Roaming Jam

deweyは結成当時からライブ主体で活動してきました。
CDや配信などでいくつか作品を発表していますが、そのほとんどはライブのための楽曲と言っていいでしょう。
新曲を制作し、CDを作って発表してからライブで演奏する、ということは今まで一切やっておらず、メンバーが新曲を作ったら間髪入れずにライブでやってしまうのです。
従いましてCDパッケージとして作品化するという工程は、今までライブでやってきた曲をまとめる作業になっています。Roaming Jamも散々ライブで演奏していた曲ですが、初出はdeweyの「提唱録 弐」でコンパイルされました。

Roaming Jamはアンチミニマルを標榜し(あとでどうでもよくなる)作り始めた曲で、ミニマルどころか同じパートを繰り返さないように組んだことを覚えています。
その結果、「元に戻る安心感」が欠落し、まるで配線がぐちゃぐちゃこんがらがった無秩序な状態、またはレピーター局の中継が複数混在混線している様を想起させる印象の曲になりました。
だからローミングがジャムってるという曲名なのです。

でもその混沌が、「むしろそれがいいんじゃない!」というなんちゃって逆説論を展開させつつ、ねぇねぇ君もそう思うだろう?と聞いてきちゃう押し付けがましい歌詞が生まれた。
そして後半にはグッと突き刺すようなシンセソロを持ってきてドヤ顔をかますという自己陶酔型楽曲に貶めました。(と思っている自己陶酔型昇華技法その一)

そんなとき、dewey deltaとしてこの曲をライブでやろうぢゃないかということになり、ハッチャキさんから大胆なアレンジ指示が来ました。
なんとドヤ顔シンセソロをいきなり冒頭からしかも何度も繰り返し、中盤あたりをバッサリとカットし、アウトロに向けて再び怒涛のドヤ顔シンセソロをリフレインさせるという、まさにローミングがジャムってるアレンジになりました。
dewey deltaで演奏するRoaming Jamはこのアレンジで、6分を超える大作になっています。

「Setter Litir」に収録のRoaming Jamはマネージャ氏のiPhoneによるスタジオ一発録音です。
もともとRoaming JamはCDには収録せずライブ会場での演奏のみとしていました。ところがライブでやっているそのままを録音するという方法ならアルバムに含めても良いかもしれませんなーという流れになり実現したというこぼれ噺。
iPhoneモノラルマイクでの一発録音ですので他の曲とはあきらかに音質に差がありますが、それを含めてお楽しみ頂けるものと考えております。
とはいうものの、多少の追加音を加えております。
6分の大作を3分ちょっとに編集しました。アルバム最後の曲にすることは決まっていたので、短い方が逆に印象に残るのではないかと思ったからです。

曲が終わった後、ハッチャキさんがシンバル触っちゃってシャーンと鳴る音まで入っています。その音までが「Setter Litir」のRoaming Jamです。


(エフオピ)

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