感情のブロマイド
持病の人間嫌いが発症し、慌てて森の中へ逃げ込んだ。
人は1人では生きられない、と誰かが言う。確かにそうなのかもしれない。けれど世の中の大半のことは1人でも出来るのだ。1人でできないのは子を成すこと、だけだろう。
私はときどき、人間嫌いを発症する。これは性格によるものだ。誰とトラブルになったわけでもない。傷つけられたり、傷ついたりしたわけでもない。ただただ、人がいないところに行きたくなる、という厄介な病気なのだ。
そうして孤独という殻の中に閉じこもり、世界の中で一人ぼっちになって初めて、また人の世界に戻りたくなる。まったく厄介な病気なのだ。
アディオス
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