Player1, Player2が$${A}$$戦略をとる確率をそれぞれ$${p, q}$$とおく。そうするとPlayer1が$${A, B}$$戦略を選択した時の期待利得はそれぞれ以下のように計算される。

$${A:  q \times 1+(-1) \times (1-q)=2q-1}$$
$${B:  q \times (-1)+1 \times (1-q)=-2q+1}$$

★ポイント!
もし$${A, B}$$のどちらかの戦略の期待利得が高ければ、迷わずにそちらを選択するはずである。つまり、Player1にとって$${A, B}$$のどちらをとっても期待利得は変わらないことになる。(例えば、カレーライスとオムライスのどちらかで迷っているときは、カレーライスとオムライスのどちらを食べても同じくらい満足できると考えているだろうということである。因みに私は純粋戦略でオムライスを選択する。)以上から、

$${2q-1=-2q+1 \Leftrightarrow q= \dfrac{1}{2}}$$

となる。同様に計算すると$${p=\tfrac{1}{2}}$$も得ることが出来る。よってこの利得行列の均衡点は、「Player1は確率$${\tfrac{1}{2}}$$で戦略$${A}$$、確率$${\tfrac{1}{2}}$$で戦略$${B}$$、Player2も確率$${\tfrac{1}{2}}$$で戦略$${A}$$、確率$${\tfrac{1}{2}}$$で戦略$${B}$$を選択する。」ということになる。

解くときに覚えておいてほしいのは、片方プレイヤーの確率を出したいときには、もう片方のプレイヤーの期待利得を計算することである。

因みに私は大学の期末試験でこの計算を間違い、大きく点を落としてしまった。大反省。計算ミスは命取りなので気を付けよう。

明らかに1分じゃないな、これ。

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