家族性大腸ポリポーシスの患者と家族の会「ハーモニー・ライン」の創立25周年記念総会に参加して
2023年6月3日に家族性大腸ポリポーシスの患者と家族の会であるハーモニー・ラインさんの『第49回 年初総会(創立25周年記念総会)』が兵庫県しあわせの村にて開催され、10名の遺伝カウンセラーが参加しました。
今回は総会の様子と、代表の土井悟さんにインタビューをさせていただきましたので紹介させてください。
1.総会の様子
25周年記念総会では、当事者の方々の体験や過去、現在の思いなどをじっくりと聴かせていただき、遺伝性疾患と診断された方々に対する長期的な支援の重要性について考えさせられました。
そして、今回は25周年記念ということで、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長の中村祐輔先生の「がんで命を落とさないために!」という講演もあり、私たち医療者も新たなことに挑戦しなければと、刺激をいただきました。
この会は、参加された当事者の方々が不安を少しでも軽減できるようにと、土井代表をはじめ、これまで運営に携わってこられたメンバーの方々の工夫や気配りを随所に感じることができます。困った時、悩んだ時のみならず、嬉しい時も思いを話せる、共有できる大切な場だと思いました。
2.土井悟代表へのインタビュー
総会の後、「25周年を迎えた今のお気持ち」と「遺伝カウンセラーへの期待」についてインタビューをさせていただきました。
―25周年を迎えて今のお気持ちをお聞かせ下さい。―
土井代表:
ハーモニ・ーラインの仲間と、医療関係者の方が支えてくれたので、ここまで25年間続けることができたと思います。当事者主体で会を続け、さらに医療者が支援してくれたおかげで続けることができました。
感謝しかありません。
私自身が病気とわかった時に、不安の中で過ごした経験から、病気と診断された方々が不安を経験しなくていいようにという思いでこの会を作りました。
会も堅く考えるとしんどくなると思いました。しんどいのは長く続かないと思ったので、宴会を主体で続けてきました。そのおかげで前向きな会になったと思っています。
宴会を大事にして、宿泊もする形で夜は参加者の皆さんでぶっちゃけトークを毎回しています。
―遺伝カウンセラーへの期待やニーズはありますか?―
土井代表:
今思うのは、遺伝カウンセラーとの協力がもの凄い大事だということです。
家族性大腸ポリポーシスと診断されたり、可能性があるとわかった時に、遺伝カウンセラーが当事者と家族のカウンセリングや支援をしてくれる。そういう形ができあがらないと、ただ「遺伝性の病気」と医師から言われても、その後の支援が得られない可能性があります。自分たちが診断された時は、そういう体制がなかったんですね。とても辛い思いをしました。
すべての病気において、当事者の不安をなくすことはものすごく大事ですし必要です。特に遺伝性の病気は患者だけじゃなくて、家族も精神的な負担が強いので、サポート体制ができるよう実現して欲しいと思います。
土井代表、ハーモニー・ラインの皆様、有難うございます。
益々のご発展をお祈り申し上げます!
ハーモニー・ラインさんHP