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Paul Weller – Wake Up The Nation

2010年発表、10枚目のソロアルバム。全英2位。

前作でまたひとつキャリアの頂点を越えたウェラー。成功したスタイルをあっさり捨て去り、長いキャリアの中でも抜群にアグレッシヴなアルバムを完成させた。

元ジャムのベーシスト、ブルース・フォクストンとの共演も話題となった。ELOのベブ、ケビン・シールズらが参加。前作から出番が少なくなったスティーヴ・ホワイトはついに参加していない。これまでのウェラー独特のリズム感が放棄されたのは、このあたりに原因があるのかもしれない。

プロデュースは中期以降おなじみとなったサイモン・ダインで、全ての曲をポール・ウェラーと共作している。

父でマネージャーだったジョン・ウェラーが亡くなり、自身も50代を越え何か思うことが合ったのかもしれない。
アイデア一発、曲の整合感とかバランスとか無視したような曲が多く、バンドで揉んだ感じはない。また、長年ウェラーの特徴となっていたトラフィックやスモール・フェイセズといった先人たち、ビートルズの影響さえも表面的には感じることが難しい。
そうすると駄作か、となりそうだが、アグレッシヴなトーンで統一されウェラーとしての実験性に富んでおり面白い作品になっているのが流石だ。

前作に引き続き沢山の曲が収められているが、なかでもウェラーのボーカルとメロディが良い「No Tears To Cry」、スタジアムアンセム系の「Find The Torch, Burn The Plans」ケヴィン・シールズとのコラボ「7 & 3 Is The Strikers Name」が際立って良い。
ただ、曲が多すぎる感じがする。10曲ぐらいに絞れば印象が違っていたかも。

なぜかspotifyに入っていない、謎のアルバムでもある。


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