観光ガイドブック

旅行に行く前に観光ガイドブックを買う。そして旅先の下調べをしたり、日程の中で見逃せない観光スポットを確認したりして、気分を盛り上げる。多くの人はそうだろう。

人からは「変わっている」と言われがちなので、あまり言わないようにしているのだが、白状すると、旅行前にガイドブックを見ることはほとんどない。旅行が決まったら、ガイドブックを手に入れる。ここまではいい。でも実際にはほとんど読まない。正確に言うと、あまり読む気が起こらない。買ってぱらぱらとページをめくる程度のことはする。でも頭には大して何も残らないまま旅先にそれを持っていくことが多い。ついでに白状すると、旅行中もガイドブックを首っ引きというのはどうも苦手だ。添付の地図を道案内として参照する程度だ。

ガイドブックをじっくり読むのは旅行から帰ってからだ。ガイドブックだけではなく、行った先々で手に入れたパンフレットや地図を取り出してきてじっくり見る。これが楽しい。旅行前には受け付けなかった情報がすっと頭に入ってくるから不思議だ。

もちろん、後からガイドブックを見ると、穴場や有名スポットを近くに行きながら見逃していたことに気づくことがある。しかし不思議なことに、それでも残念に思うことはまずない。実際に行ったところの方が、まだ行っていないところよりも自分にとって何倍も身近な存在になっているからだろうか。

このようなガイドブックの使い方。自分は変なのかな?他の人はどうなのかな?一度聞いてみたい気がする。少数派かもしれないが、きっと自分のような楽しみ方をしている人がいるはずだ。

かくしてまた本棚に並んだガイドブック時々取り出しては、行った先々の情報を繰り返し読む。外面には出さず、頭の中でだけにやにやしながら。私のひそかな旅にまつわる楽しみ方だ。

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